公開日:2023.6.7 最終更新日:2024.11.1
会社の所在地や電話番号・固定文言などを書類に書き記すといった業務を効率良く進めるにはゴム印があると便利です。この記事では、ハンコの中でゴム印とは何なのか、会社で使われるゴム印の種類について解説します。
ゴム印とはゴムでできたハンコのこと
ゴム印とは、印面(文字部分)がゴムでできたハンコ全般を指します。ゴム印の歴史は古く、日本では明治時代から現代まで長きに渡って使われているスタンプです。
ゴム印には朱肉がついておらず、ゴム印を押すにはスタンプ台が必要です。ただし、一部のゴム印では スタンプ台が不要なものもあります。
ゴム印があると手書きの必要がなくなり、書き間違いも防げることで業務効率化につながるため、主に社内での事務処理に使われます。柔らかい素材であるゴムの使用により、誰でもきれいに押すことができ、頻繁に押す書類への使用に適しています。
ゴム印は、赤ゴム(天然ゴム)・黒ゴム(耐油性を持つ素材)のいずれかで作られているのが一般的です。一部のゴム印は、合成樹脂で作ったものもあります。ゴム印の台木(ホルダー)は、木・アクリル・プラスチックなどが使われ、ゴム印の種類によって使い分けます。
ゴム印が使われるのは、主に次の場面です。
- 文書・封筒・領収書などに会社名・所在地・電話番号などを記載するとき
- 経理上で勘定科目ごとの仕訳が必要なとき
- 会社や店舗のPR用ロゴマークとして使うとき
- 挨拶状のワンポイントとして使うとき
【注意】ゴム印は印鑑登録できない
ゴム印は幅広い用途で使用できとても便利です。しかし、ゴムや樹脂の部分が変形や摩耗などの劣化を起こしやすく、定まった印影が残せないことから、印鑑登録ができません。登録できる印鑑は「変形しないもの」が条件とされているため、ゴム印は実印や銀行印としては使えないのです。
印鑑登録できる一般的な印鑑のサイズは、捺印時の印影サイズが最低8mm・最大25mm四方となっています。このサイズを超えると、登録はできません。
上記の理由から、印鑑登録に必要な会社の実印・銀行印などは、ゴム印ではなく印鑑での作成が必要です。ただし、角型の法人印である角印は印鑑登録の必要がないため、黒ゴムで作成するケースもみられます。特に、領収書などに押印する角印には、ゴム角印が便利だとされています。
会社で使われる主なゴム印の種類
ここからは、会社で使われるゴム印の主な種類を紹介します。あわせて、サンビーの商品の一部を紹介しますので、用途に合わせて選んでみてください。
住所印
住所印とは、会社名・代表取締役(役職者)名・所在地・電話番号・FAX番号などを入れられるゴム印のことです。広く使われているゴム印であり、各種書類作成の時間短縮に役立ちます。
住所印は、一体型になっているものもあれば、項目ごとに分離して使える分割型(親子版)もあります。分割型では、会社名や所在地など一部の項目だけを使用したり、順番を入れ替えたりして使えるため、とても便利です。
用途に合わせた専用の住所印を作成しておくと、業務効率化も図れます。例えば、手形や小切手に記入する署名の代わりに、金融機関に署名判として登録しておくと、スムーズな処理が可能です。
氏名印
氏名印とは、会社で従業員の氏名や経理上の勘定科目を入れて作るゴム印のことです。社員名簿作成・タイムカード管理・経理上の処理などに使われ、住所印の分割型と同じ役割を果たします。
氏名印の一般的なサイズは、幅が23mm・25mm・27mmのいずれかですが、用途に応じてさまざまなサイズで作られます。
データ印(日付印)
データ印(日付印)とは、ベルト状のゴム部分を回すことで日付が変更できるゴム印です。日付のほかに、確認済みなどの作業内容を示す単語や確認者名などを入れます。他にも、コードや連番の管理を目的として、数字のみで構成されているデータ印もあります。名前などが入っているデータ印では、日付と名前が同時に捺印でき、会社で幅広く使われています。
データの一例として、サンビーが取り扱っている商品を抜粋して紹介します。
テクノタッチデーター
本体に高級ステンレスを使用しており、汚れがついても綺麗に拭き取ることができます。日付印面高低調整円板が入っているため、日付と文字の高さを合わせられます。
5タイプ・18サイズと多彩な機種を取り揃えているうえ、便利な透明パイプがついており、お好みのカードに入れ替えることでデータ印の使い間違いを防げます。用途に合わせて、年号の配置具合や時間の有無などが選択可能です。使用回数がそこまで多くない方におすすめです。
クイックデーター
スタンダードな浸透式のデータ印です。スタンドにセットしておくだけで連続捺印が可能で、スタンプ台が不要です。収納スタンド式になっており、背面にはインク収納ポケットがついています。
日付を変える際には、印面台を手前に引き歯車を回すだけの簡単操作で行えます。テクノタッチデーター同様、透明パイプに印面の内容を入れておけば、異なるデータ印を使い間違えることもありません。
文字を横一列に配置したAタイプと、円弧状に文字を配置したBタイプがあり、6色のインク(顔料系もしくは染料系)と合わせて選択可能です。使用回数が多い方や、レジ周りなど不特定多数の方が使用する場面におすすめです。
プチコール
コンパクトなサイズのデータ印です。インクが印面に浸透する設計であるため100回程度連続捺印できます。インクが不足してきたときは、キャップやスタンドに再度セットするだけの簡単操作で供給可能です。
キャップタイプは持ち運びしやすく、ストラップ穴に紐を通すことで首などに掛けて携帯することも出来ます。現場などで確認やチェック用に押印するときなどにも便利な製品です。
角印
角印とは、会社名が入った正方形の印鑑であり、会社の認印の役割を果たします。前述したように、ゴム印で作られた角印は印鑑登録ができないため、公的な書類での使用はできません。
ただ、角印は日常業務で広く使われているゴム印であり、請求書や領収書などで使われています。角印に屋号を入れることで偽造防止になるほか、相手への信頼度も上がります。
ゴム印を使用する際の注意点
ゴム印をきれいに長く使うためには、使用する際どのような点に注意すると良いのでしょうか。特に注意したい事項を2点ご紹介します。
スタンプ台を使用する
ゴム印を使って押印する際は、朱肉ではなくスタンプ台を使いましょう。一般的に朱肉は油性、スタンプ台は水性である事が多いです。油に弱いゴム印を朱肉で使うとゴムが劣化するおそれがあります。油性のスタンプ台もありますがゴム印を劣化させるような強い溶剤を使用していることはほとんどありません。
長持ちできるゴム印を選ぶなら、耐油性のある耐油ゴム(黒ゴム)を使用するのがおすすめです。
また、ガラスやプラスチックなどインクが染み込まない「非吸収面」にも捺印可能な「多用途インク」を使ったスタンプ台があります。このタイプのインクは、一般的なゴム印を劣化させる危険性が非常に高いです。多用途インクを使用する際は必ず耐油ゴム(黒ゴム)をご使用するようにしてください。
こまめにお手入れする
ゴム印にホコリや汚れがたまると、きれいに押印できなくなるだけでなく、ゴムの劣化を早めてしまいます。ゴム印を使った後は、こまめにお手入れしましょう。
スタンプ台を使うゴム印では、押した後に残ったインクを拭き取るか、インクがつかなくなるまで空押ししましょう。汚れがひどい場合は、ハンドソープや食器用洗剤などの中性洗剤で軽く洗い流します。強くこすると傷や変形のおそれがあるため、やさしく取り扱いましょう。
ゴム印面を洗浄するときに、インクがよく落ちるからと強力な溶剤(一般的にツーンと刺激臭がする溶剤、例えば灯油・シンナー・トルエンなど)を使用することは絶対にやめてください。ゴム印面が溶けたり膨張するなどして使用不能な状態になる可能性があります。
ゴム印をよりきれいに保ちたいなら、専用のスタンプクリーナーを使うのもおすすめです。ゴム印の使用後に、ラバー部分にクリーナーを塗布して拭き取ります。ゴム印によっては専用のクリーナーが必要となることもあるため、商品に合ったクリーナーを用意することが大切です。
まとめ
今回紹介したように、ゴム印は印鑑登録ができないものの、会社の認印として日常業務に役立つアイテムです。使用する場面や用途に合わせて、適切なゴム印を使うようにしましょう。