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役職印とは?代表者印との違いや作成時のポイント

役職印とは?代表者印との違いや作成時のポイント

公開日:2023.7.18 最終更新日:2024.11.1 役職印は、会社名と役職名を刻印した印鑑で、書類に記載された内容の責任が誰にあるかを明確にする役割があります。役職印には「課長印」から「代表取締役社長印」までさまざまなバリエーションがあります。役職印のなかでも、代表者の役職が刻印され法務局に登録されたものは「代表者印」と呼ばれます。 今回は、役職印の主な特徴と役割、作り方などをご紹介します。 役職印とは? 役職印とは、会社での役職や所属を示すための印鑑です。社内文章や稟議書など決済を取るだけではなく社外の契約書などに押印されることもあります。 役職印の主な目的は、書類に書かれた内容を社内の誰が承認したのかを確認する、もしくは責任の所在は誰にあるのかを明確にするものです。社外と契約などを交わした場合は、たとえ代表取締役でなかったとしても、役職者がその契約事項の代理責任者として権限を有する者として効力を発します。 社内外において役職印の効力は強く、社内での重要な取り決めや大事な契約を交わす際に重要な存在となります。 代表者印と役職印の違い 代表者印と役職印はどちらも役職を刻印したものですが、それぞれで役割が異なります。状況に応じて使い分けることが必要です。 ここでは代表者印と役職印について解説します。 代表者印について 代表者印には、会社名と代表者の役職が刻印されます。会社設立の際に作成し、法務局で印鑑登録が必要です。会社の代表者が、対外的な契約や法的な手続き(不動産契約や連帯保証の契約など)を行う際に使用します。法的拘束力は高く、会社の意思決定をするためにはもっとも重要な役割を果たす印鑑です。 代表者印に多いのは丸形のタイプです。サイズやデザインに関する細かな規定はありませんが、会社を代表する印鑑なので印影が変わらない素材で作成する必要があります。会社内でも使用頻度が高いため長持ちする印鑑を選ぶことが大切です。 役職印について 役職印は、部長や支店長などの役職者が利用する印鑑です。会社名と役職名が刻印され、会社によって使用用途や役割に違いがあります。役職印の押印によって、それぞれの役職者が社内外の重要書類の内容に対する責任を証明します。 役職印はさまざまなバリエーションのある印鑑です。会社のみならず、個人事業や組合、NPO法人、理事会やPTAなどの組織も役職印を作成できます。 法務局への登録は不要なうえ、必ず作らなくてはいけない印鑑ではありません。とはいえ利用頻度が高いことから、作成している方は多くいます。 役職印の作り方 役職印を作るには、彫刻する文字・印鑑のサイズ・書体・印鑑の材質を検討する必要があります。刻印されたときに提出先の相手に見やすく、押しやすい質感であるかどうかも大切な要素です。 こちらの章では、役職印を作る際に重視するポイントについて解説します。これから役職印の作成を考えている方は、ぜひご覧ください。 彫刻する文字 役職印を作成する際は、まず彫刻する文字を決めます。印文は中文と回文に分けて刻印されます。印鑑の中央に印字されるのが中文、印鑑の外枠に中文を囲む形で書かれるのが回文です。 回文には会社名、中文には役職社名を2行ほどでそれぞれ刻印します。回文と中文を一目見ただけで、会社名と役職名が相手にはっきりと伝わる役職印を作ることが大切です。文字のバランスをよく見て、印鑑のデザインを考える必要があります。 サイズ 役職印で推奨されるサイズは、直径で約15〜16.5㎜、もしくは18mmです。代表者印や会社銀行印よりは、比較的小さいサイズの印鑑を選択するとバランスが良くなります。自社の取り決めに従った印鑑選びが必要です。 印鑑作成後は、社内での厳重な管理と定期的な印鑑のメンテナンスを行います。役職印の購入元の業者に確認して、交換や校正などのアフターフォローが必要になったら問い合わせると良いでしょう。 書体 役職印で使用されている書体には、下記の3つがあります。 篆書体(てんしょたい) 印相体(いんそうたい) 古印体(こいんたい) それぞれの書体の特徴について解説します。 篆書体(てんしょたい) 篆書体は、中国から伝えられたもっとも古い書体です。約2300年前の秦の時代に、始皇帝の命によって漢字をまとめ上げられて「小篆」という文字が誕生しました。象形文字をベースとしており、重厚感のある印影を作り出します。 日本銀行の紙幣やパスポート、個人の実印まで幅広いシーンで使われている書体です。法人関連の印でも、頻繁に使用されています。 印相体(いんそうたい) 印相体は、昭和初期に案が出された中心から八方になっている形の書体です。篆書体から進化した書体で、「吉相体」や「八方篆書体」ともいわれます。印鑑の枠部分に文字が接しているのが主な特徴です。 ほかの書体と比較すると可読性は低く、偽造や盗用防止に効果が高い書体といえます。印鑑の種類を問わず、幅広く使われる書体です。 古印体(こいんたい) 古印体は隷書体(篆書体を元にして簡略化された書体)を元にして作られた書体で、7〜8世紀頃に生まれました。日本古来の鋳造物によって作られており、独特の線のバランスや強弱ある文字を印影に映し出します。 可読性は篆書体や印相体よりも高く、偽造される可能性がある点がデメリットです。法的拘束力の高い役職印よりも、個人実印や銀行印に用いる方が向いています。 材質 役職印で選ばれる材質には、下記の4つがあります。 柘(つげ) 薩摩本柘 彩樺(さいか) オランダ水牛 印鑑の持ち運びや押しやすさが変わる点が素材の選び方のポイントです。こちらの章では、それぞれの材質の特徴について解説します。 柘(つげ) 柘は別名「アカネ」ともいわれる素材です。印鑑の上部を示す「アタリ」といわれる黒丸がついています。繊維分の密度が高く、硬くて粘りのある材質のため印鑑の彫刻には非常に適している材質です。捺印性も高く、さまざまなシチュエーションで重宝されています。 朱肉の油が染み込むと劣化してしまうため、長持ちさせるには丁寧に手入れが必要です。印鑑を使ったら、こまめに朱肉を拭き取れば長く保ちやすくなります。 薩摩本柘 薩摩本柘は、鹿児島県原産の柘を使った質の高い素材です。一般的な柘よりも繊維分の密度が高く粘り強さもあり、美しい木目を堪能できます。高級感ある美しいフォルムが特徴です。 乾燥には弱いため、乾燥による劣化を防ぐために専用の保管ケースを購入する必要があります。 彩樺(さいか) 彩樺は、真樺の天然木と樹脂を高圧加熱処理することによって作り出された素材です。ひび割れが極端に少ない天然木の美しい木目が、高級感を引き出してくれます。きめの細かい硬い材質で、丈夫な印鑑を作成可能です。 より丈夫で長持ちしやすい役職印を作成したいのであれば、彩樺を選択肢にいれても良いでしょう。 オランダ水牛 オランダ水牛は、主にオーストラリアや東南アジアなどの食肉牛の角を使用しています。朱肉がつきやすく、捺印のしやすさや丈夫さにおいても優れた材質です。淡色・純白・濃色など、カラーバリエーションも数多くあります。 オランダ水牛には、印鑑の頭頂部に芯持がついている高級品があります。水牛の角の中心部であったことがわかる白い点のような「芯持」がある印鑑は、耐久性が高くなるためひび割れを防いでくれます。 まとめ 役職印は、社内外で代表取締役以外の役職者が使用します。役職印の押印によって、書類内容の責任の所在を明示します。そのため、長持ちしやすくはっきりと押印ができるよう作成することが非常に大切です。 印鑑のサイズや印字する書体、印鑑の材質によって使い心地も変わります。経年劣化しやすい素材で作ると、ひび割れや欠けなどのダメージを受けて、印鑑が使用できなくなってしまう場合があるので注意が必要です。長く使えて、社内外の契約をスムーズに進めるためにも適した材質で役職印を作成しましょう。

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角印と丸印の違いとは?普段使用するのに適したのはどちらか

角印と丸印の違いとは?普段使用するのに適したのはどちらか

公開日:2023.7.13 最終更新日:2024.11.1 「法人印」といっても、形状や用途の違いによってさまざまな種類があります。ビジネスシーンでは、1社が複数の印鑑を使い分けるケースも少なくありません。法人印には大きく分けて「角印」と「丸印」があります。大事な場面で戸惑うことのないよう違いを理解しておくことが重要です。今回は、角印と丸印の違いについて解説いたします。 角印と丸印の違い 1.役割 角印は法人の認印に、丸印は実印に当たるものです。役割が異なるため、押印する書類にも違いがあります。ここでは法人印として使われる角印・丸印それぞれの役割を詳しくご紹介します。 角印:「法人の認印」にあたる 角印は会社印や社判とも呼ばれる角形の法人印です。印影が四角い形をしており、印面には会社名が記されています。領収書や請求書・見積書など、日常業務で頻繁に使用されます。個人でいうところの「認印」のような役割をする印鑑です。 会社設立の際には必要ないため、必ず作成しなければいけない印鑑ではありません。しかし 、領収書や請求書・見積書などの書類にきちんと角印が押印されていると、取引先や顧客からの信頼を得られやすくなります。 また、丸印との使い分けができ、丸印の使用頻度を減らすことにも役立つでしょう。角印は印鑑登録を行わないため、代表印として使用することはできません。 丸印:「法人の実印」にあたる 丸印は代表者印や会社実印とも呼ばれる、代表者としての意思表示を行うための法人印です。契約の締結や商業登記などの会社にとって重要な書類や、行政・官公庁への申請書類などに用途が限定されています。個人でいうところの「実印」のような役割をする印鑑です。 角印と異なるのは、商業登記法により、法人設立時に法務局に登録しなければならない点です。印鑑証明書によって登録された印鑑が本物であることが証明されるため、代表取締役を変更したり、官公庁の入札に参加したり、新しく株券を発行したりなど、重要な場面に限って使用されます。 丸印と混同されやすいものに、法人の銀行印があります。銀行印と丸印は、併用を避けた方が無難です。会社の契約とお金のやり取りについて明確に分けて管理するためにも、金融機関に届け出をする銀行印と、法務局に届け出をする丸印は分けて準備することをおすすめします。 角印と丸印の違い 2.印影 ここでは印影における角印・丸印の違いを紹介します。角印には社名や屋号が、丸印には社名と役職名が刻印されているのが一般的です。その名の通り角印は四角く、丸印は丸い形をしているので覚えやすいでしょう。 角印:社名や屋号を刻印 四角い形をした角印には、「〇〇株式会社」などの社名や屋号が刻印されるのが一般的です。印鑑ショップで角印を注文すると、文字数によっては会社名の末尾に「印」や「之印」という文字が入る場合があります。これはおくり字と呼ばれるもので、印鑑を押したときの文字のバランスを見て付け加えられるものです。 おくり字だけではなく、改行する位置も縦や横の文字数を考慮して作られます。もし改行の位置やおくり字の有無に希望がある場合は、念のため事前に伝えておくとよいでしょう。 また、いくら認印とはいえ、偽造されにくい書体を選ぶこともポイント。よく角印に採用される篆書体と吉相体の書体は偽造されにくいのでおすすめです。 丸印:社名と役職名を刻印 丸印の印影は、丸形で二重の円になっており、内側の枠に役職名、外側の枠に会社名が入るのが一般的です。個人名は不要で、会社名と役職名が入っていれば良いとされています。 内側に入る役職名は、株式会社であれば「代表取締役印」、合資・合名会社であれば「代表者印」、信用金庫であれば「代表理事之印」など、法人の形態によって変わります。 丸印は流出や偽造などで悪用リスクが高い印鑑のひとつでもあります。簡単な印面だと偽造・悪用のリスクがありますが、あまりに可読性の低い書体だと読むのが大変です。書体に規定はなく自由に選べますが、あくまでも社名や役職名が把握できる程度の印面で作成しましょう。 そもそも丸印は適切に管理するために、重要な場面以外では使わないようにできるだけ使用頻度を減らすことが大切です。 角印と丸印の違い 3.サイズ ここでは角印・丸印の一般的なサイズについて紹介します。角印には正式なサイズの規定はありませんが、丸印は法務局によって大まかにサイズが規定されています。角印や丸印を新たに購入する際はサイズにも注意が必要です。 角印:1辺20~30mm程度 角印には正式なサイズの規定はないため、会社の裁量によって適当な大きさで作成できます。一辺が20〜30mm程度の大きさで作成されることが多く、よく目にするのは1辺の長さが24mmの角印です。 主なサイズは21,24,27,30mmと準備されています。会社名や屋号の文字数に合わせて選ぶとよいでしょう。社名が10文字前後であれば24mm、15文字以上なら27mmあれば足りるとされています。 丸印:10mm以上30mm以内 丸印は法務局により、10mm以上30mm以内の正方形に収まるサイズと規定されています。直径18mmまたは21mmであるのが一般的です。21mmは大きめのサイズで、印鑑を押したときにしっかりとした印象があります。風格を求める場合は21mmの丸印がおすすめです。 また、丸印には天丸タイプと寸胴タイプの2種類の形状があります。天丸タイプは法人印として定番の形。蓋つきで印面を保護できるほか、風格や重圧感があります。寸胴タイプは個人印と同じシンプルでスマートな形状。天丸タイプと比べてリーズナブルに購入できます。本体の形状は特に規定がないため、好みの方を選んで問題ありません。 角印と丸印の違い 4.押し方 角印・丸印は、押し方にも違いがあります。どちらも法律で定められているわけではありませんが、一般的とされる押し方があります。ここでは、角印・丸印それぞれの押し方を解説します。 角印:文字と印影が重なるように押す 角印の押印位置に正式な規定はありませんが、書類の会社名や代表者名が記載された箇所に重なるように押印するのが一般的です。 押印位置が決まっていないとはいえ、統一感なく押印するのは相手にあまり良い印象を与えません。記載文字の右側に、最後の文字と印影の中心を重ね、バランスを揃えるようにして押印しましょう。文字に重ねるように押印することで、書類の偽造や悪用を防止する役割があります。 丸印:文字と印影が重ならないように押す 丸印は 、契約書などの末尾にある会社名や住所・氏名などの右横に押すのが一般的です。角印と異なり、会社名や会社住所と重ならないように押印します。 署名に重ねるように押印したからといって問題はありません。しかし、押印された印影が正しいものかどうかを印鑑証明書と照合するため、できるだけ被らないように押す方が良いとされています。 書類に「印」という文字が記載されている場合は、「印」の文字の上に丸印を押印することが一般的です。また、角印と丸印の両方を押印する場合は、会社名や住所が記載されている部分の中心に角印を、文字の右横に丸印を押印するようにしましょう。 まとめ 角印は法人の認印、丸印は法人の実印のような役割があります。角印は請求書や見積書などの簡易的な書類に、丸印は契約書や商業登記など重要な書類に用いられるのが一般的です。 それぞれ用途が異なるうえ、サイズや形状、押し方にも違いがあるため、正しく理解しておくことが大切です。

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法人の印鑑証明書の取得方法|コンビニでも取得できる?

法人の印鑑証明書の取得方法|コンビニでも取得できる?

公開日:2023.7.4 最終更新日:2024.11.1 法人が印鑑証明書を取得する方法は、法務局の窓口・郵送・オンラインの3つがあります。もちろん印鑑登録を行っていることが前提ですので、法人設立時は登記と同時に忘れずに登録するようにしましょう。また、印鑑証明書の取得には「印鑑カード」も必要となります。今回は、法人が印鑑証明書を取得する際に必要なものや手続き方法を詳しくご紹介します。 【前提】法人が印鑑証明書を取得するには印鑑登録が必要 前提として知っておくべき、法人が印鑑証明書を取得する際に必要な「印鑑登録」について解説します。登録手順、印鑑カードを取得する手順を知っておくことで、スムーズに手続きを進められます。 法務局に「印鑑届書」を提出する 法人の印鑑を登録する際は、法務局に「印鑑届書」を提出する必要があります。法人の設立登記と同時に登録するのが一般的です。 印鑑届書の提出時に持参するものは以下の通りです。 <届出に必要なもの> 会社実印(代表者印) 届出人の実印 3ヵ月以内に発行した届出人の印鑑証明書 法務局に備え付けられている印鑑届書に必要事項を記載し、上記のものとあわせて申請します。代表者本人が届け出る場合は印鑑提出者本人にチェックを入れ、本人の住所・氏名などを記入しますが、代理人が届け出る場合は、代理人の住所・氏名を記入します。その際、「委任状」と記載されている部分については、代表者本人の記入が必要です。 また、登録できる印鑑は1辺の長さが1cmから3cmの正方形である必要があります。これは商業登記規則第9条に定められているため、必ず守らなければいけません。さらに、印鑑は照合に適するものでなければならないとされています。印鑑作成業者に依頼して作成してもらったものであれば間違いないでしょう。 印鑑登録が済んだら「印鑑カード」を発行してもらう 印鑑登録が済んだら、次に印鑑カードの申請を行います。印鑑カードは会社設立時に必ず求められる手続きではないものの、法人の印鑑証明書を取得する際に必要となるため、忘れずに申請しておいてください。 「印鑑カード交付申請書」は印鑑届書とフォーマットが似ているため、同じように記入していけば問題ありません。代理人が申請する場合は、委任状欄への記入も忘れないようにしてください。提出後は数分〜数十分で印鑑カードが発行されます。 また、この印鑑カードの交付申請は郵送でも行えます。法務局のホームページに申請書があるため、そこから書類をダウンロードし、必要事項を記入し郵送してください。郵送で申請する場合は、返信用封筒や切手を同封する必要があります。 印鑑証明書を請求する際は、原則として代表者本人が手続きする必要があります。しかし、印鑑カードがあれば委任された代理人でも印鑑証明書を請求できるようになります。 法人の印鑑証明書の取得方法は3つ 続いて、法人の印鑑証明書の取得方法とそれぞれに必要なもの、手順を紹介します。事前にしっかりチェックし、スムーズに取得できるようにしておきましょう。 法務局で申請する もっとも一般的なのが法務局の窓口に直接行って取得する方法です。印鑑登録の手続きや印鑑カードの発行は、法人の本店所在地を管轄する登記所でしかできませんが、印鑑証明書の発行は全国どこの法務局でも手続きできます。 従来は特定の法務局でしか手続きができませんでしたが、現在は会社の所在地に関係なく、どの法務局でも請求できるようになりました。 近くの法務局は、以下のホームページで確認できます。 法務局>管轄のご案内 法務局で申請する際に必要なもの 印鑑カード 印鑑証明書交付申請書 手数料(450円分の収入印紙) 法務局での申請の手順 「印鑑登録証明書交付申請書」に必要事項を記載 決められた手数料分の収入印紙を貼り付け 印鑑カードとともに法務局の窓口に提出 法務局内に証明書発行請求機があれば、申請書の記入を省略できる場合があります。詳しくは最寄りの法務局の窓口まで問い合わせてみてください。 郵送で申請する 前述したように、印鑑証明書の交付申請は郵送でも行えます。「印鑑証明書交付申請書」に必要事項を記載し、印鑑カードや返信用封筒などを同封して郵送します。 大事な印鑑カードを同封する必要があるため、機密情報保持の観点から、郵送の際はセキュリティに気をつけたいところです。書留や配達証明などのサービス、追跡できる宅配便などを利用するようにしてください。 郵送で申請する際に必要なもの 印鑑カード 印鑑証明書交付申請書 手数料(450円分の収入印紙) 郵送用の封筒と送料 返信用の封筒と郵便切手 郵送での申請の手順 法務局ホームページから印鑑証明書交付申請書を印刷 申請書を記入、収入印紙を貼り付け 申請書・印鑑カード・返信用封筒と切手を封筒に入れ、法務局に送付 オンラインで申請する もっとも手軽に交付申請ができるのがオンライン申請です。オンラインで印鑑証明書の交付申請を行う場合は、前もって法人の電子証明書を取得しておく必要があります。電子証明書は発行に手数料がかかりますが、法務局に申請を行うことで交付されます。電子証明書を取得できていれば、「申請用総合ソフト」から印鑑証明書の交付申請を行うことが可能です。 初期設定として、ソフトのインストールや申請者情報の登録、電子署名をするために必要な電子証明書の取得をしておく必要がある点に注意しましょう。 オンラインで申請する際に必要なもの 電子証明書 印鑑カード(印鑑カード番号) 発行手数料(郵送の場合は410円、法務局の窓口で受け取る場合は390円) オンラインでの申請の手順 申請用総合ソフトをパソコンにインストールし、申請者情報を登録(※初回のみ) 「申請書の作成を行う」ボタンから該当する項目を選択 印鑑提出者の資格・氏名・生年月日、印鑑カードの番号を記入 交付方法を選択 「処理状況の確認」の画面を立ち上げ、申請書に電子証明書の「署名付与」を行う 処理状況表示画面の「納付」ボタンから、インターネットバンキングで手数料を支払う 法人が印鑑証明書を取得する際の注意点 最後に、法人が印鑑証明書を取得する際の注意点を説明します。個人の印鑑証明書の取得とは異なる部分があるため、事前にチェックしておいてください。 法人はコンビニで印鑑証明書を取得できない 個人の印鑑証明書は、コンビニでマイナンバーカードや住民基本台帳カードを使って取得できます。一方、法人の印鑑証明書はコンビニでは取得できず、法務局への交付申請書の提出が必要です。 方法によって取得までにかかる時間が異なる 法人が印鑑証明書を取得する際は、その手続き方法によって、取得までにかかる時間が異なります。 法務局の窓口であれば数分〜数十分程度、郵送であれば書類を投函した日から3〜4日ほど、オンライン申請を行った場合は受け取り方によって取得できるまでの時間数が異なるのが一般的です。 さらに、法務局での窓口で申請をする際は、法務局の業務時間の間に行かなければなりません。平日8時30分〜17時15分までが受付時間となっており、土日祝日や年末年始は稼働していないため注意が必要です。 まとめ 要点さえ押さえていれば、印鑑証明書の取得はスムーズにできます。法務局の窓口のほかにも、郵送やオンラインで印鑑証明書の交付を申請することも可能です。オンライン申請を初めて行う場合は事前に電子証明書の発行手続きを済ませる必要があります。慣れない場合は時間がかかってしまう可能性もあるため、最初は時間に余裕を持って行うようにしてください。 なお、印鑑証明書の発行のためには印鑑カードが必要です。印鑑登録をする際は、印鑑カードの交付申請を忘れずに行ってください。

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初見難解な「読めない苗字」と由来も紹介!あなたはいくつ読める?

初見難解な「読めない苗字」と由来も紹介!あなたはいくつ読める?

公開日:2023.6.12 最終更新日:2024.11.1 日本国内に存在する苗字は日本名字家系大辞典によると、30万種類にもおよぶと言われています。 「この苗字何て読むの?」「こんな読み方するの!?」なんていう変わった苗字に出会ったこともあるのではないでしょうか。 今回は日本国内でも少数派の「読めない苗字」とその由来も合わせて紹介します。 苗字の歴史など豆知識になる情報など為になることも解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください! 【ちょこっと豆知識】苗字の歴史 苗字が誕生したのは平安時代と言われています。それまでは有力者(豪族)が天皇から授かった一族を称する「氏」のみだったものに位を表す「姓」ができ、区別していました。 その後増えすぎた同族同姓を区別するために、地名や職業から名前を取った苗字が誕生します。 江戸時代など平民が苗字の使用を禁止された時代もありましたが、明治維新以降に階級に関係なく、誰もが使用することを許可されました。 とはいえ、課税がなされるのでは?といったような不信感と不安感からすぐには浸透せず、その後に明治政府が出した「苗字必称義務令」によってすべての国民が苗字を名乗るようになったと言われています。 読めない苗字7選!由来を知れば納得 初見ではほぼ読むのは難解な変わった苗字を7つ、由来も合わせて紹介します。誰かに話す小ネタとしてさらっと読んでみてください。 参考サイト:苗字由来net https://myoji-yurai.net/ 情報は2023/05/18時点のものです。 栗花落 全国順位 42,310位 全国人数 約60人 栗花落さんが多い地域 香川県小豆郡、島根県松江市 栗花落は「つゆ」「つゆいり」と読まれています。 由来は所説ありますが、妻を愛する男性が亡くなった妻を思い、亡き妻を祀ったお堂に名付けた名前が受け継がれたという説もあります。 その昔、水無瀬殿という大臣(おとど/大殿)が居て、露姫という容姿端麗な女性を妻に迎えました。その露姫は1年も経たずに亡くなり、大臣は悲しみのあまり、大臣は妻の霊を祀るお堂を建てます。 そしてその頃がちょうど栗の花が落ちる時期だったため栗花落姫と名付けられ、「つゆいり」という呼び名が苗字として今も残っているようです。 箕土路 全国順位 64,406位 全国人数 約20人 箕土路さんが多い地域 大阪府堺市西区、大阪府貝塚市・泉南市 箕土路と書いて、「みどろ」と読みます。 現在の大阪府南西部にあたる 和泉国南郡箕土路邑 が発祥と言われています。 四月一日 全国順位 94,256位 全国人数 約10人 四月一日さんが多い地域 宮崎県日南市 四月一日と書いて、「わたぬき」と読みます。 冬の間に防寒のために着物に入れていた綿を 旧暦 4月1日 に抜いていたことから、四月一日と書いて「わたぬき」と読むようになったと言われています。 綿貫と書く姓も同じ一族で、いずれも桓武天皇の子孫にあたります。 六月一日 全国順位 不明 全国人数 不明 六月一日さんが多い地域 不明 六月一日と書いて、「うりわり」と読みます。 6月1日になる頃に瓜が割れることが由来との節がありますが、実際に「六月一日」と書いて「うりわり」と読む苗字を持つ人物に会った人や書類を目にしたという人はいないようです。 都市伝説的に情報がひとり歩きしているのか、はたまた昔はあったものの家系が途絶えてしまったのか、今も調査が続いている「読めない苗字」のひとつです。 月見里 全国順位 18,105位 全国人数 約270人 月見里さんが多い地域 静岡県清水市、千葉県松戸市など 月見里と書いて、「やまなし」と読みます。 月見里は清和天皇や桓武天皇の子孫にも見られることから、一族が増え大名などが持つ領地を分割する際にその地名にあった山梨が由来と言われています。 そのときの山梨という土地の周りには高い山がなく綺麗に月が見えたことから、山梨が形を変えて「月見里」となったというわけです。 小鳥遊 全国順位 58,703位 全国人数 約30人 小鳥遊さんが多い地域 和歌山県東牟婁郡太地町・那智勝浦町 小鳥遊と書いて、「たかなし」と読みます。 信濃国にあった高梨邑を領していた清和天皇の子孫である高梨の姓を変えて出来た苗字だという説が濃厚です。 「小鳥が遊ぶ=天敵の鷹がいない」ということからこの文字があてられたと言われています。 一尺八寸 全国順位 65,628位 全国人数 約20人 一尺八寸さんが多い地域 静岡県富士宮市・富士市、兵庫県淡路市 一尺八寸と書いて「かまつか」もしくは「かまづか」と読みます。 昔、鎌の柄の長さが一尺八寸あったことが由来とされています。元は「釜塚」の姓だったと言われていますが、詳しくは不明です。 読めない苗字まだまだある!全国に60人以下の超レアな苗字とは? 日本全国には解読難解で人数の少ない、レアな苗字がまだまだたくさんあります。 (苗字) (読み方) (全国人数) 所神根 しょしね 20人 粗 ほぼ 60人 菓 くるみ 60人 東沢 あてらさわ 60人 陸上 くがみ 10人 上記の初見では読めない苗字の由来は定かではありません。 ただ多くの読めない苗字と同じく、土地の名前や先祖の職業が由来となっている可能性が考えられます。 読めない苗字にも対応のネームスタンプをオーダーするならサンビー 読みにくい苗字は文字数が多かったり、難解な漢字を使っていたりと既製品外になってしまうことも少なくありません。 サンビーのネーム印はどんなに読むのに難解な名字でも、既製品価格でオーダーすることができます。文字数の多い苗字にも対応可能なネーム印の取り扱いもあります。 商品1 ボディカラー6色から選べる!キャップレスのネーム印 「毎日使うものは出来る限りの手間は省いていきたい」そう考える人は少なくないはずです。 サンビーのネーム印『クイックC9 CAMILA』はキャップレスで蓋の開け閉めの必要なくポンっと書類に印鑑を押せます。ロック機能があるので、カバンやポケットで蓋が開いて汚れる心配もありません。 黒のイメージが強いネーム印のボディカラーは、バラエティー豊かに6色から選べます。落ち着いた大人カラーが仕事モードに彩りを添えてくれます。 クイック9 Camilaの購入はこちら↓ クイックC9 Camila 既製品 – サンビーオンラインショップ ココモ 商品2  珍しい苗字でもOK!最大8文字まで対応可能なネーム印 サンビーのネーム印『クイック10』は「苗字のみ」と「名前のみ・フルネーム」の2タイプから選ぶことができます。 苗字のみの場合でも漢字4文字まで対応可能なので、文字数の多い読めない苗字でも既製品内で作れます。 またフルネームのタイプは8文字まで既製品でオーダーできて追加料金がかかりません。 クイック10の購入はこちら↓ クイック10 既製品 – サンビーオンラインショップ ココモ 商品3  1本で3役!ネーム印2サイズ+ボールペン 1本で3役をこなすネームペン『レヴィナ』は、黒のボールペンと2種類のサイズのネーム印が1つにまとまった文具です。 ネーム印は一般的なサイズ9mmと訂正印5mm、もしくは黒壇認印10mmがセットになっています。 ペンのボディは気品のあるマーブル調で、手に優しくフィットする仕様です。 サンビーでは上記以外にもビジネスフォーマルからカジュアルなタイプまで、読めない苗字に対応可能なネーム印を多数取り扱っています。 レヴィナGK – サンビーオンラインショップ ココモ 【まとめ】読めない苗字でもサンビーのネーム印なら既製品で対応可能 日本は海外に比べると苗字の種類が圧倒的に多い国です。長く日本に住んでいても、稀に読めない苗字に遭遇します。 自身が珍しい苗字である人にとっては毎回説明が面倒と感じることでしょう。そして何よりネーム印がすぐ手に入らないことや、オーダーするのにも別料金がかかるといったデメリットを感じるときも少なくないようです。 サンビーのネーム印なら珍しい苗字や文字数の多い苗字でも既製品として対応しています。種類も豊富なので、ネーム印をこれから作る予定の方はぜひ検討してみてください。

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社判と社印の違いとは?実務で役立つ押印ルールを紹介

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公開日:2023.6.5 最終更新日:2024.11.1 会社で使用する印鑑には、いくつか種類があります。しかし、「社判」と呼ばれたり「社印」と呼ばれたりしていて違いがわからず、困っている人もいるのではないでしょうか。 また、会社実印や銀行印、ゴム印など種類が多いうえに、押し方にもいろいろあり、それぞれの印鑑の違いや利用シーンがわからない人もいるでしょう。 そこで今回は、社判と社印の違いや社判の種類、社判の正しい押し方などについて解説します。 社判と社印の違い   「社判」と「社印」は字面が似ているため、「違いがよくわからない」「同じものでは?」と思う人も多いでしょう。社判と社印は同じ印鑑を指す言葉ではなく、以下のような違いがあります。  社判:会社で使う印鑑の総称  社印:会社名を彫った四角い印鑑(角印) つまり、社印は社判の一種です。ただし、社判・社印の定義は会社によって異なる場合があります。 また、社判にはさまざまな種類があり、書類によって押すべき社判の種類が異なるケースがあります。どの社判を押すのが適切かを事前にしっかり確認しておきましょう。 会社で使う印鑑(社判)の種類 社判には大きく分けて、「会社実印」「銀行印」「社印」「ゴム印」の4種類があり、それぞれデザインや用途が異なります。押し間違いを防ぐためにも、それぞれどのような印鑑なのかを覚えておきましょう。 会社実印 会社実印とは、会社名と代表者名が彫り込まれた丸形の印鑑のことです。「代表者印」「丸印」などと呼ばれることもあります。 法人登記の際に法務局で印鑑登録を行い、重要な契約を締結するときに用いる、会社にとって非常に大切な印鑑です。 一般的にサイズは18mm以上で、外枠には会社名、内枠には「代表取締役印」などと彫り込まれます。また、複製を防止するために、複雑なデザインにされていることが一般的です。 銀行印 銀行印とは、法人用の銀行口座を開設するときに、届出印として使用する印鑑です。手形や小切手を振り出すときなど、金銭のやり取りの際にも使用します。 会社実印と同じく丸形で、外枠には会社名、内枠には「銀行之印」と彫り込まれるのが一般的です。 会社実印を銀行印として使用することもできますが、会社実印と銀行印を併用すると紛失・盗難などの被害に遭ったときのリスクが上がります。 また、会社実印は原則として会社の代表者しか使用しませんが、銀行印は経理担当者なども使用することがあります。トラブル防止のためにも、会社実印と銀行印は分けておいた方が良いでしょう。 社印 社印とは、会社が発行する文書に使用する印鑑のことです。「角印」「認印」などと呼ばれることもあります。角型の印鑑に会社名のみが彫られていることが多く、会社実印や銀行印と比較してデザインはシンプルです。 契約書など重要度が高い書類には会社実印、見積書や請求書、領収書といった比較的重要度が低い書類には社印と使い分けている会社が多いでしょう。 ゴム印(住所印) ゴム印(住所印)とは、手書きでは時間がかかる事務作業の効率化を目的に使用されるゴム製の印鑑です。 会社実印や銀行印は、素材に木材や象牙などが使用されることが多いですが、ゴム印の土台にはアクリルやプラスチックなどが使われることもあります。 ゴム印はデザインの自由度が高く、細かな文字も印字可能です。そのため、多くの会社が住所を印字した「住所印」、年月日を印字した「日付印」など、さまざまなゴム印を活用しています。 必要に応じてゴム製のスタンプ部分を取り替えて使用できる、利便性の高いゴム印もあります。 契約書にはどの社判で押印すれば良い? 社判にはさまざまな種類がありますが、契約書に押す印鑑について法的な決まりはなく、どの社判を押印しても構いません。 ただし、重要な契約書には印鑑登録をしている社判を押印した方が良いでしょう。印鑑登録をしている社判であれば、契約締結の場に立ち会った本人が押印したことが証明しやすいためです。 もし契約書の種類や内容によって押すべき印鑑が決まっている場合は、登録済みの印鑑を押すことにこだわりすぎず、そのルールに従いましょう。 実務で役立つ社判の押し方 社判は「契印」「割印」「消印」など、押し方にもさまざまな種類があります。押し方の種類が多いので、それぞれの意味や正しい押し方がわからない人もいるのではないでしょうか。そこで、社判の押し方の種類と意味、正しい押し方についても解説します。 契印 契印とは、契約書が複数に渡る場合に、抜き取り・差し替えが行われておらず、各ページが問題なく連続していることを証明するために押すものです。 契約書のページ数が少ない場合は、全ページで見開きの両ページを跨いで、甲乙それぞれが押印します。 ページ数が多い場合は全ページに押印するのが大変なので、契約書を製本テープで袋とじにし、契約書と製本テープを跨いで甲乙それぞれが押印するのが一般的です。 契印に使用する印鑑には、署名欄に使用した印鑑と同じものを使用しましょう。同じ印鑑を使うことで、当事者が今回の契約を承認した証明になります。 割印 割印とは、同じ契約書を複数枚作成した場合に、それぞれが同一の書類であることを証明するために押すものです。 契約書の原本と写しをずらして並べ、各契約書を跨いで押印します。領収書のように切り取り線がある場合は、切り取り線を跨いで押印しましょう。 割印はあくまでも契約書が同一のものであることを示すものなので、署名欄に押印した印鑑とは異なる印鑑を押してもかまいません。 合わせて読みたい 割印の押し方とは?契約書に押す位置や失敗した場合の対処法を解説 消印 消印とは、収入印紙の再使用防止のために押すものです。契約書と収入印紙を跨いで押印し、使用済みの収入印紙であることがわかるようにします。 割印と同様、消印も署名欄に押印した印鑑とは異なる印鑑を使用しても問題ありません。また、契約当事者全員が消印を押印する必要はなく、誰か1人が押すだけで消印と認められます。 印鑑以外では、氏名や商号などのサインでの消印も可能です。ただし手書きで「印」と書いただけでは消印と認められません。書き方に悩む場合は、印鑑を使用した方が良いでしょう。 訂正印 訂正印とは、契約締結後に契約書の内容を訂正した場合に、訂正箇所に押すものです。訂正箇所を2重線で消し、同じ場所に押印します。 文言を追記したり、「〇文字削除、〇文字加筆」など訂正した文字数を記載したりする場合は、訂正箇所の近くに記載し訂正印を押しましょう。 なお、訂正印は署名欄に使用した印鑑と同じ印鑑を使用する必要があります。また、契約書が訂正されたことを承認した証明のために、契約当事者全員が押印しなくてはなりません。 合わせて読みたい 訂正印とは?訂正印の正しい押し方を解説 捨印 捨印とは、契約締結後に契約書の誤りが見つかった場合に、訂正することを認める意思を示すために押すものです。契約書が原本の1部だけしかないときなどに、捨印を押してスムーズに訂正できるように備える目的があります。 捨印は契約書上部の余白に押すのが一般的です。訂正があった場合は捨印の隣に訂正内容を記載します。 なお、捨印は訂正の権限を相手にゆだねるものであるため、安易に押すと重要な項目を書き換えられるリスクがある点に注意が必要です。 合わせて読みたい 捨印とは?その意味と押す際の注意事項を解説 まとめ 似たような響きの社判と社印ですが、社判は会社で使う印鑑の総称、社印は企業名を彫り込んだ四角い印鑑であり、社判の一種です。 社判には社印以外にもさまざまな種類があるため、各印鑑の意味や利用シーンを理解しておきましょう。社印の定義が会社によって異なることもあるので、事前に自社の社印の定義を確認しておくことも大切です。 また、社判は押し方にもさまざまな種類があります。押し間違いがないように、社判の押し方も覚えておきましょう。

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【予算別】新入社員におすすめのプレゼント9選!贈り物の選び方は?

【予算別】新入社員におすすめのプレゼント9選!贈り物の選び方は?

公開日:2023.5.23 最終更新日:2024.11.1 学生から社会人に変わる人生の節目。新入社員の入社にあたって、会社からプレゼントを贈りたいと考えている担当者の方も多いのではないでしょうか。新入社員にとっても、入社をきっかけに持ち物を一新しようと考える時期でもあります。 今回は新入社員に贈るおすすめのプレゼントや選び方について紹介します。 新入社員へのプレゼントの選び方 新入社員へのプレゼントは、どのように選ぶと良いのでしょうか。せっかく渡すなら、長く使ってもらえるものが良いと思う人も多いでしょう。ここでは新入社員へのプレゼントの選び方を紹介します。 実用性の高いものを選ぶ 新入社員に贈るプレゼントは、実用性の高いものがおすすめです。仕事中に使えるものであれば、応援の気持ちが伝えられます。また、数年後や数十年後に、贈られたプレゼントを見ることで、初心に立ち返るきっかけになるかもしれません。 実用性が高いものならもらった方も困らないうえ、いつでも贈った側のことを思い出してもらえるでしょう。 モチベーションを高められるものを選ぶ 慣れない職場や新しい仕事に奮闘する毎日を過ごす新入社員には、モチベーションが上がるようなものもおすすめです。名入れグッズなどの特別感のあるものなら、モチベーションが高まりやすいでしょう。 ボールペンやパスケース、名刺入れやバッグなど最近ではさまざまなものに名入れできるサービスがあります。自分の名前が入ったものであれば「自分のために用意してもらったもの」と喜んでもらいやすいでしょう。 【予算5,000円以内】新入社員へのおすすめのプレゼント 贈る方ももらう方も気楽な予算で贈るなら、5,000円以内のプレゼントがおすすめです。ここでは予算5,000円以内で贈れる新入社員へのおすすめのプレゼントを紹介します。 印鑑 新入社員におすすめのプレゼントのひとつが印鑑です。社会人になれば、銀行口座を作ったり家や車の契約を結んだりといった機会も増えます。会社で印鑑を使用することもあるでしょう。 印鑑は、中学校や高校の卒業式などで記念品としてもらうことも多く、フォーマルな贈り物に最適です。 また、子どもが生まれたときや20歳になる誕生日など、人生の節目となる日にも贈られます。そうした意味でも、印鑑は入社という節目を迎える人にはぴったりの品物です。 印鑑は苗字が変わらない限りはずっと使えるものであるため、実用性が高いです。印鑑を選ぶときはシンプルかつ無難なデザインにすると良いでしょう。 ボールペン ボールペンは社会人の必須アイテムです。学生時代までは鉛筆やシャープペンシルを使うことが多いですが、社会人になるとボールペンの使用機会が増えます。実用性が高く、何本あっても困りません。 ボールペンは、安価なものから高価なものまで幅広い価格帯の商品があります。新入社員へのプレゼントとしては、重厚感があって少し高価なものが良いでしょう。スーツにも似合う大人っぽく、シンプルなデザインのものが人気です。 合わせて読みたい ハンコ付きボールペンの選び方!名入れも可能でプレゼントにも最適な商品も紹介 手帳 社会人になると、仕事中は手帳やメモ帳にメモをすることが増えます。スーツの内ポケットやバッグからすぐに取り出してメモできるサイズのものが人気です。 また、社会人になると学生時代よりも細かいスケジュール管理が求められます。時間を忘れたり、締め切りや納期に遅れたりしないためにも、手帳を使ってメモを取る人も多いです。 手帳は革製のものや、中にリフィルを追加して使えるものなど、長く使えるものを贈ると良いでしょう。 ハンカチ ビジネスマナーとして身だしなみに気を配りたい社会人にとって、ハンカチは必須アイテムです。 ハンカチは何枚あっても困らず、シンプルなものを選ぶとどんな場面でも使えるので、重宝します。アイロンをかけなくても良いように、タオルハンカチにするとより便利でしょう。 ハンカチは価格帯の幅が広く、手軽に買えるものからブランドの高価なものまで選択肢があります。予算にあわせて選びましょう。 【予算5,000~10,000円程度】新入社員へのおすすめのプレゼント ちょっと良いものを贈りたい場合は、上質だけれど高価すぎない価格帯のプレゼントがおすすめです。ここでは、5,000〜10,000円程度のおすすめプレゼントを紹介します。 名刺入れ 社会人になって名刺を持つようになると、使う機会が増えるのが名刺入れです。社会人になると同時に購入する人も多いでしょう。社会人の必需品なので、プレゼントにも最適です。 名刺入れは何歳になっても使える丈夫でシンプルなものが良いでしょう。何回も買い替えるものでもないので、名入れをして特別感を出すのもおすすめです。 パスケース 社会人になると、自宅や車、自転車、実家、ロッカーなど、持ち歩く鍵が増える人も多いです。キーケースがあれば、鍵が複数あってもスマートに持ち運べます。 キーケースも名刺入れやパスケースと同じように名入れができるものや、丈夫な革が使われたブランドものなどさまざまなものがあるため、プレゼントにおすすめです。 シンプルなものなら、飽きがこず長い間使ってもらえます。 【予算10,000円以上】新入社員へのおすすめのプレゼント 入社にあたって新入社員に良いものを贈りたいのなら、少し奮発して上質なものを購入するのもおすすめです。ここでは、10,000円以上のおすすめプレゼントを紹介します。 腕時計 スーツに似合う腕時計は新入社員へのプレゼントとして最適です。時間に追われることの多い社会人にとって、一目で時間が分かる腕時計は必須アイテムともいえます。 プレゼントするなら、ビジネスシーンに合うシンプルで落ち着いたデザインのものを選びましょう。時計も頻繁に買い替えるものではないので、長く使える丈夫なものがおすすめです。雨の日に使っても壊れないように、防水機能があるものもおすすめです。 財布 入社をきっかけに財布を買い替える人も多いです。財布は実用性が高いアイテムなので、もらって喜ばない人はいないでしょう。ただし、財布には人それぞれこだわりもありますので、事前に好みを聞いておくか、長財布や三つ折り、二つ折りなど今使っている財布と同じ形状のものをプレゼントするのがおすすめです。色やデザインはシンプルで上質なものを選びましょう。 まとめ 新入社員のプレゼントにおすすめのものについて紹介しました。予算に応じて新社会人や新入社員の方が喜ぶ実用的なものをプレゼントしましょう。好みを把握している場合や非常に親しい場合以外は、何個あっても困らないものを贈ると失敗しにくいものです。 合わせて読みたい おしゃれな手作りメッセージカードのアイデア10選!作り方のコツも紹介

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代表者が用いる印鑑とは?活用シーンや選び方のポイントを解説

代表者が用いる印鑑とは?活用シーンや選び方のポイントを解説

公開日:2023.5.20 最終更新日:2024.11.1 起業時には、行政機関に提出する書類や窓口で行う手続きなどが多くあります。その際、印鑑もいくつか用意しておかなければなりません。起業する際に必要となる印鑑の中には代表者印というものがありますが、よく知らない方もいるでしょう。 代表者印を作る際には、活用シーンや役割などを詳しく知っておきたいところです。あわせて代表者印以外の印鑑との違いについても把握しておきたいものです。本記事では代表者印について活用シーンや選び方のポイントを解説していきます。 代表者印とは何か 代表者印がどのようなものなのか、特徴や必要になるシーンについて見ていきましょう。 代表者印の特徴 代表者印は、会社実印や丸印とも呼ばれる印鑑のことです。重要度の高い取引や手続きを行う際に、会社の代表者が対外的に使用します。 丸印と呼ばれることが多いのは、ほとんどの会社で丸形の印鑑を代表者印として使用しているためです。 刻印は丸が二重になっています。内枠に「代表取締役印」と彫り、外枠には会社名を彫るのが一般的なデザインです。 ただし、あくまで慣習で必ず丸形の印鑑を代表者印にしなければならないルールはありません。丸形以外の印鑑を代表者印として使用することも可能です。 また、丸形の印鑑であっても代表者印だとは限りません。たとえば、銀行印などは代表者印と同様に丸形のものが用いられるケースが多いです。 代表者印は法務局で登録します。登録は以前までは義務付けられているものでしたが、現在では任意になっています。とはいえ、登録をしないと不都合な面も多いため、大半の会社では代表者印の登録を済ませています。 代表者印が必要なシーン 代表者印は、重要度の高い手続きなどを行う際に必要になることが多いです。たとえば、登記申請書を作成するときに、代表者印を押さなければなりません。 また、事業を営む上で、取引先などと契約を締結する機会がよくあります。その際には契約書を交わしますが、代表者印を押すのが一般的です。代表者印が押されていることで、代表者が対外的に意思表示をした証明として扱われます。 まれに代表者印以外の会社印などが押されている契約書もあるかもしれません。しかし、代表者印でないと代表者が正式に意思表示したものとしては扱われないため注意しましょう。相手方も代表者印でないと、応じてくれない可能性があります。 そのほか、官公庁へ提出する届出書類や、代理人への委任状などにも代表者印が必要です。委任状は専門家に対して、契約締結や交渉などを任せるときに作成します。 さらに、会社が法律行為を行うときにも代表者印を使用します。 代表者印を選ぶ際に確認すること 代表者印を選ぶ際には、次のような点をチェックしておきましょう。 サイズや形状 商業登記規則により、代表者印のサイズが定められています。具体的には、1cm以上3cm以内の正方形に収まるものである必要があります。大きすぎたり小さすぎたりしても、登録できないため注意しましょう。直径で見ると18mmか21mmのものを選ぶのが一般的です。 また、印鑑は天丸タイプと寸胴タイプの2種類に大別できます。 天丸タイプとは、持ち手の部分がひょうたんのような形状をしているのが特徴です。重厚感のあるデザインで、見栄え良く感じられるでしょう。印面が保護されるようにサヤも付いています。 寸胴タイプは、個人印でよく使われている円柱の形状をしたデザインです。シンプルな反面、会社の代表者印として使用するには、やや安っぽく感じられるかもしれません。 代表者印を選ぶときには、上記のうちどちらでも好きな方を選べます。ただ、定番は天丸タイプです。 書体 代表者印に刻印する書体は特に決まっているわけではありません。とはいえ、あまり簡単な書体だと、偽造されるリスクがあるため、複雑で読みにくい書体を選ぶのがおすすめです。 代表者印でよく使われる書体として、篆書体(てんしょたい)・吉相体(きっそうたい)・古印体(こいんたい)の3つがあります。 このうち吉相体は非常に複雑で、じっくり見ても読むのが困難なことが多いです。認印などに使われる書体と比べると、見栄えが良く風格が感じられるでしょう。 吉相体とは逆に、古印体は読みやすいのが特徴です。ひと目見ただけでも、どこの会社の代表者印なのか簡単に分かります。 篆書体は、その両者の中間的な位置づけで、程良く読みづらいような具合です。吉相体と同様に複雑な形状で偽造されにくいため、代表者印として最も使われる書体でもあります。 素材 代表者印は長く使うものなので、耐久性の高い素材を選ぶのがおすすめです。 たとえば、チタン・牛角・黒水牛・柘植(つげ)などが、代表者印の素材によく使われています。いずれも堅牢性が高く、朱肉の付きが良い素材です。 チタンは金属ですが、金属アレルギーがある人でも心配なく扱えます。高級感のあるブラックチタンやゴールドチタンなどを選ぶのも良いでしょう。 チタンは、建物が燃えた場合でも、印鑑は残るほどの耐久性を誇る素材です。 牛角は象牙に近い質感の素材で、女性に人気があります。黒水牛は漆黒で重厚感のある素材です。 代表者印の押し方 契約書などの重要書類は、下の方に会社名・役職・氏名を記載するでしょう。代表者印を押すときには、その右側に押すのが一般的です。 このとき、文字と重ならないようにしましょう。文字と重なってしまうと、印鑑証明書の印影と合致しているかどうかの判別ができなくなる場合があるためです。 また、書類によっては代表者印を押す位置に「印」の文字が入っているものもあるでしょう。この場合は、「印」の文字と重なるようにして代表者印を押して問題ありません。「印」の文字が中心になるようにして押します。 そのほか、使用する朱肉も考慮しましょう。朱肉にはスポンジ朱肉と練朱肉があります。どちらを使用する場合も、捺印マットを引くようにしましょう。 スポンジ朱肉を使用するときには、印鑑で朱肉をトントン叩いて付けます。そして「の」の字を書くような感覚で押すのがコツです。 練朱肉を使用する場合には、印鑑で朱肉全体をまんべんなく軽くポンポンと叩いて付けます。書類に押すときには、力を入れすぎないようにしましょう。 代表者印以外に必要な印鑑の使い分け 会社で使用する印鑑のうち、代表者印以外のものとしては、角印と銀行印があります。 角印とは、会社の認印としての役割を持つ印鑑のことです。たとえば、請求書や領収書などに判子を押す際に使われています。 ただし、角印を押しても、代表者の意思を証明するものにはなりません。そのため、契約書などの重要書類では通常使用しないものです。 銀行印は、金融機関への登録の際に用いられます。法人口座から預金を引き出すときや、金融機関での手続きを行うときなどに必要です。代表者印と同様に丸形のものが使用されています。 まとめ 代表者印は、会社の代表者の意思を示すための印鑑です。契約書や委任状などの重要書類に使われます。 直径18mmか21mmの丸形で天丸タイプのものが一般的です。書体は自由ですが、やや複雑で読みにくいものが使われます。長く使うものであるため、多少価格が高くても、耐久性が高く見栄えも良いものを選ぶようにしましょう。 合わせて読みたい 会社設立で必要になる印鑑|種類や選び方・購入方法は?

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社印とは?角印や丸印との違いや使い方を紹介!

社印とは?角印や丸印との違いや使い方を紹介!

公開日:2023.5.12 最終更新日:2024.11.1 法人として扱う書類には、さまざまな印鑑が押されています。このうち、社印とはどのような印鑑を指しているのかをしっかりと理解しておく必要があります。また、社印以外の印鑑の種類や使い方なども覚えておかなくてはなりません。 今回は、法人が扱う社印について、角印や丸印との違いや使い方を紹介します。 社印とは会社名を彫った四角い印鑑のこと 社印とは、会社名を彫った四角い印鑑を指します。サイズが大きく、使用シーンも多いことから、実印と思われている方もいますが、会社の認印です。会社の実印(丸印)は代表者印とも呼ばれており、詳しくは後述します。 社印の主な使用シーンは、社内文書・見積書・請求書・領収書などです。業務で日常的に使われていることが分かります。 社印と似た言葉に「社判」があります。社判とは、会社で使う印鑑の総称です。社印・代表印・銀行印・ゴム印など、会社で使用されるすべての印鑑は社判に該当します。ただし、会社によっては特定の印鑑のことを社判と呼ぶケースもあります。 会社で使う主な印鑑の種類 会社で使う主な印鑑には、角印と丸印があります。ここでは、それぞれの印鑑の特徴を詳しく説明します。 角印 角印とは、文字通り四角い印鑑を指しており、社印と角印は同じ意味で使われます。法人が使用する角印(角判)には、一般的に会社名や屋号などが彫られているため、社印とも呼ばれているのです。 丸印 丸印とは、字のごとく丸い形をした印鑑を指します。印鑑は、以下のように2本セットもしくは3本セットで多く販売されています。 ・2本セット…実印+社印・3本セット…実印+銀行印(割印または住所印)+社印 丸印は、社印よりも法的効力が強い書類で使われます。主に使われる丸印は3種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。 会社実印(代表者印) 社印の概要で少し触れたように、会社の実印は代表者印とも呼ばれています。設立登記の段階で、代表者が法務局に印鑑登録した印鑑を指しており、企業名と合わせて役職名が彫られていることが一般的です。 実印の大きさは「1辺の長さが1cm超かつ3cm以内の正方形に収まるもの」と定められています。設立登記以外にも、株券の発行・不動産取引・代表取締役変更など、会社における重要手続きに必要な印鑑です。 銀行印 銀行印は、銀行や信用金庫などの金融機関に届け出をしている印鑑です。法人銀行口座の新規開設や窓口での預金引き出し、手形や小切手の発行など、お金に関わる重要な手続きにおいて使用されます。代表者印は大きさが決まっていますが、銀行印のサイズに規定はありません。 会社実印と銀行印は分けて用意する必要があります。どちらも同じ丸印で、共通して利用できるものではありますが、紛失した際のリスクはとても大きなものです。会社として重要な手続きができなくなり、ビジネス上で大きな問題が生じてしまいます。 会社実印と銀行印は、必ず別々の印鑑を用意し、保管場所も分けることが大切です。 会社認印 3種類の丸印のうち、最も使用頻度が高い印鑑です。印面に会社名だけが彫られており、登録は不要です。 実印の使用場面を限定するため、実印を使わない重要書類への捺印や、社内決裁における役職印などで使われています。 社印の押し方 社印は会社の顔ともいえるため、丁寧かつきれいに押さなくてはなりません。加えて、書類の改ざんを防ぐためにも、正しい押し方を覚えておきましょう。 社印は、会社名・代表者の署名欄・住所などの一部に重ねるようにして押印します。そうすることで、書類の複製が難しくなり、偽造などの悪用を防ぐことができます。 署名欄付近にスペースがなければ、会社名もしくは代表者名の中央付近に押印します。押印場所に迷う場合は、過去に押印した社内書類や取引先の書類などを参考にすることをおすすめします。 押印するときは、捺印マットを使うときれいに捺印できます。朱肉を印鑑につけ過ぎないよう注意し、押すときは「の」の字を書くよう意識して適度な力加減を心がけましょう。 練朱肉・スポンジ朱肉のいずれを使う際も押し方は同様です。 社印を作成する際に意識する点 社印を作成する際は、サイズ・書体・素材の3つを意識する必要があります。それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。 ポイント 1.サイズ 社印のサイズに、特に規定はありません。一般的に使われているサイズは、21mmから24mm程度の正方形です。 角印のサイズは、15・18・21・24㎜の4種類です。大きいサイズはどっしりとした印象を与えますが、社名が短いと余白が多くなってしまいます。反対に、長い社名で小さな角印を作ると、字が読みにくくなってしまうでしょう。 上記の点から、社名の長さとバランスの取れるサイズを選ぶのがおすすめです。験担ぎとして、あえて大きいサイズの角印を選ぶ経営者もいるようです。 ポイント 2.書体 社印の複製を防ぐため、使われる書体は偽造や複製がしにくい書体を選ぶことが大切です。社員に使われる主な書体は、以下の3つです。 篆書体(てんしょたい) 篆書体は可読性が低く、防犯性が高い書体であり、社印に最も多く使われています。日本最古の印鑑とされる漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)の金印や日本の紙幣にも使われており、中国から伝わった書体です。 篆書体で作られた印鑑は、印鑑の枠に文字が多く接触しており、衝撃が加わったり落としたりしたときでも、印鑑の枠が欠けにくい特徴があります。 吉相体(きっそうたい) 吉相体は「印相体」とも呼ばれています。篆書体よりさらに可読性が低く、独特な書体です。社印に使われることは多いものの、文字の特徴から実印登録をしようとすると許可されない場合もあります。 風水や易学でも用いられており、文字が八方に伸びていることから縁起を担いで選ばれるケースも多いです。篆書体同様、印鑑の枠に文字が接しています。 古印体(こいんたい) 古印体は、3つの中で最も可読性が高い書体です。アルファベットの社名でもなじみやすく、優しい印象を与えます。実印や銀行印の書体として使えるほか、認印としても使えることで、汎用性が高い書体です。押印したときに、陰影がきれいに出やすい点が大きなメリットです。 どの書体であっても、名前の最後に「之印」もしくは「印」と入れるのが一般的です。これはおくり字と呼ばれるもので、文字のバランスを取るために入れます。 上記の書体以外にも、近年ではデザイン性が高い書体も増えています。 ポイント 3.素材 社印は長く使うものであるため、素材も重視したいところです。主に以下の3つが使われていることが多いです。 チタン チタンは金属のひとつであり、耐久性が高く、傷がつきにくい特徴があります。ほかの金属類に比べ、朱肉がきれいに付く点が大きなメリットです。 水洗いができ、手入れも簡単なことから、長く使う社印の素材に適しています。ブラストチタン・ゴールドチタン・ブラックチタン・ジュエリーチタンなど、さまざまな種類があります。 黒水牛(くろすいぎゅう) 黒水牛は耐久性が高く、見た目も高級感があるため、社印の素材としてよく使われています。 ただし、直射日光や乾燥に弱い点がデメリットです。黒水牛を選ぶのであれば、保管する場所や方法に十分注意が必要です。 柘植(つげ) 柘植は、アカネ(海外産)と本柘植(国内・薩摩産)との2種類があり、チタンよりも価格を抑えられます。木製のため、縁欠けや摩耗などの経年劣化はあるものの、朱肉がきれいに浸透しやすく、味が出て縁起が良いといわれることも多い素材です。 合わせて読みたい 印材の種類 まとめ 社印は実印とは異なるものの、書類に押印する機会がとても多い印鑑です。これから社印を作ろうと検討している方は、今回紹介した内容を参考に、会社に合った社印を選んでみてください。

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会社設立で必要になる印鑑|種類や選び方・購入方法は?

会社設立で必要になる印鑑|種類や選び方・購入方法は?

公開日:2023.5.15 最終更新日:2024.11.1 会社を設立するときには、印鑑が必要です。しかし、会社で使用する印鑑には会社実印や銀行印など複数あり、どの印鑑を用意すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。 今回は会社設立の際に必要になる印鑑の種類や選び方、購入方法について紹介します。 会社設立で必要になる印鑑の種類 会社で使われる印鑑にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは会社設立の際に必要な印鑑の種類を紹介します。 会社実印(代表者印) 会社実印は、会社の印鑑証明用の印鑑です。契約や不動産取引、株式取引など会社にとって重要な場面で使用されることが多く、普段はあまり使用されません。 起業する際には、印鑑届書を法務局に提出し、登録するのが一般的です。以前は必須でしたが、最近では法改正により任意になりました。 すでに印鑑登録をしている企業の場合は、慣習からか、社名変更時に印鑑を登記することも多くあります。印鑑証明は契約や申し込みなどのときに求められることもあるため、持っておくと運営がスムーズにいくこともあります。 印影は、1辺の長さが1cm以上、3cm以内と決められているため、規定に則ったサイズのものを作成する必要があります。 銀行印 銀行印は銀行口座を開設するときに必要な印鑑です。会社実印と銀行印を併用することもできますが、紛失や悪用のリスクを考えれば、専用の印鑑を作った方が良いでしょう。 銀行印はお金の出し入れに必要な印鑑なので、紛失や悪用のリスクがないように選びましょう。 角印 角印は、請求書や発注書などに捺印する四角形の印鑑で「社印」とも呼ばれます。会社を登記する際に作成する方が多くいます。 最近では、請求書がデータ化されていることもあり、角印そのものを作成せずに、印影のデータだけを作成して、印鑑を電子化している方もいます。 請求書には角印を押さなければならないという決まりはありません。実際に、角印の代わりに会社実印を押す方もいます。 しかし、請求書は基本的に毎月各取引先に対して発行するもので、使用頻度が高いため、他人の目によく触れる印鑑に会社実印を使うべきではないという考えもあります。 ゴム印(住所判) ゴム印(住所判)は事務作業の効率化のために使用される印鑑で、会社名、代表者名、住所、電話番号などが記載されているものです。 すべての項目がひとつになっているパターンもありますが、それぞれの項目に分けて作成し、使用場面に応じて組み合わせを変えて使用するパターンもあります。 ゴム印(住所判)は「小切手判」ともいわれ、小切手に押すために必須でした。最近では、飲食店などで、領収書に押すために使われることが多いです。 ゴム印(住所判)は会社設立に必須ではありませんが、必要な項目を自身で書く手間を考えると、何枚も書類を作成する場合には効率的といえます。 【会社設立用】印鑑の選び方 会社設立で使う印鑑はどのように選べば良いのでしょうか。サイズや書体、素材など選ぶ要素はたくさんあります。ここでは、会社設立で使う印鑑の選び方を紹介します。 サイズ 会社実印は、直径18mmや21mmの丸印が多い傾向にあります。銀行印はそれよりも一回り小さく作ることが多いです。 それぞれの印鑑の大きさとしては、角印が一番大きく、次に会社実印、その次に銀行印の順で作成するのが一般的です。 見分けがつきやすいようにバランスが良い大きさで作成しましょう。 書体 印鑑の書体には、篆書体(てんしょたい)、吉相体(きっそうたい)、古印体(こいんたい)などがあります。よく使われるのは、篆書体(てんしょたい)と吉相体(きっそうたい)です。 篆書体は、日本銀行券(日本のお札)にも使われている書体で、判読しにくく、偽装もされにくいといわれています。 吉相体は、枠と文字が接している部分が多い書体なので、印影が欠けにくいです。可読性も低く、会社実印にも銀行印にも向いています。 古印体は読みやすい書体なので、日常的に使用する印鑑に使われることが多々あります。重要な書類に押すことが多い会社実印や銀行印などにはあまり使われません。 他社と重複したり、複製されたりするのを防ぐためにも、会社実印や銀行印には基本的に可読性の低い書体が用いられます。可読性が高い書体を使用すると、悪用されるおそれもあるので、注意しましょう。 会社実印の印影は一般的に二重の円になっていて、外丸に会社名、内丸に役職名が入ります。より複雑な印影にするためには、外丸を篆書体にして内丸を古印体にするなど、外丸と内丸で書体を変えるのもおすすめです。 素材 印鑑の素材もさまざまなものがあります。色や素材は好みで選んでも問題ありませんが、なるべく耐久性の高いものがおすすめです。一般的には、柘(つげ)や黒水牛、チタンなどが選ばれています。 柘(つげ) 柘は耐久性は低めですが、価格がリーズナブルなので人気です。印鑑にこだわりがない人は柘を選ぶ人も多いので、とにかく開業資金をできるだけ抑えたいという人は柘を選ぶと良いでしょう。 黒水牛 黒水牛は柘よりも耐久性が高く、高級素材ではありますが比較的安価です。ショップによっては、純天然黒水牛を扱っており、この世に二つとない特別な印鑑を作ることも可能です。 チタン チタンは、比較的新しい素材です。値段は高いものの、メンテナンスなしで長期間使用できます。使用回数による摩耗もなく、金属で重厚感もあるので、しっかりとした印鑑が作りたい人はチタンを選ぶと良いでしょう。 象牙 象牙も印鑑の素材として人気がありますが、生物保護の背景から使用を避ける動きもあり、希少価値がかなり高まっています。近年では、象牙に代わる素材として、マンモスの化石を扱っている会社も増加しています。 彩樺(さいか) 彩樺(さいか)は「アグニ」とも呼ばれ、柘と同じくリーズナブルな素材です。軽くて扱いやすいのが特徴です。また、素材に個性を出したい人は彩樺を選ぶケースがあります。木目が美しい素材なので、見た目重視の人にもおすすめです。 オランダ水牛 オランダ水牛も昔からの印材として有名で人気があります。茶色い柄が多いものと無地に近い白色の2つのランクが存在しており、茶色が少ないほど高級な素材です。模様がひとつひとつ違うので、好みの模様のものを選ぶと良いでしょう。 合わせて読みたい 印材の種類 会社設立に必要な印鑑を購入するなら 会社設立のときに必要な印鑑はどのように手に入れれば良いのでしょうか。購入する方法としては、インターネット通販と店頭での注文が考えられます。どちらもオーダーメイドになるため、印鑑ができるまでに時間を要するので注意しましょう。 インターネットでの購入は便利ですが、会社に関連する印鑑は長く使うものなので、実際に目で見たり、サンプルを触ったりして確かめた方がより安心です。予算や書体などの相談もできるため、店頭での注文が良いでしょう。 一つひとつ違うものをオーダーすることもできますが、法人用の印鑑をセット売りしているところもあります。使用頻度にかかわらず使用するものなので、一式セットで購入しておくこともおすすめです。 まとめ 会社設立のときに作成する印鑑にはさまざまな種類があります。用途によって印鑑も違うため、会社実印、銀行印、角印、ゴム印などの印鑑を用意しておくと良いでしょう。 印鑑の素材や書体にこだわるのもおすすめです。書体はもちろん、素材にも個性を出すことができるので、好きなものを選びましょう。 会社設立に必要な印鑑は一式セットで購入するのがおすすめです。長く使うものなので自分の目で確かめて選びましょう。

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あなただけの印鑑を!印鑑の製造方法

あなただけの印鑑を!印鑑の製造方法

公開日:2023.1.20 最終更新日:2024.11.2 人生の大切な場面で使うことが多い印鑑ですが、どのように作られているかご存知でしょうか?全て職人が一本ずつ手彫りしていると思われている方も多いのではないでしょうか? どのような作り方、優れた点があるのかご説明させていただきます。 基本的な印鑑製作の流れ 文字や字形の選定 これから作製する印鑑のベースを決める大切な作業となります。この段階で捺印した印影のイメージが決まります。 注文する人が直接意見を伝えることができる工程でもあるので、こだわりの書体や配列など納得がいくまで検討されることをおすすめします。 ちなみに文字配列や彫刻する位置などに意味をもたせた「開運印鑑」というものがあります。これは近年一部の印鑑業者が販売方法のひとつとして編み出したものと言われています。ご興味のある方は別途ご検索されては如何でしょうか? 合わせて読みたい 判子の字体(書体)は種類ごとに異なる!字体の特徴と選び方を紹介 印材の準備 文字を彫刻する印材の表面を目の細かいヤスリで平らに揃えます。一部に凹みがあると完成した印鑑の文字にも影響が出るので細心の注意を払いながら研磨します。 その後 彫刻面に文字を書き入れるため着色します。一般的に朱を入れることが多いです。 合わせて読みたい 印材の種類 印鑑文字(印面)の書き入れ 事前に作製した彫刻文字を印材に書き入れていきます。このとき、文字は左右逆転したものでなければなりません。また、単純に文字を配置しただけではつまらない仕上がりとなります。文字の流れを活かして個々の文字が引き立つようなバランスを調整していくことも職人の技と言えます。 粗彫り いよいよ印材を彫刻する作業となります。まずは書き入れた文字の周囲を荒く彫っていきます。彫刻する印材素材の種類によって性質が異なるため慎重な確認をしながらの作業となります。 文字は細い線が垂直に立つように彫刻するのではなく、文字表面から土手のように緩やかな傾斜を付けて彫刻していきます。これは押印時にかかる力になえるため文字の土台部を太く丈夫にするためです。 仕上げ彫り 粗彫りが完了した段階でも印鑑として使えそうなのですが、よりキレイにするため仕上げ彫りを行います。粗彫り時に発生した彫刻跡・バリなどを取り除き、文字線の幅を均一に整えていきます。 捺印確認 彫り上がった印鑑の出来を確認する作業となります。これまでの工程を完璧に熟したことで得られる結果となります。 印鑑の製作方法 上記が印鑑作製に関する全体の流れになります。これからは、現在主流となっている印鑑の製作方法とその違いを見ていきたいと思います。 完全手彫り すべての工程を「職人の手彫り」にて行う印鑑彫刻となります。歯医者さんで使われる手持ちの電動工具(リューター)を使うだけで完全手彫りではなくなってしまいます。写真の左上にあるような色々な刃先形状の「印刀」だけを使用して彫刻を行っていきます。  出来上がった印鑑の品質は技能者の腕と、どの程度丁寧に仕事をするかにかかっています。印鑑材料にもよりますが、一人一日で彫れる実印は3・4本と言われており、印材の中でも硬質な象牙などは更に時間がかかるため仕上げる本数は少なくなります。 自動彫刻機 パソコンで編集・作製した印面内容を自動で彫刻するのが彫刻機です。 専用のプログラムでパソコンにインストールされた印鑑用文字フォントをモニター画面上で配置して、文字の大きさを調整し、必要に応じて細部を加筆修正して印面内容を作製していきます。画面上でデザインが決まると、彫刻機にセットした印材を細い高速回転カッターにて正確に自動で彫刻していきます。 彫り上がった印鑑は、職人の手により印刀(印鑑彫刻用の彫刻刀)で細かな部分を仕上げます。 現在販売されている印鑑の多くはこのタイプで製造されています。また複数のメーカーから多くのロボット彫刻機が作られています。彫刻機で作製すると、非常に似た印影の印鑑ができやすくなります。そのため彫刻機による製作の場合は、文字や字形の選定時に自分なりのオリジナル性を盛り込む必要があります。 光電式彫刻 自動彫刻機と異なる光電式の彫刻機という方法があります。トレーシングペーパーなどに描かれた印鑑原画(版下デザイン)を顕微鏡カメラで白黒を一点ずつ読み取っていきます。(写真の右側部分)その情報を元にして印材を彫刻していきます。(写真の左側部分) 光学式彫刻機の仕組みは簡単に言うと、セットされた印材の上で高速回転するカッターが、「原画の白い部分」では「下がって削る」、「黒い部分」では「上がって文字を残す」を繰り返していきます。原画と印鑑は同期して回りながら印鑑の全ての場所を自動的に彫刻します。機械による彫刻が終了後、職人の手によって仕上げ彫りして完成となります 光学式彫刻機では印鑑原画を手書きする必要があり、機械での彫刻仕上がりに多少のブレが生じることから、自動彫刻機と比較すると多くの手仕上げが必要な為、類似デザインの印鑑ができにくいという特徴もあります。 射出成形 100円ショップやホームセンターなどで売られている、いわゆる「三文判」と言われる大量生産された安価な印鑑になります。 一般的な工業品と同じように、専用の成形金型を用いて溶けた樹脂を流し込む射出成形によって全く同じ印鑑を大量に製造します。 取り急ぎでも簡単・安価で入手できる一方、第三者が同じ印影の印鑑を簡単に手にすることができるので偽造などのトラブルを生じるリスクがあります。また安価な樹脂材料を使用していることが多いため、印面部の破損などのトラブルも生じやすいです。 回覧・確認などに押印する用途としてなら安心して使えますが、トラブルリスクを考慮すると大切な書類に押印する場合は射出成形品を避けるべきでしょう。 まとめ 如何でしたでしょうか? どんなに機械化が進んでも熟練の職人による技には適うことができないものがあるかと思います。しかし一方で彫刻機械で製造された印鑑にも良い面があることもご理解いただけたと思います。 大切な印鑑です。新たに作製するときには製造方法も理解した上で、ご自身に合った方法・お店を選んでくださることをお願い致します。

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印鑑証明とは?印鑑証明の取り方について解説します

印鑑証明とは?印鑑証明の取り方について解説します

公開日:2022.10.25 最終更新日:2024.11.2 みなさんは印鑑証明について詳しく知っていますか? 印鑑証明について知っておくと、いざという時に混乱することがありません。印鑑証明は様々な場面で必要になるため、事前に発行方法や使い道などについて知ることが大切です。 それでは、印鑑証明とは何かご説明しましょう。 印鑑証明とは 印鑑証明とは、いわゆる印鑑証明書のことです。 この印鑑証明書を発行してもらうことで、印鑑が市区町村の役場で登録された公的なものだと証明できるため、様々な場面で必要になります。とはいえ、日常生活ではそれほど頻繁に必要とされる書類ではないので、知らない人が多いのも無理はありません。 ただし、印鑑証明書は実質的に実印であることを証明するためのものでもあるため、実印が必要になった時のために用意しておくのも良いでしょう。 印鑑証明書は何に必要? 印鑑証明書が必要になるのは、以下の通りです。 会社設立をする時 賃貸物件の契約をする時 土地や建物などの不動産を購入・売却する時 自動車の購入・売却・譲渡・廃車手続きをする時 自動車保険や生命保険に加入する時 保険金を受け取る時 遺産相続の手続きをする時 ローンの契約をする時 以上のような重要な契約や手続きを行う場合、役所に登録している実印でなければ効力が発揮されません。実印が用意できたとしても、それが契約者本人のものであることを証明しなければならないため、印鑑証明書が必ず必要になります。 実印や印鑑証明書が必要なのは、契約者ではない誰かが代理人を名乗って適当な認印を使い、勝手に契約する事態を防ぐためです。公正で安心できる取引や契約、手続きを行うためには、印鑑証明書が必要になるのです。 印鑑証明に有効期限はあるの? 気になるのは印鑑証明書を取得した時に有効期限があるのかどうかです。 しかし、印鑑証明書自体に有効期限は存在しません。一度取得すれば永久に効果が発揮されるので、余裕がある時に取得するだけでも全く無駄になりません。 ただし、登録している実印に変更がある場合や、一部の契約を行う際に有効期限が問われるケースがあります。 実印に変更がある場合、住所が変わるなどの理由で以前の実印が使えなくなるケースがあるでしょう。その場合は、新しい住所でもう一度実印の登録を行うことで効力が発揮されるようになります。 また、一部の契約というのは、不動産登記の申請や遺産分割協議書などに添付する印鑑証明書です。 これらの契約や手続きを行う時は、基本的に3ヶ月以内に発行されたものでないと認められません。 これは、添付する印鑑証明書の取得時期が法令で定められていたり、独自の提出先になっていたりするからです。古い印鑑証明書でもいいのではないかと思うかもしれませんが、提出先にとっては本当に契約者本人のものであるか不安に思います。 だからこそ、確実に契約者本人の実印であることを証明するために取得時期が決められているのです。 印鑑証明書を発行する時の手順 印鑑証明書を発行する方法は、役所や証明サービスコーナーなどの窓口で発行する方法と、コンビニのマルチコピー機で発行する方法の2種類があります。 役所や証明サービスコーナーなどの窓口で発行する方法は、以下の通りです。 窓口周辺にある印鑑登録証明書交付請求書に必要事項を記入する 窓口に提出する 以上の手順で印鑑証明書を発行することができます。 また、発行に必要なものは、以下の通りです。 印鑑登録証、またはマイナンバーカード 本人確認書類 手数料 コンビニのマルチコピー機で発行する方法は、以下の通りです。 マルチコピー機にマイナンバーカードをかざす 画面の案内に従って操作する また、発行に必要なものは、以下の通りです。 マイナンバーカード 手数料 マルチコピー機を使用する場合、申請書を記入する必要性がなくなりますし、本人確認書類も必要ありません。何よりコンビニ交付に対応していれば、毎日午前6時30分~午後11時の間に発行できるのがポイントです。 ただし、マイナンバーカードでなければ発行できないため、まだ発行していない人は事前に発行しておきましょう。 代理人でも印鑑証明書を発行することはできる? 結論から言えば、代理人でも印鑑証明書を発行することができます。 印鑑登録証を用意し、印鑑登録証明書交付請求書に本人の住所や氏名等を正しく記入している状態で役所の窓口で申請することで、印鑑証明書を発行してもらうことが可能です。 代理人が代わりに申請する場合は基本的に委任状が必要ですが、印鑑証明書の場合は委任状が必要ないのもポイントです。 なお、発行に必要なものは、以下の通りです。 契約者本人の印鑑登録証 代理人の本人確認書類 手数料 なお、代理人が契約者本人の代わりに印鑑証明書を発行する場合、コンビニで発行することはできません。コンビニで発行する際に必要になるマイナンバーカードは契約者本人しか使えないため、代理人が発行することは不可能です。 引っ越ししたらどんな手続きが必要になるの? 印鑑証明書や登録された実印は住所が変わらない限り永久に効果を発揮し続けますが、引っ越しで新しい住所に変わる場合、印鑑登録証の抹消手続きと同時に新しい住所で登録をする必要性があります。 役所や役場によっては印鑑登録証の回収を行っているケースがあるため、窓口に行く際に以下の書類が必要です。 住所異動届 本人確認書類 健康保険証 届出をする人の印鑑 印鑑登録証 なお、代理人が手続きする場合は委任状が必要です。 ただし、近年では印鑑証明がパソコン上でできるようになっているため、転居届が提出されれば自動的に印鑑登録の抹消や廃止を自動的に行ってくれる自治体が増えました。 さらに、同じ市区町村で引っ越しをする場合、市内転居届を提出すれば印鑑登録の住所が自動で変更されるようになっています。 自動変更に対応している自治体・市区町村であれば、旧住所で抹消手続きを行う必要性はないかもしれません。 抹消手続きを行った場合、新しい住所の役所や役場で印鑑登録の手続きを行います。 手続きに必要なものは、以下の通りです。 身分証明書 実印用の印鑑 マイナンバーカード 印鑑証明書はどうやって保管すればいい? 印鑑証明書を発行してもらった後に非常に重要なのは、印鑑証明書の保管場所です。 印鑑証明書は賃貸物件の契約をする時や保険金を受け取る時、遺産相続の手続きをする時、ローンの契約をする時など、様々な契約や手続きに必要になる重要な書類なので、厳重に悪寒しなければなりません。 万が一誰かの手に渡るようなことがあれば、ほぼ確実に悪用されてしまうでしょう。 そのようなことがないようにするためにも、厳重に管理して第三者の目に触れないように保管することが大切です。また、実印と印鑑証明書を一緒に保管するのは、万が一のことを考えるとおすすめできません。 必ず別々の場所に保管しましょう。 まとめ 印鑑証明書は様々な契約や手続きを行う際に必要になる重要な書類です。 契約者本人が契約することを証明する際に必要なので、3ヶ月以内に発行したものであれば様々な場面で役立つでしょう。普段使用することがない書類なので、3ヶ月の期限を過ぎてしまうこともあります。 そんな時は、第三者に悪用されないように、シュレッダーやハサミなどで裁断して処分しましょう。 合わせて読みたい 法人の印鑑証明書はどこで取得できるの?取得方法について解説!

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印鑑と印章っておなじなの?

印鑑と印章っておなじなの?

公開日:2022.5.23 最終更新日:2024.11.2 印鑑と印章って同じ意味として使っていないでしょうか? 実は、それ間違いです。違いについて改めて解説してみたいと思います。 印鑑の歴史 印鑑の歴史は非常に古く、6千年にもおよぶと言われています。発祥は紀元前四千年前、世界で最初の文明であるメソポタミア文明とされています。当時の印鑑は、石や骨など円筒形の外周に絵や文字を刻んで、粒土の上で転がして使用するものであったと考えられています。このような印鑑を紐に通して首からかけて身につけていたようです。書簡を封印する際に使用する目的から、高い地位を示す権力の象徴であったとも言われています。 やがてエジプト文明、インダス文明など世界各地へ広がっていきます。 日本に存在する最古の印は福岡県志賀島で出土した「漢委奴国王」の金印(国宝)といわれています。5世紀前半に中国で書かれた「後漢書東夷伝」の中に、後漢の光武帝が、紀元57年に、倭の奴国に印綬(役人の身分を証明する印と、それを身につけるための組み紐)を授けたことが書かれています。 奈良時代に中国(唐)の方式を基準として制定された「大宝律令」にて、支配者の公の印としてのみに政府や地方で使用されました。しかし個人で製造・使用することは禁じられていました。 平安時代になると貴族も個人の印鑑を使用することが許されるようになり、戦国時代に入ると武将たちがそれぞれ権力と威厳を表現するため趣向を凝らした私印を用いるようになります。織田信長の「天下布武」印、上杉謙信の「地帝妙」印、豊臣秀吉の「豊臣」印などが知られています。 江戸時代には商業や貨幣の発達に伴い、帳簿類の整備が進み、印鑑の使用が習慣化して庶民に普及していきます。 1873(明治6)年10月1日、「本人が自書して実印を押すべし。自書の出来ない者は代筆させても良いが本人の実印を押すべし。」と太政官布告にて公式の書類に署名と実印を押すよう制度を定められました。これが、現在の印鑑登録制度が導入されるきっかけとなりました。 印鑑と印章 このような歴史の印鑑ですが、現在よく耳にする「印鑑」「印影」「印章」「ハンコ」を説明できますでしょうか? 印章:いわゆる「ハンコ」の本体のことです。   木やプラスチック、金属などでできています。   手で持って捺す「ハンコ」そのものを指します。 印鑑:ハンコを押した結果、紙に残る印・模様のこと。   すなわち「印影」を指します。 改めて「印鑑」の「鑑」を辞書で調べてみると、以下のように書かれていました。  鏡。物の形をうつすもの。てほん。いましめ。  鏡に照らしてみる。真の姿を考えみる。見きわめる。 「物の形をうつすもの。」という意味からも「印鑑」の意味が汲み取れます。また「印鑑」には、どの印影が誰のものか分かるようにするためにまとめた『印影の一覧名簿』の意味もあります。 ハンコの本体のことを印鑑と解釈して「印鑑を持ってきてください」などと言うことがありますが、実は間違っています。正確に言うならば「印章を持ってきてください」と言うべきですね。 分かりやすいようにこの一般的には、ハンコ本体のことを「印鑑」と呼んでいるのが現状です。 「印鑑を持ってきてくださいね」と言われたとき、「印章ですね」とスマートに返すことができれば知的さをアピールできるのでは無いでしょうか? 知らんけど・・・ 印鑑の種類 これから、いろいろな印鑑の紹介をしていきたいと思います。 認印 『認印』は、姓(苗字)のみのタイプが多いと思います。用途:認印(みとめいん)として通常の契約書、申込書など正式な文書など木やプラスチックなど硬い素材でできている印鑑です。 特に名前がないため「普通の印鑑」としかいいようがないのですが、特に安いものは三文判と呼ばれます。認印として、個人の方が接する通常の契約書や申込書などに使われることが多いです。日常生活で荷物の受け取りや回覧板「押印してください」と言われたら、ほとんどこのタイプを使うことになるでしょう。 銀行印 『銀行印』というのも聞いたことがあるかと思いますが、これは特別な印鑑ではありません。銀行との間の取引に使う印鑑として、あらかじめ銀行に登録した印鑑のことを銀行印といいます。 預金の引き出しや振込など、その銀行との間の取引においてはこの銀行印を使わなければなりませんが、それ以外で使うことはありません。はんこ屋さんなどでは、三文判よりも少し大きな印鑑を銀行印として作ることもありますが、実印と同じ印鑑でも、三文判でも問題ありません。 法人では、丸印を銀行印として使う例もあります。上記のような形状の分類とは異なり、実印か認印かという分類もあります。 実印と認印の違い 『実印』とは、市町村(個人の場合)または法務局(法人の場合)に登録した印鑑のことをいいます。他方、実印以外の印鑑を一般的に『認印』といいます。 重要なのは、実印として登録したものが実印であるという点です。 どんな簡単な印鑑でも登録すればそれが実印になる一方で、どんな仰々しい印鑑でも登録しなければそれは認印です。なお、法人の場合は登録(届出)が必須ですが、個人の場合には必須ではありません。 実印であることの意味 実印として登録すると、「印鑑登録証明書」(個人)や「印鑑証明書」(法人)によって、その印影が自分のものであることを市役所や法務局が証明してくれます。そして、この印鑑(登録)証明書は本人でないと取れません。(証明書の取得には、個人番号カードや印鑑カードが必要です) そのため、実印を押した文書と証明書がセットになることで、「この文書に押された印鑑は本人のものである」ということの強い証明となり、ひいてはそれが「この文書は本人が記載したものである」ということの強い証明となります。 このように、実印は証明書とセットでなければ意味がないという点にご注意ください。証明書がなければ、扱いは認印を押したのと同じです。 合わせて読みたい 印鑑とハンコの違いとは?印章や印影など関連ワードもまとめて解説

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