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朱肉の補充方法は?補充するときのコツとメンテナンス方法を解説

朱肉の補充方法は?補充するときのコツとメンテナンス方法を解説

公開日:2023.9.28 最終更新日:2024.10.31 押印した際に印影の写りが悪い場合は、朱肉に原因があるかもしれません。朱肉の種類によって、インクを補充すればきれいに押印できるようになるものや、正しい方法でメンテナンスを行えばきれいに押印できるようになるものがあります。 今回は、朱肉の補充方法やメンテナンス方法をはじめ、注意点と朱肉が服についた場合の洗い方についてもご紹介します。 まずは補充できる朱肉かどうかをチェック スポンジ朱肉 練朱肉 特徴 ・フェルトやスポンジにインクを染み込ませた朱肉・乾きやすい・印影にムラができにくい・誰が使用しても押印時に失敗しにくい ・油と顔料を植物繊維に染み込ませて練り泥上にした朱肉・印影が鮮明に映る・印影が長期間薄れにくい・朱肉の色が鮮やか 補充 〇 補充できる X 補充できない 朱肉の補充方法を知る前に、まずは使用している朱肉が補充できる種類であるかを確認しておきましょう。朱肉は、大きく分けて2種類存在します。 スポンジ朱肉 スポンジ朱肉は、スポンジにインクを染み込ませた朱肉です。事務用朱肉とも呼ばれ、会社内で事務処理に使用されることも多く、現在ではよく見られるオーソドックスな朱肉となっています。 朱肉に対して軽く印面を押さえるだけで全体に朱肉が付着し、押印に不慣れな方でも、きれいな印影を写すことが可能です。定期的にインクを補充すれば、特別なメンテナンスを行わなくても長く使えます。 練朱肉 古くから歴史のある練朱肉は、油と顔料を植物繊維に染み込ませた朱肉の塊を練って作られています。泥状に練られていることから、印泥と呼ばれることもあるのです。 練朱肉は、押印すると紙面に朱肉が盛られた状態になるため乾くまでに時間はかかるものの、スポンジ朱肉と比べて印影がはっきりと鮮明に写ります。 長期間保存しても印影が薄れにくい特徴があるため、公文書のような重要書類に使用されることが多いです。 練朱肉の場合は、インクを補充して使うことができません。しかし、適切にメンテナンスを行えば、長く使用できます。 スポンジ朱肉の補充方法 スポンジ朱肉の補充方法についてご紹介します。誰でも簡単にできるので、ぜひ以下の手順で補充してみてください。 まずは、朱肉を補充する前に必要な道具を準備しておきましょう。 補充用のインク スポンジ朱肉 新聞紙 ティッシュペーパー 基本的には、上記の4つが揃っていれば問題なく補充できます。 次に補充用インクのキャップをつけた状態で、しっかりと上下に振って中身の成分を均一にします。 均一になったら補充用インクのキャップを外して、ノズルをスポンジ朱肉に押し当てましょう。このとき、ゆっくりと朱肉全体に円を描くように、少しずつインクを染み込ませていきます。これらの作業を5回ほど繰り返し行ってください。 インクを染み込ませたら、30分ほどスポンジ朱肉を放置して、完全にインクが浸透するまで待ちます。スポンジ朱肉の表面を軽くティッシュで押さえて余分なインクを拭き取れば補充完了です。 スポンジ朱肉の補充のコツ スポンジ朱肉を補充する際は、どんなインクを補充しても良いわけではありません。必ず使用している朱肉のメーカーを確認し、記載されているメーカーのインクを購入するようにしてください。 メーカーは、朱肉の蓋や底面に記載されていることが多いです。メーカーが記載されていない場合は、購入した店舗に問い合わせて専用のインクを購入しましょう。 最近では、100円ショップでも補充用インクが販売されています。しかし、メーカーが専用に作っている朱肉用インクとは成分が異なるため、おすすめできません。 朱肉用のインクは、商品やメーカーの互換性がなく、異なる成分が混ざることで固まって使えなくなるものもあります。スポンジ朱肉自体の寿命が短くなる可能性があるため、インク選びには注意しましょう。 また、朱肉用インクとスタンプ用の朱色インクもまったくの別物です。朱肉だけでなく、印鑑を劣化させてしまうことあるので間違わないように注意してください。 練朱肉のメンテナンス方法 練朱肉は、定期的なメンテナンスを行うことで長く使い続けられます。メンテナンスを怠ると、時間経過とともに全体が固まるほか、カビが生えたり油分不足でツヤがなくなったりします。 このような状態になると、その練朱肉は使えなくなります。一部だけ固い部分があるときや、全体が固くなってきているときは、以下の方法でメンテナンスしてみてください。 練朱肉の一部に固い部分があるとき 練朱肉の一部だけ固い場合は、ヘラで固い部分をほぐして、柔らかい部分と混ぜ合わせるように練ります。 全体が馴染んで固い部分がなくなれば、印面に上手く朱肉がつくようになり、きれいに押印できるようになります。 練朱肉の全体が固いとき しばらくメンテナンスしていなかった練朱肉は、全体的に固くなっていることがあります。固い範囲が多い場合は、そのままヘラで練るのが難しいため、朱肉の容器ごと温めて柔らかくしましょう。 温める際は、ビニール袋に練朱肉を入れお湯に浸けるか、電子レンジに数秒かけます。どちらの方法も、少しずつ中身を確認しながら火傷に注意して温めてください。 柔らかくなったらヘラで練りながら混ぜ合わせます。容器ごと温められない場合は、金属製のヘラを温めて少しずつほぐしていきましょう。 練朱肉が柔らかくなり練り混ぜたら、最後は形を整えます。山の形に整え、裾に印面を押し当てながら使うと、まんべんなく朱肉が乗り美しい印影を写せます。 衣服にインクがついてしまったときの洗い方 朱肉のインクを補充するときやメンテナンスを行う際に、インクが服についてしまうこともあるでしょう。このとき、慌ててこすってしまうと余計に汚れが広がる恐れがあります。インクは、家庭にある中性洗剤などでも洗えるので、以下を参考に試してみてください。 中性洗剤を使用する 中性洗剤とは、台所用洗剤や洗濯洗剤のことで、一般家庭でもっともよく使われている洗剤です。わざわざ買いに行かなくても家庭にあることが多いので、インクで服が汚れた際には、まず中性洗剤を使用してみてください。 タオルを汚れた服の下に敷いて、中性洗剤を染み込ませる 別のタオルで汚れた部分を上から叩いて、下に敷いているタオルに汚れを移す ぬるま湯を使って洗い流す 洗った部分を乾かす   汚れた部分を無理にこすると汚れが広がるので、上からトントンと叩いて汚れを落とすようにしましょう。また、あくまでもこの方法は応急処置と考え、汚れが完全に落ちない場合は、クリーニング店に依頼するのがおすすめです。 アルコールジェルを使用する シャツや夏物のワンピースなど、薄手の服にインクがついてしまった場合は、手指の消毒に使用するアルコールジェルを使用する方法を試してみてください。 汚れた服の下にタオルを敷く アルコールジェルをインクで汚れている場所に染み込ませる 歯ブラシで上から押すように叩きながら汚れをタオルに移す 水ですすぐ 洗濯機で洗う 歯ブラシで叩き洗いする際には、アルコールジェルをたっぷり乗せ、下に敷いているタオルまで染み込んでいくようにしっかりと馴染ませましょう。同じ場所で繰り返し叩き洗いすると、下のタオルに移った汚れが再び付着してしまいます。 下に敷いているタオルは、適度に動かしながら新しい面に汚れを移すようにするのがポイントです。 クレンジングオイルとスクラブ洗顔料を使用する 厚手の服にインクが付着した場合には、クレンジングオイルとスクラブ洗顔料を使用する方法を試してみましょう。 クレンジングオイルを汚れた服の裏側から塗る 歯ブラシで押すように叩きながら洗う 水ですすぐ 服の表側にスクラブ洗顔料を刷り込む 水ですすいだあと洗濯機で洗う スクラブ洗顔料をたっぷり使用し、服の繊維の奥まで届かせるようなイメージでしっかりと刷り込むのがポイントです。 除光液を使用する マニキュアを落とす除光液でも、インクが洗えます。しかし、色落ちさせてしまう恐れがあるため濃い色の服への使用は控えてください。 歯ブラシに除光液をつけ汚れた服をたたき洗いする 台所洗剤を汚れに直接垂らしてもみ洗いする 水ですすぐ 洗濯機で洗う 除光液で朱肉を洗う際は、一度目立たない部分に除光液をつけて色落ち具合を確認してから使用するのがおすすめです。また、必ず換気を行いながら洗いましょう。 まとめ 朱肉には、インクが補充できる種類とできない種類があります。インクの補充は、必ずメーカーや種類を確認してから行いましょう。長年使用している朱肉であれば、これを機に買い替えるのもおすすめです。鮮やかな朱色で保存性が高く、使いやすい朱肉をお探しなら、印章用品の取り扱いをしているサンビーまでお問い合わせください。

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朱肉とスタンプ台の違いは?法的効力と間違えたときの対処法

朱肉とスタンプ台の違いは?法的効力と間違えたときの対処法

公開日:2023.6.1 最終更新日:2024.11.1 朱肉と赤のスタンプ台は、色も似ているので間違えたことがある人も多いのではないでしょうか。また、押すときには間違えなくても、インクを補充するときに間違えたり、押してあるものを見て間違えたりした経験がある人もいると思います。 朱肉とスタンプ台にはどのような違いがあるのでしょうか。また、大事な場面で朱肉とスタンプ台を間違えて押印した場合、法的効力はどのようになるのでしょうか。 今回は、朱肉とスタンプ台の違いや法的効力、間違えた場合の対処法について紹介します。 そもそも朱肉とは? 朱肉とは、「朱色のインクをしみ込ませた印肉のこと」を指します。ビジネスシーンで使用されるだけでなく、銀行に行った際に銀行印を押すのにも使用されているので、生活においては身近な存在です。 朱肉について詳しくは以下の記事をご参照ください。 一言に朱肉といっても、朱肉には2種類あります。ここでは朱肉の種類について見てみましょう。 合わせて読みたい 朱肉とは?種類とスタンプ台との違い、乾燥したときの対処法 スポンジ朱肉 スポンジ朱肉は、一般的にオフィスや銀行などビジネスの場で使われている事務用朱肉です。プラスチックの容器に入ったスポンジに朱色の顔料を染み込ませたもので、印鑑を軽く朱肉に押し付けるだけで全体に朱肉がつくので誰でも簡単にきれいな印を押すことができます。また、押した後の速乾性にも優れているので、すぐに書類を重ねても問題がなく、たくさんの書類に押印が必要な場面にもおすすめです。中には3秒程度で乾くものもあり、慣れていない人も使いやすいものが多く販売されています。 練り朱肉 練り朱肉は、顔料と植物油の繊維質(典具帖紙や艾など)を泥状に煉り合せたものです。「印泥(いんでい)」と呼ばれることもあります。 スポンジ朱肉よりも高級感があります。印影が長期間にわたって劣化せず、厚みがあって鮮明に写ることがメリットです。そのため、半永久的な保存が必要な大切な場面で使われます。 一方で、練り朱肉は、押印後に乾くのに時間がかかる点がデメリットです。ほかにも、朱肉のお手入れにコツが必要であったり、高級なものほど腐りやすかったりと、慣れていない人には扱いにくいといえます。 朱肉とスタンプ台の違い 朱肉もスタンプ台も、印鑑に色を付けて紙に押すために使う点では同じように見えますが、朱肉とスタンプ台には大きく違いがあります。ここでは、朱肉とスタンプ台の違いについて、成分、色合い、法的効力の3つの視点から見てみましょう。 成分の違い 朱肉とスタンプ台は、実は成分が大きく異なります。朱肉は油性顔料のみが使用されますが、スタンプ台は、製品によって成分が異なることが一般的です。スタンプ台には、「油性染料」、「油性顔料」、「水性染料」、「水性顔料」の4種類が使われます。 スタンプ台を使う印は、ゴム印が最も多く、ゴムは油に弱い性質があります。そのため、スタンプ台は油性のものよりも水性のものがよく使用されています。 油性顔料のみが使用されている朱肉は光や水に強く、印影の長期保存に適しています。しかし、スタンプ台に使われている成分は紙に染み込みやすいので長期保存に向きません。 特に水性のインクが使用されているスタンプ台を使った場合、水に濡れると成分が溶け出して滲んでしまいます。 色合いの違い 朱肉とスタンプ台は、色合いも異なります。どちらもよく利用する人が見れば、その差は一目瞭然なほど違いますが、あまり使い慣れない人から見ると、違いがわからないこともあるかもしれません。 朱肉は、長期保存に使う書類に押印することが多いため、重厚感のある朱赤色に近い色合いです。一方で朱色のスタンプ台は、朱肉よりもやや明るいオレンジになっています。高級感や重厚感が違うので、並べて押印してみるとわかりやすいでしょう。 朱肉とスタンプ台の両方を使って印鑑を押してみると、朱肉の場合は印面に色が付きやすく、スタンプ台だとかすれることもあります。朱肉は印鑑、スタンプ台はゴム印で使用することが想定されているので、スタンプ台の成分と印鑑の相性はあまり良くありません。 法的効力の違い 印鑑は、大切な書類や長期保存が必要な書類に押すことが多いです。法的に効力を持つ書類に押印することもあるでしょう。そのときに、朱肉とスタンプ台を間違えてしまうと、法的効力が失われてしまうおそれがあります。 スタンプ台に使われているインクは滲みやすく、紫外線や水にも弱いので長期保存の書類への押印に向いていません。 せっかく押印しても、滲んだりかすんだりしてしまっては、法的効力が低くなってしまいます。そのため、正式な書類や大切な書類には朱肉を使うのが望ましいでしょう。 朱肉とスタンプ台を間違えてしまったら? 大切な書類や長期保管する書類には、スタンプ台ではなく朱肉を使って印鑑を押すのが鉄則です。しかし、ゴム印や印鑑を複数使用するような書類を作成するときは、印鑑を押すときに朱肉とスタンプ台を間違えてしまうこともあるかもしれません。 印鑑自体を間違えていなくても、朱肉とスタンプ台を間違えて押してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。ここでは間違えてしまったときの対処法を紹介します。 間違えたときは押し直す 朱肉とスタンプ台を間違えて印を押してしまったときは、印鑑を押し直しましょう。 本来なら書類を書き直すのが最適ではありますが、先方から受け取った書類や、書き直しが不可能な書類もあるでしょう。そうした書類の場合は、間違えてしまった印に二重線を引いて、近くのスペースに押し直すことで訂正できます。 押し直す際には、最初に押した印に重ならない場所に押印することが大切です。一部分でも重ならないように、押しましょう。 また、万が一押す印鑑自体を間違えてしまった場合は上記のように二重線で消してしまうと不正を疑われるおそれがあります。印鑑自体を間違えてしまった場合は、間違えて押印した印から少しだけずらして重ねて押し、空いているスペースに正しい印を押し直しましょう。 合わせて読みたい 訂正印とは?訂正印の正しい押し方を解説 印材の劣化や変色に要注意 スタンプ台と朱肉を間違えて押印してしまった場合は、印材の劣化や変色に注意しましょう。印鑑とスタンプ台、ゴム印と朱肉はそれぞれ材質の相性が悪いため、間違えて押した場合は変化がないかどうか確認しましょう。 ゴム印に朱肉を使った場合は、ゴムが朱肉の油性顔料に溶けて劣化するおそれがあります。変形してしまうと、ゴム印の印影の特徴である「読みやすさ」や「視認性」を失う可能性も高いです。溶けていないかどうかを試し押しして確認しましょう。 逆に、印章にスタンプ台を使った場合は、印材が変色するおそれがあります。スタンプ台に含まれる染料は、粒が小さく印材に染み込んでしまいます。そのため、使用したときにインクが印材に染み込み、変色してしまうおそれがあります。 朱肉とスタンプ台は似ているように感じますが、用途や使われている材料、合う材質や合わない材質、印影の耐久性が異なるため、似て非なるものです。それぞれ用途に応じて使い分けましょう。 まとめ 朱肉とスタンプ台には、成分や色合い、法的効力などの違いがあります。状況に応じて使い分けなければ、正式な書類として使用できなくなったり、印材が劣化したりとトラブルにつながりかねません。それぞれの特性を正しく理解したうえで、適切な方法で押印しましょう。 朱肉を認印と一緒に持ち歩くなら、シュイングbebeがおすすめです。小さくて持ち運びやすく、使い勝手の良いアイテムとなっています。仕事はもちろんプライベートでも使用しやすいのでぜひお試しください。 シュイングベベ 25号 – サンビーオンラインショップ ココモ

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朱肉とは?種類とスタンプ台との違い、乾燥したときの対処法

朱肉とは?種類とスタンプ台との違い、乾燥したときの対処法

公開日:2023.5.29 最終更新日:2024.11.1 銀行や役所、仕事などで書類に捺印する際に、何気なく使用している朱肉は、さまざまな種類やサイズが展開されています。スタンプ台と同じような用途で使用される朱肉ですが、それぞれに違う特徴があるのです。今回は朱肉の種類ごとの特徴をはじめ、スタンプ台との違いやメンテナンス方法についてご紹介します。 朱肉とは? 朱肉は、印鑑を捺すときに使用する赤色の印肉を指します。朱肉が入っている容器には、肉池(にくち)や印池(いんち)という呼び名がありますが、容器も含めて「朱肉」と呼ばれることが一般的です。 印鑑そのものは、古代メソポタミア文明の頃から使用されていたといわれていますが、朱肉が登場するのは中国の宋代といわれています。 朱肉が歴史上に登場する以前は、泥を使って印鑑を捺していました。朱肉が「印泥(いんでい)」と呼ばれることがあるのは、そのためです。 朱肉が朱色なのは、ただ単に目立つという理由だけではありません。神社の鳥居にも使われているように、朱色は縁起が良く、魔除けの色として古くから知られていることも関係しています。 朱肉の種類 現在販売されている朱肉は、「スポンジ朱肉」と「練り朱肉」の大きく2タイプに分けられます。それぞれに特徴があり、メリットとデメリットがあるので、用途に合ったものを選びましょう。 スポンジ朱肉 スポンジ朱肉は、一般的にビジネスシーンで多く使われているため、事務用朱肉とも呼ばれています。その名の通り、スポンジやフェルト生地に朱色のインクを染み込ませたものです。朱肉といえば、スポンジ朱肉を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 スポンジ朱肉のメリット スポンジ朱肉のメリットには、印鑑を捺したあとの乾きが早いことがあげられます。押印後すぐに印影が乾く速乾タイプも販売されており、多くの書類に押印をした後すぐにまとめたいときにもおすすめです。 また、印鑑をスポンジ朱肉に軽く押さえるだけで、印面にインクが均等に付着します。持ち運びしやすく、誰でもきれいに印鑑を捺せるため、使い勝手の良さが特徴の朱肉といえるでしょう。特別な手入れは不要なうえ、インクを補充できるタイプも多く販売されているため、同じ朱肉を長期間使い続けることも可能です。 スポンジ朱肉のデメリット スポンジ朱肉は、手入れの容易さや機能面の良さから、多くの人にとって使いやすい朱肉ですが、印影があっさりしており、鮮明さに欠けるともいわれています。 朱肉にこだわりを持つ人からすると「色に深みがない」「印影に厚みがない」と感じるかもしれません。 また、練り朱肉と比べて長期間の保存に弱く、印影が色褪せやすいこともデメリットとしてあげられます。 練り朱肉 練り朱肉は、古くからの歴史があり、植物の油や顔料などを和紙やよもぎ草のような繊維質と練って泥上にした朱肉です。印泥と呼ばれるのは練りタイプの朱肉で、本格派の朱肉としてこだわりを持って愛用する人もいます。品のある高級な容器に入れられているので、見た目で楽しめるのも特徴です。 練り朱肉のメリット 練り朱肉のメリットとしてもっとも注目されるのは、印影の美しさです。スポンジ朱肉と比較すると印影に厚みがあり、色の深みや鮮明さに関してもこの上ない美しさを誇ります。サイズが大きな印鑑を捺す際には、より印影の美しさが実感できるでしょう。 長期間の保存に対しても、色褪せることなく鮮明な印影を残すことが可能です。変色もしにくく、捺したときの状態をキープできるため、大切な書類や重要な契約時の捺印に向いています。 朱肉の色も明るめや濃いめ、青系や緑系、黄色系など、バリエーション豊富です。書や絵画などに捺す、落款印に使用するのもおすすめです。 練り朱肉のデメリット 練り朱肉は、美しい印影を残せる反面、乾くまでに時間がかかります。事務作業などで大量の書類に捺印し、すぐに書類を重ねたいときには適していません。扱いに慣れていないと、乾ききっていない状態の印影に触れてしまい、書類を台無しにしてしまうケースもあるでしょう。 また、普段のメンテナンスを怠ると、固まったり、腐ってしまったりして使用できなくなります。高級品ほど腐りやすいため、使用頻度を問わず定期的に専用のヘラで練り朱肉を混ぜ、分離しやすい成分を均等な状態にしておく必要があるのです。 乾燥や温度変化に弱い特徴もあるため、保存場所には気を使わなければなりません。さらに、据え置き用として容器が作られているため、持ち運びに向いていない点もデメリットといえます。 さらに、使い方にも少しコツが必要です。スポンジ朱肉と比較して、練り朱肉は印面に印肉を均等に付けるのが難しいといわれています。コツが掴めていないうちは、自分の指に印肉を付けて、印面に指で印肉を移してから捺すのが良いでしょう。 朱肉とスタンプ台の違い 朱肉と混同されることが多いのは、ゴム印で使用するスタンプ台です。スタンプ台でも朱肉と同じような色が販売されていることから、どちらも同じと考え、スタンプ台を使って印鑑を捺したことのある方もいるのではないでしょうか。 朱肉は印鑑用に、スタンプ台はゴム印用に作られていることから、インクの成分が異なる場合があります。 現在、事務用スタンプ台の多くは顔料系インクに変わってきていますが、クラフト用の一部のスタンプ台では、染料系インクが使用されています。 染料は光に弱く、紫外線の影響を受けて色褪せしてしまいます。 そのため、印鑑を捺すシーンでは、契約や承認など重要な書類に押印することが多く、色褪せが起きやすい染料系インクは向きません。 ただし、染料系インクは、顔料系よりも色が鮮やかで乾きが早い特徴があるため、銀行のように大量の書類にハンコを捺すのに早く乾いた方が都合の良い業種では、好まれることもあります。 それに対して朱肉は、紫外線に強く、退色しにくい特徴を持っています。 また、スタンプ台はゴム印用に作られていることから、油性インクではなく水性インクで作られているものもあります。これは、ゴムが油に弱い性質を持っていることから、ゴム面を傷めるのを防ぐためです。 水性インクのスタンプ台を印鑑で使用した場合は、水が触れると滲み、印影を保てません。大切な書類を長期保存するには、やはり印鑑には朱肉を使用するのが望ましいといえるでしょう。 合わせて読みたい 朱肉とスタンプ台の違いは?法的効力と間違えたときの対処法 朱肉が乾燥してしまったときのメンテナンス方法 朱肉は、種類を問わずメンテナンスをしなければ長く使い続けることができません。ここでは、朱肉の種類別にメンテナンス方法を紹介します。 スポンジ朱肉の場合 スポンジ朱肉は、乾燥して固まってしまうことはありません。ただし、表面が乾いてきたときやインクが少なくなってきたときには、印影が薄くなったり、かすれてしまったりします。 このような場合には、補充インクを足すことで繰り返し朱肉を使い続けることが可能です。スポンジ朱肉用に販売されている補充インクを用意し、キャップをしたまま上下に複数回しっかりと振ります。補充前に振るのは、インクの成分を均一にし、色ムラが出ないようにするためです。 インクが混ざったらキャップを外して、朱肉のスポンジにインクを染み込ませていきます。このとき、ゆっくりと円を描くようにしてスポンジ全体にインクを浸透させましょう。 インクを補充したら、馴染ませるために30分ほど時間を置きます。最後は、朱肉の表面に出ている余分なインクをティッシュで拭き取ればメンテナンス完了です。 表面が乾燥しているからといって、水を足すのは厳禁です。朱肉のインクには油分が含まれており、水を足すと分離して使えなくなってしまいます。必ず、専用の補充インクを用意しましょう。 練り朱肉の場合 練り朱肉は、メンテナンスの頻度が高い朱肉です。メンテナンスを怠ると、朱肉が乾燥して固まってしまったり、カビが生えて腐ったりすることがあります。 表面だけが乾いている場合は、「朱の油」と呼ばれる朱液を足して、専用のヘラで均一に混ぜ合わせてください。 練り朱肉は固すぎる、または柔らかすぎるのどちらでもうまく押印できなくなるので、朱の油を使う際は、少しずつ調整しながら足していきましょう。 長年、メンテナンスを行っておらず全体が乾いて固まっている場合は、容器ごと温めます。電子レンジを使用する方法や湯煎する方法がありますが、どちらの方法でも少しずつ様子を見ながら温めるのがポイントです。 温めて少し朱肉が柔らかくなってきたら、専用のヘラを使って全体を練りほぐしていきます。固くて混ぜにくいときは、ヘラ自体を温めてから混ぜるのもおすすめです。 練りほぐす際は、固い部分と柔らかい部分の差が出ないように、均一に丁寧に練りほぐしましょう。 合わせて読みたい 朱肉の補充方法は?補充するときのコツとメンテナンス方法を解説 まとめ 今回は朱肉の種類やメンテナンス方法について紹介しました。スポンジ朱肉、練り朱肉それぞれの特徴を踏まえて、ご自身の用途に合った朱肉を選んでみてください。 中でも、手軽で機能的な朱肉をお求めの方には、シュイングベベがおすすめです。超分散タイプの油性顔料系を採用しており、印鑑を捺した瞬間に乾きます。スポンジ朱肉であるものの、新開発した2層パッドを使用しているため、印影がくっきりと鮮明に残るのが特徴です。 また、耐水・耐光・耐薬品性に優れ、長期保存が必要な重要な書類にも安心して使用できます。さらに、携帯性に優れたケースなので、バッグの中に入れておけばさまざまなシーンで活用可能です。

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