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シヤチハタとそれ以外の判子の違いは?素材や用途別に解説!

シヤチハタとそれ以外の判子の違いは?素材や用途別に解説!

公開日:2024.1.19 最終更新日:2024.10.30 印鑑を使用するシーンで、押印箇所に「シヤチハタ使用不可」と記載されていた経験がある方もいるのではないでしょうか。シヤチハタも印鑑や判子の一種ではありますが、使用できる範囲が限られています。今回はシヤチハタとそれ以外の判子や印鑑の違いをはじめ、シヤチハタの種類や買い方についてご紹介します。 シヤチハタとシヤチハタ以外の判子の違い シヤチハタは「インク浸透印」という種類の印鑑を指します。インクが本体に内蔵されており、適量のインクが自動的に染み出て押せるので、朱肉やスタンプ台が不要な判子です。 シヤチハタは、そもそもシヤチハタ株式会社というメーカー名であり、商品の名前ではありません。シヤチハタ社が朱肉のいらない印鑑を「Xスタンパー」という名前で販売し、有名になったため、インク浸透印全体がシヤチハタと呼ばれるようになりました。現在では、どのメーカーのものであっても、インク浸透印をシヤチハタと呼ぶ傾向があります。 合わせて読みたい シャチハタ印とは 浸透印以外の印鑑では、朱肉を使用して押印しますが、浸透印は朱肉ではなく、インクを使っているのが大きな違いのひとつです。 ほかには、以下のような素材と用途の違いが挙げられます。 素材の違い 印鑑には、彩樺や薩摩本柘などの木材をはじめ、動物の角や牙、耐久性に優れたチタン、琥珀樹脂など、さまざまな素材が使われています。印鑑を選ぶ際に、素材の質感や見た目で選ぶのも印鑑の選び方のひとつです。 しかし、インクを浸透させて押印する浸透印はゴムやシリコンなど素材は限られています。柔らかなスポンジ体となっていることが多いため、強く押すと印面文字部の形状が変形して印影が変わってしまうこともあります。 用途の違い 浸透印は実印登録できないため、認印としてのみ使用できる印鑑です。とはいえ、認印とは実印登録されていない印鑑全般を指すため、実印登録していない印鑑であれば浸透印でなくても認印に含まれます。 認印が必要なシーンは、役所へ提出する書類をはじめ、会社の書類を確認したときや、宅配の荷物を受け取ったときなど数多くありますが、浸透印を認印として使えない書類もあるので注意しましょう。日常では宅配の荷物を受け取る際に浸透印が使えます。 また、1日に何度も同じ印鑑を押すような事務仕事では、朱肉を使う印鑑よりも浸透印を使用するほうが大幅に時間短縮できるほか、押印の失敗も起きにくいため重宝されるでしょう。 上述のとおり浸透印はゴムなどの軟質スポンジ体ですので、力加減によっては文字部が変形する恐れがあるため、実印登録できません。また、大量生産されているため同じ印面の印鑑が世の中に多く流通しているのも実印登録できない理由のひとつです。 公的な書類では、浸透印ではなく硬い素材で作られている浸透印以外の認印や実印を使用しましょう。 合わせて読みたい 認印とシャチハタの違いは?シャチハタ使用不可となる場面を解説 浸透印以外の判子の種類 実印 実印は、市区町村の役所へ印鑑登録手続きを行い、印鑑証明を受けた判子のことを指します。1人につき1本の所有のみ認められている判子で、同じ印鑑を2人以上で登録することもできません。大切な契約を交わす際や商取引に使用し、本人の意志を証明する重要な存在です。 印鑑登録を行う役所によって細かな規定は異なりますが、女性は15mm、男性は18mmのサイズで作られるケースが多いです。 大前提として、欠けにくい丈夫な材質の判子を選ぶことが必要です。刻印する文字は苗字のみでも、名前のみでも、姓名を彫っても良いことになっています。 銀行印 銀行印は、金融機関に登録している判子を指します。銀行での出納で使用するほか、金融機関の証券や保険を契約する際にも捺印する重要な判子です。 多くの金融機関では、30mm以内の判子であれば登録可能とされています。女性は13.5mm以上、男性は15mm以上のサイズがおすすめです。 銀行印に刻印する文字は、苗字のみか名前のみで作ることが多いですが、横書きで彫るのが良いとされています。横書きにする理由は、お金が縦に流れないようにという意味が込められており、右から左に読めるように横書きするのが主流です。 合わせて読みたい 印鑑のサイズはどれを選んだら良い?選び方や用途別のサイズもご紹介 便利な浸透印の種類 浸透印は、現在さまざまな種類が展開されています。とくに幅広く利用されており、便利な浸透印を2種類ご紹介します。浸透印を購入する際の参考にしてみてください。 ネーム印タイプ ネーム印タイプの浸透印は、印章店だけでなく、文具店やホームセンターでも売られているもっともオーソドックスな浸透印です。 一般的な苗字が彫られている既製品のほかにも、姓名や名前のみも作れるオーダーメイドの浸透印も注文できます。 宅配物の受け取りや、回覧板へのサイン、オフィスで繰り返し使用する際の認印として最適です。 事務作業で頻繁に使用する場合は、片手で簡単に捺印できるキャップレスタイプに使用をおすすめします。蓋を何度も付けたり外したりしなくて済むため、手間が省けるのが特徴です。 キャップレスとはいえ、未使用時には印面部分がカバーされているため、汚れや破損の心配は不要です。ロック機能も付いており、バッグに入れての持ち運びも安心して行なえます。 ペン一体型タイプ ペン一体型の浸透印は、ボールペンと浸透印がひとつになっているので、署名と捺印の両方の役割を果たせます。胸ポケットに挿して持ち運びできるので、持ち歩いても失くす心配が少なく、ビジネスシーンで好まれて使われているのです。 シンプルなデザインのほかにも、オーダーメイドで、自分好みのデザインにすることも可能です。カラーバリエーションも豊富で、キャラクターのイラストが入ったシリーズも展開されていることから、見た目にもこだわれます。 合わせて読みたい ハンコ付きボールペンの選び方!名入れも可能でプレゼントにも最適な商品も紹介 浸透印などの判子はどこで買える? 現在では印章店のほかにも100均ショップや文具店、ホームセンターでも購入できるようになりました。 100均で購入できる浸透印や判子は、値段が安い分、作りが簡素なので耐久性はありません。一時的に使用する場合などに適していると考えましょう。 文具店やホームセンターでは、さまざまな種類の判子が販売されています。比較的リーズナブルなラインナップで取り揃えてあるため、既製品の浸透印を買うのであればおすすめです。 また、一部では印鑑の自販機が設置されている場所もあります。判子の素材や刻印する字体を画面から選択すると、希望の判子が購入できます。 じっくり選びたい人や多くの種類と比較検討してから購入したい場合は、通販サイトを利用するのもおすすめです。 高級な印材をはじめ、カラーバリエーションやデザインのラインナップも多く、自宅でゆっくり自分好みの判子を検討しながら選べます。 手元に届くまで少し時間はかかりますが、機械彫りや既製品であれば即日発送している店舗も多いです。 量産されている安価な判子は実印や銀行印に向いていません。判子を購入する際は、用途を考えてから選ぶようにしてください。 まとめ 浸透印は宅配物を受け取る際や回覧板へのサイン、日々の事務作業など、意外と活躍するシーンが多いことに気付きます。重要な契約書類に使用する実印や金融機関に登録する銀行印には使用できません。とはいえ、ひとつ持っておくと捺印作業を効率化できる面もあるため便利です。デザインも形状もさまざまなものが販売されているので、ぜひ自分に合ったものを見つけてみてください。 合わせて読みたい インクを補充しても薄い!補充する時のコツや解決方法を解説

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実印はいつ使う?銀行印などの違いや作成時の注意点を解説

実印はいつ使う?銀行印などの違いや作成時の注意点を解説

公開日:2023.12.25 最終更新日:2024.10.3 実印は、契約のときに使用する大切な印鑑であることを知っている人は多いと思います。とはいえ、実際にはどのようなときに契約に実印を使うのでしょうか。 今回は、実印を使うタイミングや銀行印のようなほかの印鑑との違い、作るときの注意点などを解説します。 実印はいつ使うもの? そもそも実印とは、市区町村の役所にて「印鑑登録」をした印鑑のことです。実印には、個人が使う実印と法人(会社)が使うふたつの実印の種類があります。 ここでは、個人用の実印と会社用の実印をいつ使うのか、使用するタイミングについてそれぞれ解説します。 個人用の実印を使うタイミング 個人の実印は、公的な書類や高額取引をするときの契約書に用いるのが大半です。具体的な使用シーンは以下のとおりです。 年金等の受け取り時の本人確認 不動産の購入・売却 ローン契約 自動車購入 保険加入 遺産相続 公正証書の作成時 個人の実印は、財産やお金、権利などを扱う際に押すものであり、非常に重要な印鑑となります。 会社用の実印を使うタイミング 会社用の実印は「代表者印」「法人実印」「丸印」などとも呼ばれ、法人として重要な書類に押印する際に用いるのが一般的です。会社用の実印が必要となる代表的なシーンは以下のとおりです。 会社設立時の申請書類 役所や公的機関へ提出する書類 契約関係書類 銀行融資等の借用関係書類 法人の実印は登記やお金、契約など会社にとって重要度の高い書類に使用されます。むやみに会社から持ち出さないようにしている企業もあるほど重要な印鑑です。 実印・認印・銀行印の違い 印鑑には、実印のほかに、認印、銀行印の2種類があります。 認印は、印鑑登録の必要はなく、広く日常的に使用される印鑑を指します。宅配便の受け取りから仕事で使う個人印まで広く使用できるのが特徴です。 銀行印は、金融機関に届け出る必要のある、財産に関する印鑑を指します。窓口でお金を通帳から引き出す際に使用し、銀行側で届出印を照合されるものです。 それぞれの印鑑は役割が大きく異なるので、セキュリティ上の理由から、分けて作ることが推奨されています。 2020年11月以降の実印の位置付け 行政関連の書類など重要な書類には印鑑がつきものでしたが、2020年11月に一部の行政手続きにおいて原則押印廃止(省略)が決定されました。婚姻届や離婚届、住民票の写しの請求などは印鑑が必要ありません。 ただし「実印」が必要な83の手続きに関しては、引き続き押印が必須となります。実印は、印鑑証明をセットで提出を求められることが多いので、実印を押す場面では印鑑証明を用意しておくのがおすすめです。 例えば、法人登記や不動産登記の申請、自動車の登録などの手続きなどは実印が求められるので、印鑑証明とセットで用意しましょう。 実印はいつ作るのがベスト? 実印は、使用頻度は少ないものの、実印でなければならないシーンが誰しも訪れる可能性があるため、あらかじめ作っておくのがおすすめです。それでは、いつ実印を作れば良いのでしょうか。ここでは、実印を作るおすすめのタイミングについて解説します。 【個人用の実印】何かの節目 個人の実印は、社会人になるときに作るのがひとつの目安です。公的書類や高額取引をするときの契約書などでの実印の使用機会が増えるため、このタイミングで作っておくと良いでしょう。卒業や就職するときに子どもや孫にプレゼントする人も多いので、最も適したタイミングといえます。 また、女性の場合は結婚や離婚などで戸籍上の苗字が変わるときに実印を作るケースもあります。結婚や離婚に伴う引越しで住む自治体が変わると、印鑑証明を取り直す必要があるので、このタイミングで実印を作るのもおすすめです。 【会社用の実印】登記申請時 会社の実印は、法務局で登記をする際に必要になるため、登記申請をする前に作るのが一般的です。 登記をする際は、設立予定の会社名が他社と類似していないかを確認する「類似商号調査」が行われます。これは、同住所かつ類似商号でなければ当てはまらないため、ほぼ確実に希望の社名で登記可能です。 印鑑を作成するのは、「類似商号調査」が終わって、正式に希望の社名を使用できると確定してからが良いです。先に実印を作ってしまうと、万が一社名を検討し直すことになった場合、印鑑も作り直さなければなりません。 また、会社用の実印は、発注から納品までに1週間~10日くらいの時間がかかる点にも注意が必要です。 実印の作り方 実印を作るときは、どのような手順で注文すれば良いのでしょうか。ここでは、実印を作るときの基本的な流れを解説します。 1. 実印登録に使う印鑑を作成する 実印を作るときに大切なことは、ほかの誰も真似できないオリジナリティを出すことです。実印は、権利や財産などの証明に使える重要な印鑑なので、自分だけのものである必要があります。 そのため、まずは印鑑専門店で、オリジナルの印影を作成してもらいましょう。実印には、大量生産の印鑑を使うのは避けるのが鉄則です。なるべく複雑な字体で作ってもらうことで、真似しにくい印影となります。 また、実印の素材も何でも良いというわけではありません。欠けやすいプラスチック製やゴム製の印鑑は実印として認めないとしている自治体がほとんどです。丈夫な素材で作ってもらうようにしましょう。 さらに、印面の大きさにも注意が必要です。8mmよりも小さく、25㎜よりも大きいものは実印として登録できません。適したサイズのものを作成しましょう。 2. 印鑑登録をする 実印に使う印鑑ができたら、住民登録をしている市区町村の窓口で印鑑登録をしましょう。印鑑登録は、15歳以上の人が1人1本まで登録可能です。本人確認のための印鑑という性質上、ほかの人が登録している印鑑は登録できません。 印鑑登録の際に必要となるものは、印鑑登録する印鑑と本人確認書類、登録費用の3点です。登録費用は自治体によって異なりますが、100~300円程度となります。 それらとともに、窓口に備え付けられている申請用紙に必要事項を記入して提出し、受理されれば印鑑登録は完了です。本人が役所に足を運べない場合は代理の申請も可能ですが、その際は委任状が必要になるので注意しましょう。 実印作成時の注意点 実印を作るときは、気を付けなければならない点がいくつかあります。実印を作る際、以下の特徴に当てはまる印鑑は、印鑑登録ができない可能性があるので注意しましょう。 大量生産された印鑑 住民票に記載された氏名と印鑑の氏名が異なるもの 氏名以外の刻印が入っているもの 印影が不鮮明になっているもの 印影が変形・、摩耗しやすい素材(ゴム印、プラスチックなど) 朱肉不要の印鑑 印影の直径が8mm〜25mm以内に収まっていないもの 実印は大切な印鑑なので、より一層注意して作成しなければなりません。上記の特徴に気を付けながら規定に合った実印を作成するなら、印鑑専門店の利用が安心です。 印鑑専門店なら実印や印鑑登録について熟知しているので、上記の注意点をすべてクリアできる実印を作成してもらえます。困ったら印鑑専門店にお任せしましょう。 合わせて読みたい 実印って何?印鑑登録する方法と印鑑証明書を取る方法 まとめ 実印は、個人印でも法人印でも、財産に関する重要な契約や高額な取引などで使用される大切な印鑑です。自分の財産や権利を守るためのものでもあるので、作成する際は、実印に適した素材、字体、大きさなどを熟知した印鑑専門店に依頼することをおすすめします。

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実印や銀行印をゴミ箱に捨てても良い?印鑑の正しい処分方法をご紹介

実印や銀行印をゴミ箱に捨てても良い?印鑑の正しい処分方法をご紹介

公開日:2023.12.8 最終更新日:2024.10.31 持っている印鑑が破損したり、新しい印鑑に作り替えたりする際に、印鑑をどのように捨てれば良いのかわからず困った経験はないでしょうか。 不要になった印鑑を、そのままゴミ箱に捨てるのは危険です。 今回は、印鑑を処分するときの手続き方法や注意点、捨て方についてご紹介します。 実印や銀行印を処分する前に必要な手続き 重要な契約を行う際に使用する実印や、銀行に登録する銀行印は、そのままゴミ箱に捨てると大きなトラブルに発展する恐れがあります。まずは、印鑑をそのまま捨ててはいけない理由と、処分する前に行う手続きについてみていきましょう。 印鑑をゴミ箱に捨ててはいけない理由 不要になった印鑑を、そのままゴミとして捨てると、悪用されるリスクがあります。とくに実印や銀行印は、悪用されると大きな被害に発展する場合があるため注意しましょう。 最も懸念されるケースとして、借金の連帯保証人にされてしまうという事例があります。実印と印鑑証明が揃えば、連帯保証人として立てられるので、知らない間に借金を肩代わりさせられるという恐ろしい被害を受けることもあります。 ほかの悪用事例では、勝手に自分の名義でローンを組まれたり、高額な商品を購入されたりといったケースもあります。こちらの悪用事例は、印鑑だけでなく身分証明書が必要になるため頻度としては珍しいものの、何らかの形で身分証明書が第三者の手に渡れば、被害を受ける確立は格段に上がります。 実印の捨て方と注意点 実印は、個人の場合は役所での印鑑登録、法人の場合は法務局に登録している印鑑です。公的に認められている重要な印鑑なので、処分前には手続きが必要です。 ● 個人の場合 役所に印鑑登録されている実印を捨てる際には、先に役所へ出向き印鑑登録の廃止申請手続きを行います。 印鑑登録の廃止手続きでは、印鑑登録廃止申請書と印鑑登録をした印鑑、運転免許証などの身分証明書、印鑑登録証が必要です。 申請書は、役所の窓口でも入手できますが、役所のサイトからもダウンロードできるので、先に記入してから持ち込んでも良いでしょう。 自分で役所に行けない人は、代理人を立てての手続きも可能です。代理人に手続きしてもらう際には、代理人の認印と代理人選任届が別途必要となります。 ● 法人の場合 法人の実印を捨てる際には、法務局に印鑑と印鑑カード廃止届書を提出し、印鑑の効力をなくす手続きが必要です。 法人の実印は、株券の発行や代表の変更、企業買収などにも利用する重要な印鑑であるため、過不足なく慎重に効力をなくす手続きをしましょう。 買い替えで古い印鑑を捨てる場合には、必ず新しい印鑑を準備してから廃止手続きを行います。古い印鑑の廃止手続きが完了したら、新しい印鑑を再登録する仕組みです。 印鑑の買い替えが生じた場合は、前述の手順で手続きすれば、古い実印で締結している契約も引き続き有効となります。 銀行印の捨て方と注意点 銀行印を捨てる際には、銀行で印鑑の変更手続きが必要です。古い印鑑と新しい印鑑、銀行口座の通帳を持参して、銀行の窓口に出向いて手続きを行います。 万が一、古い印鑑を先に処分してしまった場合には、手続きが複雑になり、2週間ほど口座が使えなくなることもあるため注意しましょう。 法人の銀行印を捨てる際には、未交換の手形や小切手がないかを確認します。未交換の手形や小切手があった場合、先に銀行印を処分してしまうと、交換できなくなり支払い義務だけが残ってしまうため注意してください。 印鑑を処分する方法 必要な手続きが終了したら、いよいよ印鑑の処分です。印鑑の処分の仕方は大きく分けて4つあり、それぞれ特徴が異なります。自分にあった方法で、古い印鑑を安全に処分しましょう。 自分で印面を削る カッターで印面を削って、悪用されないようにしてから捨てる方法です。印面が残っていると悪用される恐れがあるため、複数ヶ所を削って捨てましょう。 ただし、印鑑に使用されている印材によっては、固すぎてカッターで削れない印鑑も存在します。例えば、チタン製の印鑑は、自分で印面を削るのが難しいため不向きです。 また、削る際は、刃物を使うことや力を入れないと削れないことから、慎重に作業しないとケガをする恐れもあります。 印面を削ったあとは、自治体のルールに従った区分でゴミとして捨てられますが、心配な方は、紙に包んで外から印鑑だとわからないようにしてから捨てましょう。 はんこ屋さんに処分を依頼する 自分で印鑑を処分するのが不安な方は、はんこ屋さんに処分を依頼するのもおすすめです。多くのはんこ屋さんでは、無料で印鑑の処分を行ってくれます。 実店舗があるはんこ屋さんであれば、まとめて神社での供養に出してくれる店舗もあり安心です。最近では、実店舗を持たないはんこ屋さんも存在しますが、送料さえ負担すれば処分してくれることもあるため、確認してみましょう。 神社で供養してもらう 長年大切に使用してきた印鑑や亡くなった人の印鑑を、そのまま捨てるのは心苦しいという方は、神社で供養してもらう方法がおすすめです。 印鑑供養に馴染みのない方もいますが、江戸時代から行われている歴史ある儀式で、感謝の気持ちを込めて処分する意味があります。 毎年10月1日は「印章の日」に定められており、この日に合わせて神社で「はんこ供養祭」が行われます。無料で供養してくれる神社も多いので、近くの神社に問い合わせてみてください。 印鑑はんこ屋さんで彫り直してもらう 高価な印鑑や家族の形見など、捨ててしまうのがもったいないと感じる場合は、彫り直しがおすすめです。 印鑑本体にヒビが入っていないことが条件になりますが、はんこ屋さんに依頼すれば彫り直して新たな印鑑にしてくれます。 牛角系の丈夫な素材であれば、おおむね彫り直しができるでしょう。木系の拓植材は、長年使用していたのであれば脆くなっている恐れもあります。 彫り直しを希望する場合は、素材のコンディションによって左右されるので、一度印鑑はんこ屋さんに相談してみてください。 三文判やネーム印の処分方法 実印や銀行印として登録していない三文判やネーム印の場合は、大きなトラブルに発展する心配がないため、そのままゴミとして捨てても問題ありません。 「もしかして過去に銀行印で使用していたかも…」と心配がある場合は、印面をカッターで削ったり、接着剤で塞いだりして捨てると良いでしょう。 捨てる際には、紙や布に巻いて外から印鑑と確認できないようにすると、より安心です。 材質によって、可燃ごみや不燃ごみなど分別が異なるため、自治体のルールと照らし合わせながら適切に処分してください。 使用しない印鑑を処分せずに保存する方法 不要になった印鑑でも、捨てたくないと考える方もいるでしょう。使わない印鑑をあえて処分せず、保管しておく選択肢もあります。 ただし、実印や銀行印として使用していた印鑑は、保管する場合も処分する前と同じ手続きを行ってください。廃止手続きを行わずに保管していると、万が一盗難された場合に、悪用される危険性が高まります。 廃止手続き後は、認印として再度使用することもできますが、印鑑ケースに入れ、人目につかない場所を選んで保管するのが安心です。 まとめ 三文判やネーム印であれば、そのままゴミ箱に捨てることもできますが、実印や銀行印は、悪用の危険性もあるため、正しい処分の仕方をしなければなりません。廃止手続きが完了したあと、自分で処分するのが不安な方は、はんこ屋さんや神社に依頼することもできるので、自分に合う処分方法を選択しましょう。

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欠けてしまった印鑑をそのまま使える?対処法を紹介

欠けてしまった印鑑をそのまま使える?対処法を紹介

公開日:2023.12.4 最終更新日:2024.10.31 丈夫な印鑑でも長年使っていたり、落としたり、保存状態が悪かったりすると、欠けてしまうことがあります。 欠けた印鑑は、そのまま使い続けられるのか疑問に思う方もいるでしょう。 今回は、使用用途別に欠けた印鑑が使えるのかをはじめ、新しく買い替えた場合の手続き方法や、欠けにくい印鑑の素材について解説します。 【使用用途別】欠けた印鑑は使い続けられる? 愛用している印鑑が欠けると、そのまま使い続けたい気持ちが勝ってしまうかもしれません。しかし、欠けた印鑑は、場合によっては効力を失ってしまい、意味のないものとなってしまうので注意が必要です。まずは、印鑑の使用用途別に、欠けた印鑑のまま使い続けられるのかをみていきましょう。 認印の場合 認印は、手続きや届け出が必要なく、誰でも購入した日から使用できる印鑑です。公的に登録されている印鑑ではないため、欠けたまま使用しても用途として支障をきたすことはありません。 ただし、使用するのがビジネスシーンである場合は注意が必要です。認印の目的は、使用者本人が確認の意志を他人へ証明するために使用するものなので、欠けていると相手にあまり良いイメージを持たれません。社会的信用という点では、欠けた認印を使用するのは推奨しにくいです。 また、欠けた印鑑は縁起が悪いともいわれています。運気が下がるとの見方もあるので、気になる人は、買い替えを検討しましょう。 銀行印の場合 銀行に届け出を出している銀行印は、縁の部分のみの欠けであれば、引き続き使用しても問題ないケースもあります。ただし、文字部分が欠けるとどこの金融機関であっても完全に使用できません。 縁の部分のわずかな欠けであっても、欠けが原因で均等に力が加わらず、文字部分まで徐々に欠けてくるので、早めの買い替えがおすすめです。 また、銀行印は、お金に関わるものなので、欠けた印鑑を使い続けるのは縁起が悪いという見方もあります。大切なお金を管理する意味がある印鑑なので、気持ち良く使用するために新しい印鑑を作り直す人も多いです。 実印の場合 印鑑登録をしている印鑑が少しでも欠けると、実印としての効力を失います。これは、印鑑証明の印影と現物が、欠けによって異なってしまうのが理由です。 実印として登録できる印鑑の規定は、各自治体によって決められており、印鑑の外枠が全体の20%以下の欠損であれば登録できるとしている自治体もあります。ただし、これは登録の際の条件であり、元々登録している印鑑が欠けても使えるという意味ではありません。 実印が欠けてしまったら、必ず新しい印鑑を準備し、再度登録し直す必要があるでしょう。 印鑑を新しくした場合は速やかに届け出る 実印や銀行印のように、届け出している印鑑を新しく作り直した場合は、速やかに手続きを行いましょう。手続き自体は、難しいものではありません。 銀行印の改印は簡単にできる 銀行印を新しくする場合は、自身が取引している金融機関へ出向き「改印手続き」を行います。銀行通帳と欠けた印鑑、新しく作り直した印鑑、運転免許証などの身分証明書を持参すれば、スムーズに手続き可能です。 欠けた印鑑は、手続きが終了するまで、処分しないように注意しましょう。万が一、欠けた印鑑を処分したり、紛失してしまったりした場合は、その旨を金融機関に申し出ることで手続きできます。手続きに、少し時間がかかってしまう可能性があることを覚えておきましょう。 実印の変更は居住している自治体で行う 実印を新しくする場合は、市区町村の自治体の窓口で「印鑑登録の変更」を行います。一般的には、印鑑登録廃止手続きを行ったあと、新しい印鑑を印鑑登録申請する手順です。 印鑑登録廃止手続きでは、元々登録していた印鑑登録を抹消します。運転免許証などの身分証明書と登録済みの実印、印鑑証明証カードを持参して手続きしてください。 新しい印鑑を実印として登録する際には、新たに登録する印鑑と顔写真付きの身分証明書があれば手続き可能です。登録費用として、100円~300円程度の手数料が発生します。 各自治体によって印鑑登録の規定は異なり、変更手続きにも違いがあるので、まずは管轄の窓口に問い合わせてみましょう。 また、これらの手続きは、代理人選任届があれば代理人が届け出ることも可能です。ただし、代理人を通して手続きした場合は、即日登録はできないので注意してください。 印鑑登録の変更手続きで気になるのが、印鑑登録されていた元の印鑑の効力です。欠けた実印の印鑑登録を抹消すると、過去の契約の効力も無効化されてしまうのではないかと心配になる人もいるでしょう。 実印を変更しても、過去の契約そのものに影響はありません。過去の契約時には、印鑑登録されていた実印で正式な契約が取り交わされているため、抹消しても効力は持続するのです。 しかし、一部のローン会社では、実印の変更があった場合は、ローン会社にも変更を申請する規定を設けているところもあります。万が一のトラブルを避けるためにも、過去に実印を使った契約をした際には、確認しておくと安心です。 欠けにくい印鑑の素材とは 印鑑が欠けた経験があれば、また面倒な手続きをしたくないと思う人も多いのではないでしょうか。再手続きは意外と簡単にできるものの、時間を確保して出向く必要があり、できれば同じ経験をしたくないと思う人が大半です。 木製や石製の印鑑には、さまざまな色や質感があるため、好みの印鑑を探しやすいですが、欠けやすい特性を持っています。 ここからは、欠けにくい素材の印鑑をご紹介します。 最も欠けにくいのはチタン素材   従来では、比較的欠けにくい印材として、象牙や水牛の角のような動物系の印材が主流でした。近年では、動物系の印材よりもさらに欠けにくく丈夫な印材として、チタン素材の印鑑が注目されています。 チタン素材といっても、国産チタンをはじめ、ブラックチタンやゴールドチタンなど、さまざまな種類があり、見た目や質感、耐久性が異なるのです。 人と違った個性を出したいという場合は、特殊技術で色を出したカラーチタンや、カーボンを巻いたカーボンチタン、宝石を埋め込んだチタンなどを選ぶと良いでしょう。 チタン素材の印鑑のメリットは、なんといっても耐久性が高いことです。欠けにくいのはもちろん、印面の擦り減りもほぼ見られません。また、朱肉の乗りが良く均一に付着するため、美しい印影を残すことにも優れています。 さらに、細かな手入れが不要な点も大きなメリットといえるでしょう。木製や動物系の印材は、湿気や乾燥に弱く、保存や使用後の手入れに気を使う必要があります。 チタン素材の印鑑は、湿気や乾燥の影響をほぼ受けないため、使用後に印面を優しく拭き取るだけで長く使用できます。汚れの付着が激しい場合は、歯ブラシで擦りながらの水洗いも可能です。高温にも強く、万が一、火事が起きた際にも焼失しにくいでしょう。 デメリットは、一般的な印材と比較して重いことです。チタンは金属なので、鉄ほど重くはないものの、ずっしりとした重量感があります。ただ、この重量感があるからこそ、軽く押すだけできれいな印影が出せるという見方もあります。 もうひとつのデメリットは、値段が少し高いことです。チタンの種類やサイズ、使用用途によって値段は変動しますが、安いものでも16,500円以上の価格帯です。 とはいえ、耐久性が高く、ほぼ買い替えの必要がないことを踏まえ、長期的に考えれば、価格に見合う価値があります。 合わせて読みたい チタンの印鑑はなぜおすすめ?デメリットについても解説! 朱肉(油分)の影響を受けにくいのは象牙や黒水牛   チタン素材以外に、欠けにくいのは、象牙や黒水牛など動物系の印材です。朱肉に含まれる油分の影響を受けにくく、適切な保存とメンテナンスを行えば、長期間使用できます。 黒水牛の場合は、乾燥しやすく虫食いも起きるため、とくに定期的なメンテナンスは必須です。頻繁にメンテナンスできる自信がない場合は、黒水牛よりも耐久性に優れた象牙をおすすめします。 逆に、油分の影響を受けやすいのは木製の印材です。価格が比較的安いものが多く、購入しやすいのが特徴です。しかし、使用後丁寧に印面を拭いていても、何度も使用すると欠けやすくなってしまうのです。 合わせて読みたい 印材の種類 まとめ 認印であれば、欠けたまま使用しても問題ないとされていますが、登録されている実印や銀行印は、再度手続きが必要です。 手続きは、窓口まで出向いて行う必要があるため、面倒と感じる人も多いでしょう。印鑑を購入する際には、デザインや見た目の好みだけでなく、耐久性が高く欠けにくい印鑑を選んでみるのもおすすめです。

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印鑑の書体はどれがおすすめ?選ぶ際のポイントを紹介

印鑑の書体はどれがおすすめ?選ぶ際のポイントを紹介

公開日:2023.11.24 最終更新日:2024.10.31 印鑑を作るうえで重要になるポイントのひとつが、どのような書体を選ぶかです。書体は好みで選べば良いと考えている方もいるかもしれません。もちろん、個人の好みも重要にはなりますが、実印や銀行印、認印ではそれぞれ適している書体が異なるため、それらを意識することも大切です。 今回は、印鑑で使用されることの多い書体について解説します。それぞれの書体の特徴と、どのような用途で使われることが多いかについても紹介するので、ぜひ印鑑を作る際の参考にしてみてください。 印鑑におすすめの書体5選 印鑑におすすめの書体は主に5つあります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。 篆書体 篆書体とは日本銀行のお札に使用されている印鑑の書体です。日本最古の印鑑と呼ばれている国宝の「感委奴国王の金印」も篆書体で作られています。 印鑑で用いられる書体の中では、最も歴史が古く、現代文字とは形状が異なる場合も多く、視認性が非常に低いです。そのため偽造しづらく、複製されるリスクを抑えられるのです。実印や銀行印におすすめの書体といえるでしょう。 一方で、認印として使用すると、誰の印鑑かわからないというトラブルが起こる可能性があります。会社における書類の確認は「誰が承認したか」がはっきりとわかることが重要です。会社によっては篆書体の印鑑を使うと、視認性が低いため誰の印鑑か判別できず、仕事を進めるうえで手間がかかってしまうかもしれません。 認印は業務をスムーズに進めるために必要な印鑑という側面があります。そのため、認印として篆書体を使うのは避けた方が無難でしょう。 吉相体 吉相体とは篆書体をベースにした中心から外に力強く流れている線が特徴的な書体です。易学や風水において、開運のために用いられることが多い書体です。 詳しくは後述しますが、篆書体は非常に視認性が低い書体であり、苗字を判別することが難しい場合もあります。そんな篆書体をベースにしている吉相体は、セキュリティ面での安全性が高く、実印や銀行印で使用する書体としておすすめといえるでしょう。 しかし、注意しなければいけない点もあります。吉相体は作り手の意匠が込められているため、稀に実印や銀行印として登録ができない場合があるのです。その場合は、印鑑店に問い合わせれば対応してくれることが多いので、連絡してみてください。 太枠篆書体 太枠篆書体とは印鑑の枠が太くなっているのが特徴の書体です。篆書体をベースにしているものの、印影自体は細いため、篆書体と比べると軽やかな印象を受ける書体です。比較的女性に好まれることが多く、女性の実印や銀行印で良く使われています。 印鑑の中では、女性らしさを表現できる数少ない書体です。もちろん、篆書体をベースにしているため、セキュリティ面でも非常に安全です。印影の印象を柔らかくしたいと考えている方にはおすすめといえるでしょう。 古印体 古印体は上記の書体と比べると、非常に視認性が高いのが特徴です。筆で書いたような印影になっており、比較的馴染み深い書体といえます。 視認性の高さを活かして、認印として使われることが多いです。一方で、上記の書体と比べると、複製がされやすく個人の特定も容易です。そのため、実印や銀行印で使われるケースは多くありません。 隷書体 隷書体はバランスの取れた印影が特徴的な書体です。比較的身近な書体であり、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 そんな隷書体ですが、現代文字を思わせるような印影である一方、歴史は非常に古いという特徴があります。そのため、漢字によっては現代と形状が異なる場合もあります。 しかし、可読性は非常に高いため、認印として使用されるケースが多いです。紹介した書体の中では、最もバランスが取れているといえるでしょう。 印鑑の書体を選ぶ際のポイント 印鑑の書体を選ぶ際には、必ずチェックしなければいけないポイントがあります。具体的な内容について解説します。 可読性の低さ まずは可読性についてです。陰影を見た際に、どのような苗字であるかを認識できれば可読性が高いということになります。一見すると、可読性が高い方が望ましいように思えますが、必ずしもそうではありません。 個人の実印や銀行印、法人の印鑑などは、万が一紛失した際に、誰のものか特定されてしまうと悪用される危険性があります。そのため、可読性については限りなく低くしなければいけません。 また、印影が残っている書類から、印鑑を複製して悪用するケースも考えられます。印影が単純だと複製されてしまうリスクが高まるため、トラブルに発展するかもしれません。 そのため、実印や銀行印として使用する場合は、可読性の低さが重要なポイントになるといえるでしょう。逆に認印として使用する場合は、可読性の高さが必要になります。用途によって求められる可読性は異なるため、使い方に合わせた書体を選ぶことが大切です。 縁起の良さ 印鑑の書体には縁起が良いとされているものがあります。吉相体は印影が全体に広がっているため、非常に縁起が良いとされており、銀行印として好まれる傾向にあります。 もちろん、縁起とは人の考え方によって重要度が異なるため、必ずしも銀行印に吉相体を使用するべきとはいえません。しかし、お金を取り扱う場所で使用する印鑑であるため、少しでも縁起が良いものにしておくのがおすすめです。 印鑑の書体は今回紹介したもの以外にもありますが、縁起が最も良いとされているのが吉相体です。縁起を重視して書体を選びたいと考えている方は、ぜひ吉相体の印鑑を作ってみてください。 印影の読みやすさ 最後に重要なのが印影の読みやすさです。可読性と同じように思えますが、実は内容が異なります。 書体によっては、非常に複雑で、凝った書体も存在するのですが、それらはあまりおすすめしません。 なぜなら、書体が複雑すぎると、実印や銀行印であっても誰の印鑑かを判別することが困難になります。当然ですが、印鑑は自分の苗字のものを使用しなければいけません。印影が複雑すぎて苗字を解読することができなければ、印鑑としての役割を果たしていないことになります。 そのため、印影は複製されるリスクを軽減するために複雑なことも重要ですが、ある程度の読みやすさも欠かせません。特に印鑑の作りが悪いと、はっきりとした印影がうつらない場合があります。 書体選びのほかにも、印鑑の作成を依頼する業者選びも重要です。業者のホームページでは、過去にどのような印影の印鑑を制作してきたのかを公開している場合があります。それらをチェックしつつ、どのような書体にするか考えるのがおすすめです。 業者に相談をすれば、どのような書体のものがおすすめか提案してくれるでしょう。業者ごとに得意としている書体が異なる場合もあるため、作りたい書体が決まっているのであれば、その書体の印鑑の制作実績を確認すると良いです。実績が豊富かどうかも業者に依頼する際のポイントのひとつになるためです。 印鑑は書体選びが重要! 印鑑はその役割によって、どのような書体を選ぶかが異なります。実印に適している書体もあれば、認印に適しているものもあります。様々な書体の中で、用途に合わせて適切なものを選ぶようにしましょう。 印鑑を作成する際に書体を選ぶなら、今回紹介した各書体の特徴を参考にしてみてください。 合わせて読みたい 判子の字体(書体)は種類ごとに異なる!字体の特徴と選び方を紹介

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判子の字体(書体)は種類ごとに異なる!字体の特徴と選び方を紹介

判子の字体(書体)は種類ごとに異なる!字体の特徴と選び方を紹介

公開日:2023.10.27 最終更新日:2024.10.31 判子の印影に使われる字体にはさまざまなものがあります。判子の用途や種類によって適した字体が異なるため注意が必要です。どのような字体があり、どのように選べば良いか気になる方もいるのではないでしょうか。今回は、字体の特徴と選び方について紹介します。 判子の字体(書体)の種類は主に6つ 判子の字体には大きく篆書体、古印体、印相体、隷書体、行書体、楷書体の6種類があります。ここでは、それぞれの字体の特徴や、よく使われている判子の種類などについても合わせて紹介します。 篆書体(てんしょたい) 篆書体は、縦長の字で文字の太さが一定の字体です。横字は水平で、縦字は垂直になることが特徴です。 パスポートの表紙部分に書いてある「日本国旅券」の文字や日本銀行発行のお札などにも使われています。また、日本最古の印鑑といわれている「漢委奴国王」も篆書体で彫られており、歴史と権威のある字体といっても過言ではありません。 印影として彫るときは、枠を細く、文字を太くすることが一般的ですが、文字を細く、枠を太く彫る印影も、古典的で斬新さが感じられます。印影に柔らかさが出ることから、人気を集めています。 古印体(こいんたい) 古印体は、鋳造した際の特有の欠けや途切れなどの風味をもとに作られた、線の強弱が特徴的な字体です。隷書体から派生して生まれた字体であり、可読性が非常に高い字体となっています。 文字の丸さも特徴的で、読みやすさの中にも趣を感じる字体です。 印相体(いんそうたい) 印相体は、判子の枠の部分に文字が接しており、欠けにくいことが特徴です。可読性が低いため、偽造や盗用防止にも効果が高いといわれています。また、吉相体(きっそうたい)とも呼ばれており、縁起が良いからと好まれる方も多い字体です。 篆書体をベースにした字体ですが、判子に使用されている字体としては新しい部類の字体となっています。 隷書体(れいしょたい) 篆書体に続く古い歴史を持った字体で、可読性が高く、横幅が広いので安定感もあります。 行書体(ぎょうしょたい) 行書体は、やわらかいイメージが特徴的な字体です。隷書体を速書きに適するよう簡略化した字体なので、線が連続したり省略されたりしています。流れるような字体であるため優美さを感じる分、可読性は隷書体よりも低いです。 楷書体(かいしょたい) 楷書体は、一点一画を離して書く字体です。教科書などに使われることが多いため、非常に読みやすいです。略したり線を繋げたりしない字体で、書道などでも使われます。 【個人用】判子の用途に合わせて字体(書体)を選ぶ方法 ここまで判子に使われる字体を紹介してきました。どの字体を使うか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。字体は、判子の用途に適しているものを選ぶことが鉄則です。ここでは、個人用の判子の用途に合わせた字体の選び方を紹介します。 実印には篆書体 実印は重要な契約や大切な書類に押印するものであるため、真似しにくい複雑な字体がおすすめです。篆書体なら、可読性が低く、偽造されにくい印影になるので、実印に適しています。 実印の作成には字体も大切ですが、それ以外にもサイズや印材(素材)の材質などのポイントを押さえることも大切です。例えば、実印のサイズは印面が8.0mm〜25mmまでと決まっているので、その範囲内で判子を作成する必要があります。 実印は、押す機会が少ないものの、重要な契約に使用するものです。字体のほかにも素材や耐久性に関する注意点を押さえながら作成しましょう。 合わせて読みたい 印鑑のサイズはどれを選んだら良い?選び方や用途別のサイズもご紹介 銀行印には印相体 銀行印は、お金を引き出すときに必要な判子なので、偽造されにくく、真似しにくい複雑な字体がおすすめです。印相体は、文字と枠がつながっていることで可読性が低く、文字が欠けにくいため適しています。 また、銀行印は横彫りで作成することが一般的です。縦彫りは、お金が上から下に落ちていくイメージなのであまり好まれません。一方で横彫りなら、お金が落ちずに溜まっていくイメージがあるので験を担ぐことができます。 さらに、印相体は吉相体とも呼ばれており、縁起の良い字体とされているため、お金に関わる銀行印におすすめなのです。 認印には隷書体・古印体・行書体 認印は、偽造防止を重視するよりも、読みやすく、一目見てわかりやすい字体が好まれます。押印した人の名前がすぐに判別できる方が良いので、古印体や隷書体、行書体などわかりやすいものを選ぶことがベストです。 同じ認印でも、どのような内容の判子にするのかによって字体を選ぶと良いでしょう。 【法人用】判子の用途に合わせて字体(書体)を選ぶ方法 法人用の判子は、請求書をはじめ、個人で使用するときと比べてより重要な契約などに使用することが多いため、適した字体の判子をしっかり選ばなければなりません。ここでは、法人用の判子の用途に合わせた字体の選び方を紹介します。 代表者印・法人銀行印・角印には篆書体 法人が使用する判子は、代表者印や銀行印、角印が主なものですが、どれも大切なものなのでセキュリティ面を保障する字体でなければなりません。紛失した場合に備えて簡単に偽造できない字体にすることが大切です。 法人の判子を作成する際に、セキュリティ面を考慮したいなら篆書体が適しています。複雑な字体なので一目見ただけでは内容を判別できません。文字と枠がつながっていることで文字の割れや欠けも起きにくいことがメリットです。 また、可読性の低い印相体とも相性が良く、吉相体を呼ばれていることもあって縁起が良いので法人印として好まれます。 法人の判子には、それぞれの内容に応じて適したサイズや素材などが異なるため、新たに作成するときは注意しましょう。 ゴム印には楷書体 法人は、住所や電話番号が入ったゴム印を作成することもあります。住所を入れるなら読みやすい楷書体がおすすめです。法人の住所や電話番号は、ホームページなどでも公開されていることが多いので、ゴム印のセキュリティ面を気にすることはあまりありません。 また、ゴム印は用途が多岐にわたるので、複数作成する法人が多いです。それぞれの用途にあった字体を選ぶと良いでしょう。 合わせて読みたい ゴム印とは?会社で使う主な種類と「ゴム印不可」の理由 職印には篆書体や印相体 職印とは、個人の名前と資格や肩書きの入った判子のことです。弁護士や司法書士などの士業に就いている人が利用します。丸印か角印で作られることが多く、「先生資格印」とも呼ばれている判子です。 そのため、字体としては重厚感のある篆書体や印相体が選ばれます。丸印と角印はそれぞれ適した字体が異なるので注意が必要です。例えば、丸印なら名前を篆書体、肩書を古印体にしますが、角印はすべて篆書体で作ることが多いので覚えておきましょう。 合わせて読みたい 役職印とは?代表者印との違いや作成時のポイント まとめ 判子に使用される字体は主に6種類あります。判子ならどんな字体でも良いというわけではなく、それぞれの判子の用途に合った字体を選ぶことが大切です。判子を作るときは、何に使う判子なのかを考えたうえで、最も適した字体を使用しましょう。

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印鑑のサイズはどれを選んだら良い?選び方や用途別のサイズもご紹介

印鑑のサイズはどれを選んだら良い?選び方や用途別のサイズもご紹介

公開日:2023.10.10 最終更新日:2024.10.31 印鑑を作るとき、サイズが意外と豊富であることに驚きます。自分はどのサイズの印鑑を作れば良いのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。 印鑑のサイズは用途や使う人によってもさまざまです。男性や女性、個人や法人によってもさまざまなサイズの印鑑が用意されています。 ベストなサイズの印鑑を作るには、どのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。今回は、印鑑のサイズの用途別の選び方についてご紹介します。 印鑑のサイズは複数ある 印鑑のサイズにはさまざまなものがあります。なぜサイズの異なる印鑑が多いのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。ここでは、印鑑がさまざまなサイズで展開されている理由をご紹介します。 複数のサイズがある理由 印鑑に複数のサイズがある理由は、すべて同じサイズだと区別がつかなくなり、間違えて使用してしまう可能性があるためです。また、印鑑の重要度に応じてサイズも変わるため、用途や使用する人によってサイズを変えておけば間違いを防げます。 すでに印鑑を持っていて、また新たに印鑑を作るときは、既存のものと見分けがつきやすいサイズのものを作ると良いでしょう。 特に銀行印と認印は同じようなサイズで作ることが多いので間違いやすいです。同じサイズでも構いませんが、あえて変えることで見分けがつくようにしておくことをおすすめします。 印鑑ごとにサイズを分ける 印鑑ごとにサイズを分ける場合、用途や作る人に応じてサイズを変えるのが一般的です。たとえば、個人用の印鑑よりも法人用の印鑑は大きいサイズにするなど、見分けがつくように分けましょう。 法人用の印鑑は、会社名をすべて入れなければならない角印を一番大きくし、次に実印である代表印、銀行印の順にサイズを変えるのがおすすめです。 個人用に印鑑を複数作る場合は、実印が最も大きいサイズ、次に大きいのが銀行印、さらに認印が一番小さいものという順番で作られるのが一般的です。また、女性は男性よりも小さいサイズで作る傾向があります。 女性が男性よりも小さいサイズで作ることが多いのは、女性の手が男性よりも小さいから、男性を立てるという昔の風習によるものなどさまざまな理由があります。しかし、女性が大きいものを使用しても問題ありませんので、好みで選んでも大丈夫です。 【用途別】おすすめの印鑑サイズ 印鑑には、用途ごとに適したサイズがあります。日常生活や仕事のなかでは、さまざまな用途で印鑑を使うため、適したサイズの印鑑を知っておくと便利です。ここでは、用途別におすすめの印鑑サイズをご紹介します。 実印 実印は、市区町村ごとに登録するので、市区町村で決められている8〜25mmの範囲内なら実印として使えます。一般的にハンコ屋さんなどで販売されている印鑑であれば、どのサイズでも構いません。 昔ながらの慣習で男性は堂々としたイメージで大きめに18mm、女性は繊細なイメージとして15mmで作られるケースが多いですが、こうした慣習はあまり気にしなくても良いでしょう。 また、実印は男女ともにフルネームで作る人が多くなっています。結婚して苗字が変わる可能性がある人は、下の名前だけの印鑑を作る人もおり、印鑑の内容に決まりはありません。最近では手続きをすれば旧姓の印鑑で実印登録ができる可能性があるため、気になる方は自治体に確認してみてください。 印鑑登録は、引っ越しをして市外に出てしまうとまた登録し直す必要があります。自治体によって対応も異なる可能性があるため、引っ越しの予定がある人は確認してから作りましょう。 銀行印 銀行印は、実印より少し小さめのサイズが一般的で、男性の場合は15mm、女性の場合は13.5mmがおすすめです。 銀行印として登録できるサイズは銀行や郵便局、各金融機関によって異なります。迷った場合は標準的なサイズである12mmで銀行印を作っておけば間違いないでしょう。 銀行印を作る際は、認印と誤用しないよう、認印よりも一回り大きめのサイズで作るのがおすすめです。 認印 認印は男性の場合は12mm、女性の場合は10.5mmが一般的なサイズです。登録するものではなく普段使用する印鑑なので、規定もなくサイズについてはあまり気にする必要はありません。 企業によっては役職でサイズが決まっている場合もあり、新入社員として入社したばかりの頃は10.5mmから使う企業もあります。そういった場合は、新社会人は10.5mm、役職者は12.0mmから13.5mmがおすすめです。 入社する際に印鑑を作る場合は、そうした企業ごとの慣習があるのかどうかを確認しておいてください。 訂正印 訂正印は認印で代用するケースもありますが、認印を代用すると文書が見にくく煩雑になってしまうため、専用の訂正印を作る方が多い傾向にあります。 訂正印は文書の訂正用となるので、一般的に6.0mmと小さいものが人気です。訂正印には、丸型と小判型がありますが、使い分けの決まりはないので好きなものを選ぶと良いでしょう。 印鑑のサイズを選ぶ際の注意点とは? 印鑑のサイズを決めるときは、印鑑に彫りたい内容についても注意を払う必要があります。作りたい印鑑によって、その文字数が入るサイズなのかも確認しなければなりません。ここでは、印鑑のサイズを選ぶときの注意点をご紹介します。 文字数・画数が多い場合 名前の画数が多かったり、文字数が多かったりする場合は、どのようなサイズの印鑑を作ろうか迷う人もいるのではないでしょうか。同じサイズの円内に1文字入れるのと3文字入れるのでは文字自体の大きさが変わってきます。 文字数は同じでも、画数が多い漢字と画数が少ない漢字では視認性も変わってくるため、印鑑のサイズに気をつけた方が良いでしょう。文字数が多い場合や画数が多い文字の場合は少し大きめのサイズで作るのがおすすめです。 せっかく作っても字がつぶれて読みにくいという事態を防ぐためにも、文字数や画数を考えながら選びましょう。 また、印鑑の文字は基本的に縦書きが原則です。特に要望がなければ縦書きで作られるため、横書きを希望する場合は、注文の際に伝えておきましょう。 漢字以外の印鑑を作りたい場合 一般的に印鑑といえば漢字のイメージですが、漢字以外のひらがな・カタカナやアルファベットでも印鑑の作成は可能です。ただ、ひらがな・カタカナやアルファベットの場合は、文字が細く欠けやすくなるのである程度のサイズは必要となります。 アルファベットで印鑑を作るときは、基本的に横書きになるのが一般的です。希望があれば縦書きでも作成してもらえるため、縦書きを希望する場合は事前に伝えておきましょう。 また、アルファベットでフルネームを入れたい場合は、漢字のように画数が多くないものの、文字数が多くなると詰まった印象になってしまうため少し大きめの印鑑を選ぶのがおすすめです。 いずれにしても、印影が美しく出るようにお店の方が調整してくれるところがほとんどなので、安心してお任せすれば大丈夫です。 まとめ 印鑑のサイズは、用途や使用する人によって使い分けることがほとんどです。それぞれの用途に適したサイズがあるので、今回の記事を参考にしながら印鑑を作ってみてはいかがでしょうか。 印鑑のサイズ選びに迷っているなら、サンビーにご相談ください。総務担当者や購買担当者向けの印鑑や日付印などはもちろん、ほかにもさまざまな種類の印鑑を販売しています。サイズも豊富に取り扱っているので、どれを選んだら良いかわからないという方もサンビーにお問い合わせください。

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印鑑とハンコの違いとは?印章や印影など関連ワードもまとめて解説

印鑑とハンコの違いとは?印章や印影など関連ワードもまとめて解説

公開日:2023.9.19 最終更新日:2024.10.31 宅配便を受け取る際や業務でよく使用する「印鑑」ですが「ハンコ」と呼ぶ人もいるでしょう。 「『印鑑』と 『ハンコ』いったいどっちが正解なの?違いは何?」 そう疑問に思う人は少なくないでしょう。 今回の記事では「印鑑」と「ハンコ」の違いについて解説していきます。印鑑とハンコの違いについて知りたい人はぜひ最後まで読んでみてください。 印鑑とハンコの違い 印鑑とハンコは混合して使われがちですが、実は全く異なるものです。 印鑑は押印後、紙に残る朱肉印のことで「印影」とも呼ばれます。 一方でハンコは銀行印や認印、実印など、棒状の角型や丸型の形状をした本体を指します。つまり朱肉で印影を残すためのものです。ハンコの正しい名称は「印章」といいます。 意味 正式名称 印鑑 紙に押印したもの(朱肉印) 印影 ハンコ 押印するためのもの(銀行印など) 印章 本来はハンコが正しい使い方なのに印鑑という呼び名が浸透していたり、その逆だったりと間違って認識されていることが意外に多いです。 間違っているからといって支障が出ることは少ないですが、いざという時のために憶えておくと良いかもしれません。 印鑑の語源 印鑑の語源は、印影が本当のものかを確認するために使っていた台帳が関係しています。古来、台帳は「鑑(かがみ)」と呼ばれていました。 「印鑑」の漢字に使用されている「鑑(かがみ)」という文字には本来「手本・模範」という意味があります。 印影を確認するための台帳「鑑(かがみ)」をきっかけに、印影そのものを印鑑と呼ぶようになったと考えられています。 印鑑について詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ↓ ハンコの語源 ハンコの起源には「版行(はんこう)」が関係しています。 そもそも「版行(はんこう)」とは出版物を印刷して発行することを意味しています。古来、書物は木板に絵や文字を彫った版木を用いて印刷(版行)されていました。 鎌倉時代以降、版行(はんこう)は印章の意味でも使われるようになり「はんこう」は音変化して「はんこ」と言われるようになったと言われています。 ちなみに判子という漢字は当て字です。 印鑑の種類について解説 ここまで印鑑とハンコの違いについて解説してきました。 印鑑とはハンコ(印章)を押したときにでる朱肉印のことで、ハンコは印鑑を押すための本体を指します。 つまり印鑑とハンコは全く別物ですが、世間一般では本来の「ハンコ」は「印鑑」という呼び名が浸透しているため、ここからの解説は「印鑑」という呼称を使用していきます。 個人の印鑑の種類 個人が使用する印鑑には「認印・銀行印・実印」の3つがあります。 簡単に違いについて解説します。 認印とは個人が日常で使用する印鑑のことです。認印での捺印は効力が極めて限定的で、国会答弁において「認印は個人の認証としての効力は乏しい」と見解が示されています。 そして銀行印とは、銀行や信用金庫など金融機関に届け出をした印鑑のことを指します。 保険やクレジットカードを申し込む際にも使用するため、金融管理に重要な役割をもちます。しかし役所に登録していないので法的な効力はやはり弱いと言えるでしょう。 法的な効力が強い印鑑が実印です。 実印とは役所に登録した印鑑のことで、公的に認められているため信用力があります。家の購入やローンなど高額な契約の際に必要な印鑑です。 実印は認印や銀行印とは違い、法的な効力をもった印鑑なので管理や取扱いには十分に注意が必要です。 実印について詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです↓ 法人の印鑑の種類 法人印鑑の種類は主に「会社実印・会社銀行印・社印・会社認印・ゴム印」の5つです。 それぞれの印鑑の役割など違いをまとめました。 印鑑の種類 役割や特徴 会社実印 代表者印ともいう。法務局で登録し、重要な契約のときに使用 会社銀行印 法人銀行口座を開設のときに届け出。手形や小切手を切るのにも必要 社印 会社角印ともいう。比較的重要度が低い会社発行の書類に押印する際に使用 会社認印 社印とまとめられることも。日常的な業務に使用 ゴム印 住所印ともいう。制作の際にデザインに決まりはない。住所や社名などが印字されている。パーツが組み換えできるものも。 法人印鑑について詳しくはこちら↓ 印鑑とハンコの呼称はどう使い分ける? シチュエーションによって認識されている呼称があるため、正式名称と違いがあったとしても誤解を生じないために合わせて使用したほうが良いでしょう。 また一般的に「ハンコ」というと連続でポンポンと押すことができるシャチハタとも呼ばれる「浸透印」も含まれ、荷物の受け取りなど重要性の低い押印にも使われています。 公的な書類や業務中の重要書類に押印を求める場合 シャチハタ(浸透印) がNGのシチュエーションでは「印鑑」の呼称を使用する方が望ましいでしょう。 一般的にシャチハタ(浸透印) は「印鑑」だという認識をもつ人は少ないため、シャチハタ(浸透印) 以外での押印を求める際には「ハンコ」ではなく「印鑑」という呼称を使用することをおすすめします。 宅配や回覧板に押印を求める場合 宅配便の受け取りや回覧板の確認印などには「ハンコ」の呼称が浸透しています。押印することで大きなお金が動いたり、信用や責任に関わるシチュエーション以外では「ハンコ」という呼称を使用して問題ないでしょう。 その他書類などでも自筆によるサインが必要なく、印鑑の押印だけで可能な場合もハンコで問題ありません。 ネーム印以外でスタンプ台を利用したスタンプの場合 スタンプ台を使用するスタンプは「ハンコ」と呼ばれることがあります。 そもそもスタンプとは英語で、日本語でいう「印章」や「切手」、ほかにもスタンプを押印する意味をもちます。 バラエティショップなどではゴム印で作成された、さまざまなスタンプが販売されています。スタンプと呼ばれることもありますが、人やシチュエーションによっては「ハンコ」で認識されていることも。 特に小さい子供にとってスタンプは発音しにくいため「ハンコ」を使うほうが良いでしょう。 【まとめ】印鑑とハンコの違いは印影と印章の違い 今回は印鑑とハンコの違いについて解説しました。印鑑とハンコは同じものとして認識されがちですが、全く異なるものです。 「ハンコ」は本体を指し、印章とも呼ばれています。朱肉を付けた印章を紙に押したときに残る朱肉印が「印鑑」で、印影とも呼ばれるものです。 シンプルにまとめると印鑑とハンコの違いは以下のようになります。 ・印鑑=印影(朱肉印) ・ハンコ=印章(本体) ただ一般的には印鑑もハンコも同じものとして使われているため、状況に応じて伝わりやすいほうを使用するのがおすすめです。とはいえ「印鑑とハンコの違い」について知っておいて損はなく、今回の記事がどこかで役に立つと嬉しいです。

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チタンの印鑑はなぜおすすめ?デメリットについても解説!

チタンの印鑑はなぜおすすめ?デメリットについても解説!

公開日:2023.9.5 最終更新日:2024.11.1 印鑑を購入する際、材質に着目したことはありますか。デザインにはこだわるものの、材質はあまり気にしていない方も多いのではないでしょうか。 印鑑の材質は、デザインと同じくらい非常に重要です。その中でもチタン印鑑はほかの印材にはない、数多くのメリットを有しています。今回はチタン印鑑がおすすめである理由について解説いたします。 チタンの印鑑がおすすめの5つの理由 チタンの印鑑がおすすめである理由は5つあります。それぞれ詳しい内容について確認していきましょう。 美しい印影を残せる チタン印鑑はほかの印鑑と比べて捺印性が高く、美しい印影を残すことができます。捺印性に影響するのは「朱肉の乗りの良さ」「適度な重量感」のふたつです。 チタンの粒子は超微粒であるため、朱肉の乗りを一切邪魔しません。そのため、印面に均一に朱肉を付着させることが可能です。 さらにチタン印鑑は適度に重量感があるため、強く押し付ける必要もありません。印影が掠れてしまうのではないかという心配から、意識して力強く捺印している方は多いのではないでしょうか。 しかし、チタン印鑑であれば、印鑑本体の重量があるため、軽い力でも綺麗な印影を残せます。力を加える必要がないため、女性にとっても使いやすい印鑑になっているのもポイントです。 デザイン性が優れている メーカーによって異なりますが、チタン印鑑はデザイン性が優れているケースが多いです。今までの印鑑のイメージを変えるようなスタイリッシュなデザインが特徴になっています。 チタンは金属の一種であるため、重厚感や高級感があるのも大きなポイントです。ごちゃごちゃとした装飾が施されているわけではなく、シンプルながらも高級感のある仕上がりになっているのです。 そのためチタン印鑑を使用しているだけで、品のある雰囲気を醸し出せます。ビジネスシーンにおいてチタン印鑑を使用していれば、仕事のできる大人を演出することにつながるかもしれません。 耐久性が高い チタン印鑑に使われるチタンは「純チタン」と呼ばれる種類であることが多いです。純チタンは高い強度を持つという特徴があり、耐久性に優れているため摩耗が少ないです。 印鑑を長く使っていると、印面が摩耗してしまい、印影が汚くなってしまうケースがあります。一度摩耗すると元には戻らないため、買い替えを行わなくてはいけません。 しかし、チタン印鑑は摩耗が少ないため、こまめに買い換える必要がないのがポイントです。特に実印や銀行印については、こまめに買い換えると手続きに手間がかかってしまいます。 祝い品などの贈り物として、一生モノの印鑑を作る場合にもおすすめの印材です。 水洗いが可能 長く使う印鑑はお手入れが欠かせません。朱肉がついたまま放置してしまうと、変色や劣化の原因となります。そのため、印鑑を使った後は朱肉を落とす必要があります。 しかし、朱肉を拭き取るのは簡単ではありません。丁寧に拭き取ったとしても、拭き残しが発生する可能性が高いからです。 チタン印鑑は水洗いができるため、朱肉を残さず綺麗に落とすことができます。さらに念入りに朱肉を拭き取る必要もありません。お手入れにかかる手間を大幅に削減できるメリットがあります。 ほかの印材は水洗いすると、素材が水を吸ってしまい、乾かすとひびが入ってしまう場合があります。しかし、チタン印鑑は水洗いをしても錆びる心配がなく、劣化することもありません。 金属アレルギーの方でも利用できる 金属製の印鑑は金属アレルギーがある方は使用できません。金属アレルギーを理由に購入を躊躇している方も多いでしょう。 しかし、金属アレルギーは汗でイオン化し、溶け出した金属によって起こります。チタンの場合は、すぐに酸化するという性質があるため、金属が溶け出してもアレルギーの原因にはなりません。 この特性を活かして、チタンは人工骨や人工関節、ペースメーカーなどにも利用されています。金属アレルギーのある方でも安心して使用できる金属なのです。 材質の安全性が高いのは、チタン印鑑ならではのポイントでしょう。金属アレルギーが理由で、木製の印鑑を使用していた方は、チタン印鑑であれば問題なく使用することができるため購入を検討してみてください。 チタン印鑑にはデメリットもある チタン印鑑には数多くのメリットがある一方でデメリットもあるため、購入前には必ず確認しておきましょう。 価格が高め チタン印鑑はほかの印鑑と比べて価格が高めです。一般的な印鑑であれば、100円ショップで販売されていることもあります。少し高級な印鑑の場合でも、数千円程度で購入できるでしょう。 しかし、チタン印鑑は1万円以上かかることが多いです。なぜなら、チタンはレアメタルの一種であり、希少性の高い金属だからです。そのため、購入時の負担が大きい点は注意しなくてはいけません。 一方で、ほかの印鑑は劣化にともない交換をしなくてはいけません。しかし、チタン印鑑はほぼ一生使い続けることができるため、長い目で見ると金銭面の負担はむしろ少ないともいえるでしょう。 初期投資のみ少し高めですが、それでも購入する価値のある印鑑なのは間違いありません。 重量がある チタン特有の重量は、人によってはデメリットとなる場合があります。印鑑を繰り返し使用していると、手にかかる負担が大きくなってしまうからです。 そのため、チタン印鑑のみで仕事をするのはあまりおすすめできません。1日に何度も使用しなくてはいけない場合は、比較的重量の軽い印鑑で対応するのをおすすめします。 仕事の中でも重要度の高い書類にのみ、チタン印鑑を使用するという風に使い分けることができれば、重量による負担が気になることもなくなるでしょう。 銀行印や実印でチタン印鑑を使用する場合は、そもそも使用頻度がそれほど多くありません。重量があったとしても気になるケースは少ないでしょう。 重量があるという点は確かにデメリットではあります。しかし、使い方によっては、それほど気にならないため、致命的なデメリットではありません。 手彫りができない チタン印鑑における最大のデメリットは、手彫りができない点です。チタン印鑑は強度が高いため、彫刻刀が入らず手彫りができません。そのため、チタン印鑑の印面は彫刻機(彫刻針)を使って彫刻することもできます。 あくまでも機械的に文字が出来上がるため、複製が容易という点が問題です。データが流出すれば、まったく同じ印鑑を複製することも不可能ではありません。悪用されるケースもゼロではないでしょう。 さらに印章店によっては、店舗でチタンを加工できるところは少ないです。そのため、外部業者に委託して製造することが多くあります。このことから、重要決済の捺印用などとしてチタン印鑑の作成を検討している方は、セキュリティ面の安全性が確保されているか店舗に問い合わせてみてください。 まとめ チタン印鑑には数多くのメリットがあります。職分が高く、品の高さをアピールしたい場合にチタン印鑑は役立ちます。 一方でチタン印鑑にはデメリットもあるため注意しましょう。メリットとデメリットを比較した上で、チタン印鑑を購入するべきか検討しなくてはいけません。 特にセキュリティ面については大きな問題です。作成する前に店舗に問い合わせて、安全性が確保されているか確認してから購入を検討しましょう。

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法人銀行印とは?会社実印と同じでも良い?作成時の留意点とは

法人銀行印とは?会社実印と同じでも良い?作成時の留意点とは

公開日:2023.7.10 最終更新日:2024.10.3 法人銀行印は、会社が法人として銀行口座を作成する際や手形・小切手などに押印する際に使用されます。会社実印と似た形状で印影もそこまで大きな違いはありません。これらを使い分ける必要があるか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。 今回は、法人銀行印を作成する際の決まりや会社実印と併用するリスクについてご紹介します。 法人銀行印とは? 法人銀行印は、会社が銀行口座を開設する際や預金から支払いをする際、手形や小切手に押印する際に使用する印鑑です。法人銀行印は、あらかじめ銀行に届け出る必要があります。 基本的には経理部長などお金の管理をする人が取り扱うことの多い印鑑ですが、代表取締役社長や代表者などが管理している場合や、代表者印と同一の印鑑で兼用している場合もあります。 主な利用シーンは、銀行や金融機関で法人口座を開設する、法人口座から出金する、小切手や手形を発行するなどです。会社の資産管理に関係するため、代表者印と並んで重要な印鑑であるといえるでしょう。社印(角印)や会社実印(丸印)を作成する際に、一緒に法人銀行印も作っておくのが無難です。 法人銀行印と会社実印(代表者印)は同じでもいい? 法人銀行印と会社実印(代表者印)は印影にあまり違いがなく、兼用している会社も多くあります。しかし、一般的にはこれらは別々の印鑑として作成し、用途に応じて使い分けることが推奨されています。 法人銀行印も会社実印も、どちらも丸い形状で印面が二重になっており 、外側に会社名が刻印されています。内側については、会社実印が「代表取締役印」という役職名が刻印されるのに対し、法人銀行印は「銀行印」という文言が刻印されるのが一般的です。 このように、法人銀行印と会社実印は、内側の文字以外に印面に大きな違いはありません。「1本で済ませられるならその方が良い」と考える方もいるかもしれません。しかし、これらを兼用してしまうと、その印鑑を紛失したり盗難にあったりした場合に、代表者の意思決定もお金の管理も、どちらもできなくなってしまいます。 法人銀行印を作成するのに、そこまで高額な費用はかかりません。会社内だけではなく外部でのリスクを減らすためにも、法人銀行印と会社実印は別々に作成しておくのがおすすめです。 法人銀行印を作る際の決まり ここでは法人銀行印を作成する際の文字や書体・サイズなどの決まりを紹介します。内側には「銀行之印」と記載、書体は偽造や悪用されにくい書体を選び、サイズは会社実印よりも小さめに作るのが一般的です。 文字 法人銀行印の印面は、外側に会社名、内側に「銀行之印」という文字を組み合わせるのが一般的です。会社実印は内側に「代表取締役之印」「代表者印」などの役職名が入ります。会社実印との違いは、この内側に記載される文字のみです。 書体 法人銀行印の印面の書体に規定はありません。また、外枠に記載する会社名と内枠に記載する「銀行印」の書体をそれぞれ変えるケースもあります。 多くの会社で採用されている書体は「篆書体」と「吉相体」です。これらが人気の理由は、判読がしにくく、偽造や悪用されるリスクが低いことにあります。 篆書体(てんしょたい) 篆書体は約2300年前に秦を統一した始皇帝が漢字を整理してまとめたものです。古い書体ですので、現代漢字とは異なる部分が多くあります。判別がしにくいため、偽造防止に向いている書体のひとつです。 吉相体(きっそうたい) 吉相体は篆書体を少し改良したもので、近年開発された書体です。開運印相としても用いられており、枠に向かって四方八方に文字が広がっている点が特徴といえます。どの書体を選べば良いか迷う際は、篆書体か吉相体を選べば間違いないでしょう。 サイズ 法人銀行印のサイズに決まりはありません。そのため、会社ごとに好きなサイズで作成しても問題はないでしょう。 しかしながら、使用ミスを防ぐために、会社実印や社印サイズを変えて作成されるのが一般的です。特に同じ丸い形状をした会社実印と区別するために、銀行印は会社実印より一回り小さいサイズで作られることが多い傾向にあります。 よく採用されるのは、会社実印が18mm、法人銀行印が16.5mmの大きさです。各法人印の大きさの比較としては、「社印(角印)>会社実印(代表者印)>法人銀行印」となるのが主流です。すべての法人印のサイズを分けていれば一目で見分けられます。 また、会社実印・法人銀行印のような丸い形状の法人印は、「天丸タイプ」と「寸胴タイプ」といった本体の形状で区別することもできます。例えば、会社実印は天丸タイプ、法人銀行印は寸胴タイプと形状を区別して作成すれば、使用ミスを防げるでしょう。 法人銀行印を変更するには? ここでは法人銀行印を変更する際の手続き方法を紹介します。法人銀行印の変更は金融機関の窓口で行う必要があるため、事前の準備が必要です。 金融機関の窓口で変更手続きを行う 法人銀行印を変更する際は、金融機関の窓口で手続きを行う必要があります。変更時に必要なものは以下の通りです。 <必要なもの> 新しい法人銀行印 口座の通帳 キャッシュカード 代表者の身分証明書 基本的には上記のもので足りますが、金融機関によって必要なものは異なります。事前に問い合わせておくとスムーズに進むでしょう。 さらに、変更手続きは原則として会社の代表者が行わなければなりません。やむを得ない理由で代理人が変更手続きを行う場合は、委任状が必要になるケースが多くあります。こちらについても、事前に金融機関に問い合わせておくと安心でしょう。 法人銀行印をなくした場合はすぐに金融機関へ連絡する 万が一法人銀行印を紛失してしまい変更が必要となる場合は、すぐに金融機関へ連絡し取引を停止してもらいましょう。紛失した法人銀行印が他の者の手に渡り、悪用されるのを防ぐためです。 紛失した場合は、紛失届や改印届を提出するのが一般的ですが、金融機関では電話やインターネットで紛失にともなう利用停止手続きができます。紛失の場合はこれらを活用し、なるべく早い段階で利用停止するようにしてください。 古い法人銀行印の処分は厳重に行う 法人銀行印は、登録を変更すると新しい法人銀行印に効力が移ります。そのため、それまでに使用していた法人銀行印は効力を失います。 とはいえ、それで安心するのは禁物です。たとえ効力を失ったとしても、刻印されている名前がわかれば、悪用されたり模倣印鑑を作られたりするおそれがあります。 法人銀行印を処分する際は、印面が読み取られることのないようにしてから捨てるようにしましょう。具体的には以下のような工夫をすることをおすすめします。 <捨てる際の工夫> 印面をカッターなどで削る ライターなどを使って印面を焼く 印面の凹凸を接着剤で埋める 最適な方法は法人銀行印の素材によって異なります。印材に合わせて、上記のような工夫をした上で処分するようにしてください。 まとめ 法人銀行印は,会社実印と似た印面で併用することもできます。とはいえ、会社実印とは別に用意し、お金を管理する用途でのみ使用するのがおすすめです。 法人銀行印は、印面の書体・サイズなどに決まりはありません。しかし、偽造や悪用を防ぐために判別しにくい書体を選んだり、会社実印と区別するために少し小さめのサイズで作ったりするのが一般的です。 法人銀行印を変更する際は、金融機関の窓口で手続きを行う必要があります。登録変更後、古い銀行印は効力を失いますが、悪用や模倣印鑑の作成を防止するため、できる限り工夫をして捨てるようにしてください。

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印鑑と印章っておなじなの?

印鑑と印章っておなじなの?

公開日:2022.5.23 最終更新日:2024.11.2 印鑑と印章って同じ意味として使っていないでしょうか? 実は、それ間違いです。違いについて改めて解説してみたいと思います。 印鑑の歴史 印鑑の歴史は非常に古く、6千年にもおよぶと言われています。発祥は紀元前四千年前、世界で最初の文明であるメソポタミア文明とされています。当時の印鑑は、石や骨など円筒形の外周に絵や文字を刻んで、粒土の上で転がして使用するものであったと考えられています。このような印鑑を紐に通して首からかけて身につけていたようです。書簡を封印する際に使用する目的から、高い地位を示す権力の象徴であったとも言われています。 やがてエジプト文明、インダス文明など世界各地へ広がっていきます。 日本に存在する最古の印は福岡県志賀島で出土した「漢委奴国王」の金印(国宝)といわれています。5世紀前半に中国で書かれた「後漢書東夷伝」の中に、後漢の光武帝が、紀元57年に、倭の奴国に印綬(役人の身分を証明する印と、それを身につけるための組み紐)を授けたことが書かれています。 奈良時代に中国(唐)の方式を基準として制定された「大宝律令」にて、支配者の公の印としてのみに政府や地方で使用されました。しかし個人で製造・使用することは禁じられていました。 平安時代になると貴族も個人の印鑑を使用することが許されるようになり、戦国時代に入ると武将たちがそれぞれ権力と威厳を表現するため趣向を凝らした私印を用いるようになります。織田信長の「天下布武」印、上杉謙信の「地帝妙」印、豊臣秀吉の「豊臣」印などが知られています。 江戸時代には商業や貨幣の発達に伴い、帳簿類の整備が進み、印鑑の使用が習慣化して庶民に普及していきます。 1873(明治6)年10月1日、「本人が自書して実印を押すべし。自書の出来ない者は代筆させても良いが本人の実印を押すべし。」と太政官布告にて公式の書類に署名と実印を押すよう制度を定められました。これが、現在の印鑑登録制度が導入されるきっかけとなりました。 印鑑と印章 このような歴史の印鑑ですが、現在よく耳にする「印鑑」「印影」「印章」「ハンコ」を説明できますでしょうか? 印章:いわゆる「ハンコ」の本体のことです。   木やプラスチック、金属などでできています。   手で持って捺す「ハンコ」そのものを指します。 印鑑:ハンコを押した結果、紙に残る印・模様のこと。   すなわち「印影」を指します。 改めて「印鑑」の「鑑」を辞書で調べてみると、以下のように書かれていました。  鏡。物の形をうつすもの。てほん。いましめ。  鏡に照らしてみる。真の姿を考えみる。見きわめる。 「物の形をうつすもの。」という意味からも「印鑑」の意味が汲み取れます。また「印鑑」には、どの印影が誰のものか分かるようにするためにまとめた『印影の一覧名簿』の意味もあります。 ハンコの本体のことを印鑑と解釈して「印鑑を持ってきてください」などと言うことがありますが、実は間違っています。正確に言うならば「印章を持ってきてください」と言うべきですね。 分かりやすいようにこの一般的には、ハンコ本体のことを「印鑑」と呼んでいるのが現状です。 「印鑑を持ってきてくださいね」と言われたとき、「印章ですね」とスマートに返すことができれば知的さをアピールできるのでは無いでしょうか? 知らんけど・・・ 印鑑の種類 これから、いろいろな印鑑の紹介をしていきたいと思います。 認印 『認印』は、姓(苗字)のみのタイプが多いと思います。用途:認印(みとめいん)として通常の契約書、申込書など正式な文書など木やプラスチックなど硬い素材でできている印鑑です。 特に名前がないため「普通の印鑑」としかいいようがないのですが、特に安いものは三文判と呼ばれます。認印として、個人の方が接する通常の契約書や申込書などに使われることが多いです。日常生活で荷物の受け取りや回覧板「押印してください」と言われたら、ほとんどこのタイプを使うことになるでしょう。 銀行印 『銀行印』というのも聞いたことがあるかと思いますが、これは特別な印鑑ではありません。銀行との間の取引に使う印鑑として、あらかじめ銀行に登録した印鑑のことを銀行印といいます。 預金の引き出しや振込など、その銀行との間の取引においてはこの銀行印を使わなければなりませんが、それ以外で使うことはありません。はんこ屋さんなどでは、三文判よりも少し大きな印鑑を銀行印として作ることもありますが、実印と同じ印鑑でも、三文判でも問題ありません。 法人では、丸印を銀行印として使う例もあります。上記のような形状の分類とは異なり、実印か認印かという分類もあります。 実印と認印の違い 『実印』とは、市町村(個人の場合)または法務局(法人の場合)に登録した印鑑のことをいいます。他方、実印以外の印鑑を一般的に『認印』といいます。 重要なのは、実印として登録したものが実印であるという点です。 どんな簡単な印鑑でも登録すればそれが実印になる一方で、どんな仰々しい印鑑でも登録しなければそれは認印です。なお、法人の場合は登録(届出)が必須ですが、個人の場合には必須ではありません。 実印であることの意味 実印として登録すると、「印鑑登録証明書」(個人)や「印鑑証明書」(法人)によって、その印影が自分のものであることを市役所や法務局が証明してくれます。そして、この印鑑(登録)証明書は本人でないと取れません。(証明書の取得には、個人番号カードや印鑑カードが必要です) そのため、実印を押した文書と証明書がセットになることで、「この文書に押された印鑑は本人のものである」ということの強い証明となり、ひいてはそれが「この文書は本人が記載したものである」ということの強い証明となります。 このように、実印は証明書とセットでなければ意味がないという点にご注意ください。証明書がなければ、扱いは認印を押したのと同じです。 合わせて読みたい 印鑑とハンコの違いとは?印章や印影など関連ワードもまとめて解説

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