ワークショップとは?セミナーとの違いや種類・メリットをわかりやすく解説
公開日:2024.9.18 最終更新日:2024.10.3 ワークショップという言葉をよく聞くものの、定義や詳細はよく分からないという人も多いのではないでしょうか?セミナーとの違いも曖昧な人が多いようです。 今回の記事ではワークショップの定義や種類、セミナーとの違いについて解説します。またワークショップの参加者と開催者、双方のメリットとデメリットについても触れています。 これからワークショップへの参加を検討している人、またワークショップの開催を検討している人はぜひ参考にしてください。 ワークショップとは? 本来、ワークショップとは「作業場」や「工房」を意味します。 最近ビジネスシーンやモノづくりの場で言われる「ワークショップ」は、参加者が主体となる参加型の講座やグループ学習、製作の場を指します。 体験が組み込まれた内容になっており、参加者同士がディスカッションする時間やコミュニケーションを図る時間が設けられている場合が多いです。 主に学習やトレーニング、問題解決を目的として実施されています。 セミナーとの違い セミナーは講師から知識や考えを伝えるために開催されるもので、受動的なスタイルで行います。 ワークショップのように参加者同士のディスカッションや、コミュニケーションの時間が取られることは少ない傾向です。セミナーの場合、最後に参加者から質問を受け付け、回答する時間が設けられています。 【ワークショップとセミナーの主な違い】 ワークショップ セミナー 能動的 受動的 話し合いや意見交換あり 講師の話を聞くのが目的 企業や小さいコミュニティなど特定の人を対象として開催する テーマに興味がある人を集めて開催する ワークショップの種類 ワークショップは主に下記の4つの種類に分類されます。 ビジネス ワークショップはビジネスシーンでも取り入れられるようになってきています。 主なものに新人研修やマネジメント研修があります。セミナー型より当事者意識をもって取り組める「ワークショップ型」で行うことでただ理解するだけでなく、自分ごととして取り入れられるようになるためです。 また会議をワークショップ型にして意見交換を積極的にさせるという取組みをする企業も。少人数にグループ分けすると発言も増え、アイディアも出やすくなるというメリットが期待できます。 ものづくり アクセサリー作りやフラワーアレンジメントなど、ものづくり系のワークショップは幅広い年齢層に人気です。 公民館などでも開催されており、低価格で参加できるのも理由のひとつ。考える力や集中力、頭のトレーニングにもなるため、子供向けや高齢者向けにも開催されています。 社会・教育 地域住民が集まり、自分たちの街の未来を考える機会として、ワークショップが取り入れられています。今抱えている課題や対策、今後の方向性などそれぞれの意見を持ち寄り、交換することでより良いアイディアを生み出す効果が期待できます。 また大学生や高校生向けの教育にもワークショップは効果的です。講師の話を一方的に聞くスタイルは集中力も落ちやすくなります。セミナーとワークショップを併用することで理解の定着につながります。 芸術 芸術系のワークショップは、地域イベントのように初心者が気軽に参加するタイプのものから、その道の経験者に向けたものまでさまざまです。 演劇やアート、ダンスなどさまざまな芸術分野でワークショップが行われています。 初心者向けのものはアートなどの芸術の世界に触れたことのない人が、芸術の世界を知る良いきっかけになります。 一方で経験者向けのものであれば、普段関わる機会のない「その道で名の通った有名プロ」からレッスンを受けられるワークショップもあります。 ワークショップのメリット・デメリット 「参加者側」と「開催者側」それぞれの視点から見た、メリットとデメリットを解説します。 参加するメリットとデメリット ワークショップに参加するメリットとデメリットは、主に下記のようなものが考えられます。 ●メリット ・理解を深められる・コミュニケーションのきっかけになる・価値観を共有できる・当事者意識が高まる・達成感を得られる ワークショップに参加するメリットは受動的ではなく、能動的な部分にあります。自分の考えやアイディアを整理し発言するため、自分の考えをまとめるきっかけになります。また意見交換や価値観の共有を行えるので、視点や考え方を広げることにもつながります。 また課題の解決やものづくりのためのワークショップでは、達成感を味わえたり創作力を磨いたりできるでしょう。 ●デメリット ・参加しただけで満足してしまう・学べる内容が限られてしまう場合がある ワークショップは開催場所へ足を運ぶ必要があり、行っただけで満足してしまう可能性があります。とくにビジネスや社会・教育のワークショップでは参加した後の行動が重要です。 ワークショップでの学びや決定事項を実践することで、ワークショップの効果が生まれます。 またワークショップは意見交換や体験のために時間が取られるため、学べる内容の量はセミナーに比べると限定されてしまうのがデメリットと言えるでしょう。 開催するメリットとデメリット ワークショップを開催するメリットとデメリットは、主に下記のようなものが考えられます。 ●メリット ・商品やサービスのプロモーションがしやすい・参加者の疑問や要望にその場で対応できる・参加者の反応や興味を直で感じられる ワークショップは基本的にオフラインで開催されるため、参加者に自社の商品やサービスに直接触れて、体感・体験してもらえます。反応や声をその場で吸い上げることができるので、商品やサービスの改良にすぐに取り掛かれます。 ●デメリット ・参加者のモチベーションで結果が左右される可能性がある ワークショップ開催者側のデメリットは、ワークショップに参加する人のモチベーションで結果が左右される可能性があるという点です。 そのため、ワークショップを成功させるには、次で解説するポイントを押さえておく必要があります。 ワークショップの効果を高める進め方のポイント ワークショップを成功させるには「事前の準備」と「開催後のフォロー」が重要です。下記の4つのポイントを意識して開催してみましょう。 ・開催する目的と目標を明確にする・リラックスできる雰囲気作りをする・ファシリテーターの配置をする・開催後のフィードバックとフォロー まずどんな目的でワークショップを行うのか?そしてワークショップを経て、目指すものは何なのか?を明確にしましょう。 目的や目標が定まっていないと、参加者はワークショップで何を学ぶべきなのかが分からず、効果を実感できないワークショップで終わってしまいます。 またワークショップは意見交換やコミュニケーションを行うのも目的のひとつです。 机や椅子を発言やコミュニケーションが取りやすい配置や、ドリンクやスナック菓子を用意するなど、リラックスして参加してもらえる雰囲気作りも大切です。 初対面の場合も多いため、会議を円滑に進行してくれるファシリテーターを用意しておくと、もし話が脱線したり、意見が食い違ったりしたときに助けてもらえます。 【まとめ】ワークショップは参加者が主体となる学びや製作の場! ワークショップはセミナーとは異なり、主体性をもって能動的に取り組むものです。発言の機会もあるため、自分の考えを整理し伝えるという力も身に付けられます。 ワークショップはビジネスや芸術、教育などさまざまなシーンで取り入れられています。異なる部署や年齢層など多種多様な人と交流することで、コミュニケーションスキルの向上や柔軟性のある思考への変化も期待できるでしょう。