印鑑の書体はどれがおすすめ?選ぶ際のポイントを紹介

印鑑の書体はどれがおすすめ?選ぶ際のポイントを紹介

公開日:2023.11.24 最終更新日:2024.10.31

印鑑を作るうえで重要になるポイントのひとつが、どのような書体を選ぶかです。書体は好みで選べば良いと考えている方もいるかもしれません。もちろん、個人の好みも重要にはなりますが、実印や銀行印、認印ではそれぞれ適している書体が異なるため、それらを意識することも大切です。

今回は、印鑑で使用されることの多い書体について解説します。それぞれの書体の特徴と、どのような用途で使われることが多いかについても紹介するので、ぜひ印鑑を作る際の参考にしてみてください。

印鑑におすすめの書体5選

印鑑におすすめの書体は主に5つあります。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

篆書体

篆書体とは日本銀行のお札に使用されている印鑑の書体です。日本最古の印鑑と呼ばれている国宝の「感委奴国王の金印」も篆書体で作られています。

印鑑で用いられる書体の中では、最も歴史が古く、現代文字とは形状が異なる場合も多く、視認性が非常に低いです。そのため偽造しづらく、複製されるリスクを抑えられるのです。実印や銀行印におすすめの書体といえるでしょう。

一方で、認印として使用すると、誰の印鑑かわからないというトラブルが起こる可能性があります。会社における書類の確認は「誰が承認したか」がはっきりとわかることが重要です。会社によっては篆書体の印鑑を使うと、視認性が低いため誰の印鑑か判別できず、仕事を進めるうえで手間がかかってしまうかもしれません。

認印は業務をスムーズに進めるために必要な印鑑という側面があります。そのため、認印として篆書体を使うのは避けた方が無難でしょう。

吉相体

吉相体とは篆書体をベースにした中心から外に力強く流れている線が特徴的な書体です。易学や風水において、開運のために用いられることが多い書体です。

詳しくは後述しますが、篆書体は非常に視認性が低い書体であり、苗字を判別することが難しい場合もあります。そんな篆書体をベースにしている吉相体は、セキュリティ面での安全性が高く、実印や銀行印で使用する書体としておすすめといえるでしょう。

しかし、注意しなければいけない点もあります。吉相体は作り手の意匠が込められているため、稀に実印や銀行印として登録ができない場合があるのです。その場合は、印鑑店に問い合わせれば対応してくれることが多いので、連絡してみてください。

太枠篆書体

太枠篆書体とは印鑑の枠が太くなっているのが特徴の書体です。篆書体をベースにしているものの、印影自体は細いため、篆書体と比べると軽やかな印象を受ける書体です。比較的女性に好まれることが多く、女性の実印や銀行印で良く使われています。

印鑑の中では、女性らしさを表現できる数少ない書体です。もちろん、篆書体をベースにしているため、セキュリティ面でも非常に安全です。印影の印象を柔らかくしたいと考えている方にはおすすめといえるでしょう。

古印体

古印体は上記の書体と比べると、非常に視認性が高いのが特徴です。筆で書いたような印影になっており、比較的馴染み深い書体といえます。

視認性の高さを活かして、認印として使われることが多いです。一方で、上記の書体と比べると、複製がされやすく個人の特定も容易です。そのため、実印や銀行印で使われるケースは多くありません。

隷書体

隷書体はバランスの取れた印影が特徴的な書体です。比較的身近な書体であり、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

そんな隷書体ですが、現代文字を思わせるような印影である一方、歴史は非常に古いという特徴があります。そのため、漢字によっては現代と形状が異なる場合もあります。

しかし、可読性は非常に高いため、認印として使用されるケースが多いです。紹介した書体の中では、最もバランスが取れているといえるでしょう。

印鑑の書体を選ぶ際のポイント

印鑑の書体を選ぶ際には、必ずチェックしなければいけないポイントがあります。具体的な内容について解説します。

可読性の低さ

まずは可読性についてです。陰影を見た際に、どのような苗字であるかを認識できれば可読性が高いということになります。一見すると、可読性が高い方が望ましいように思えますが、必ずしもそうではありません。

個人の実印や銀行印、法人の印鑑などは、万が一紛失した際に、誰のものか特定されてしまうと悪用される危険性があります。そのため、可読性については限りなく低くしなければいけません。

また、印影が残っている書類から、印鑑を複製して悪用するケースも考えられます。印影が単純だと複製されてしまうリスクが高まるため、トラブルに発展するかもしれません。

そのため、実印や銀行印として使用する場合は、可読性の低さが重要なポイントになるといえるでしょう。逆に認印として使用する場合は、可読性の高さが必要になります。用途によって求められる可読性は異なるため、使い方に合わせた書体を選ぶことが大切です。

縁起の良さ

印鑑の書体には縁起が良いとされているものがあります。吉相体は印影が全体に広がっているため、非常に縁起が良いとされており、銀行印として好まれる傾向にあります。

もちろん、縁起とは人の考え方によって重要度が異なるため、必ずしも銀行印に吉相体を使用するべきとはいえません。しかし、お金を取り扱う場所で使用する印鑑であるため、少しでも縁起が良いものにしておくのがおすすめです。

印鑑の書体は今回紹介したもの以外にもありますが、縁起が最も良いとされているのが吉相体です。縁起を重視して書体を選びたいと考えている方は、ぜひ吉相体の印鑑を作ってみてください。

印影の読みやすさ

最後に重要なのが印影の読みやすさです。可読性と同じように思えますが、実は内容が異なります。

書体によっては、非常に複雑で、凝った書体も存在するのですが、それらはあまりおすすめしません。

なぜなら、書体が複雑すぎると、実印や銀行印であっても誰の印鑑かを判別することが困難になります。当然ですが、印鑑は自分の苗字のものを使用しなければいけません。印影が複雑すぎて苗字を解読することができなければ、印鑑としての役割を果たしていないことになります。

そのため、印影は複製されるリスクを軽減するために複雑なことも重要ですが、ある程度の読みやすさも欠かせません。特に印鑑の作りが悪いと、はっきりとした印影がうつらない場合があります。

書体選びのほかにも、印鑑の作成を依頼する業者選びも重要です。業者のホームページでは、過去にどのような印影の印鑑を制作してきたのかを公開している場合があります。それらをチェックしつつ、どのような書体にするか考えるのがおすすめです。

業者に相談をすれば、どのような書体のものがおすすめか提案してくれるでしょう。業者ごとに得意としている書体が異なる場合もあるため、作りたい書体が決まっているのであれば、その書体の印鑑の制作実績を確認すると良いです。実績が豊富かどうかも業者に依頼する際のポイントのひとつになるためです。

印鑑は書体選びが重要!

印鑑はその役割によって、どのような書体を選ぶかが異なります。実印に適している書体もあれば、認印に適しているものもあります。様々な書体の中で、用途に合わせて適切なものを選ぶようにしましょう。

印鑑を作成する際に書体を選ぶなら、今回紹介した各書体の特徴を参考にしてみてください。

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