朱肉の補充方法は?補充するときのコツとメンテナンス方法を解説

朱肉の補充方法は?補充するときのコツとメンテナンス方法を解説

公開日:2023.9.28 最終更新日:2024.10.31

押印した際に印影の写りが悪い場合は、朱肉に原因があるかもしれません。朱肉の種類によって、インクを補充すればきれいに押印できるようになるものや、正しい方法でメンテナンスを行えばきれいに押印できるようになるものがあります。

今回は、朱肉の補充方法やメンテナンス方法をはじめ、注意点と朱肉が服についた場合の洗い方についてもご紹介します。

まずは補充できる朱肉かどうかをチェック

スポンジ朱肉 練朱肉
特徴 ・フェルトやスポンジにインクを染み込ませた朱肉
・乾きやすい
・印影にムラができにくい
・誰が使用しても押印時に失敗しにくい
・油と顔料を植物繊維に染み込ませて練り泥上にした朱肉
・印影が鮮明に映る
・印影が長期間薄れにくい
・朱肉の色が鮮やか
補充 〇 補充できる X 補充できない

朱肉の補充方法を知る前に、まずは使用している朱肉が補充できる種類であるかを確認しておきましょう。朱肉は、大きく分けて2種類存在します。

スポンジ朱肉

スポンジ朱肉は、スポンジにインクを染み込ませた朱肉です。事務用朱肉とも呼ばれ、会社内で事務処理に使用されることも多く、現在ではよく見られるオーソドックスな朱肉となっています。

朱肉に対して軽く印面を押さえるだけで全体に朱肉が付着し、押印に不慣れな方でも、きれいな印影を写すことが可能です。定期的にインクを補充すれば、特別なメンテナンスを行わなくても長く使えます。

練朱肉

古くから歴史のある練朱肉は、油と顔料を植物繊維に染み込ませた朱肉の塊を練って作られています。泥状に練られていることから、印泥と呼ばれることもあるのです。

練朱肉は、押印すると紙面に朱肉が盛られた状態になるため乾くまでに時間はかかるものの、スポンジ朱肉と比べて印影がはっきりと鮮明に写ります。

長期間保存しても印影が薄れにくい特徴があるため、公文書のような重要書類に使用されることが多いです。

練朱肉の場合は、インクを補充して使うことができません。しかし、適切にメンテナンスを行えば、長く使用できます。

スポンジ朱肉の補充方法

スポンジ朱肉の補充方法についてご紹介します。誰でも簡単にできるので、ぜひ以下の手順で補充してみてください。

まずは、朱肉を補充する前に必要な道具を準備しておきましょう。

    • 補充用のインク
    • スポンジ朱肉
    • 新聞紙
    • ティッシュペーパー

基本的には、上記の4つが揃っていれば問題なく補充できます。

次に補充用インクのキャップをつけた状態で、しっかりと上下に振って中身の成分を均一にします。

均一になったら補充用インクのキャップを外して、ノズルをスポンジ朱肉に押し当てましょう。このとき、ゆっくりと朱肉全体に円を描くように、少しずつインクを染み込ませていきます。これらの作業を5回ほど繰り返し行ってください。

インクを染み込ませたら、30分ほどスポンジ朱肉を放置して、完全にインクが浸透するまで待ちます。スポンジ朱肉の表面を軽くティッシュで押さえて余分なインクを拭き取れば補充完了です。

スポンジ朱肉の補充のコツ

スポンジ朱肉を補充する際は、どんなインクを補充しても良いわけではありません。必ず使用している朱肉のメーカーを確認し、記載されているメーカーのインクを購入するようにしてください。

メーカーは、朱肉の蓋や底面に記載されていることが多いです。メーカーが記載されていない場合は、購入した店舗に問い合わせて専用のインクを購入しましょう。

最近では、100円ショップでも補充用インクが販売されています。しかし、メーカーが専用に作っている朱肉用インクとは成分が異なるため、おすすめできません。

朱肉用のインクは、商品やメーカーの互換性がなく、異なる成分が混ざることで固まって使えなくなるものもあります。スポンジ朱肉自体の寿命が短くなる可能性があるため、インク選びには注意しましょう。

また、朱肉用インクスタンプ用の朱色インクまったくの別物です。朱肉だけでなく、印鑑を劣化させてしまうことあるので間違わないように注意してください。

練朱肉のメンテナンス方法

練朱肉は、定期的なメンテナンスを行うことで長く使い続けられます。メンテナンスを怠ると、時間経過とともに全体が固まるほか、カビが生えたり油分不足でツヤがなくなったりします。

このような状態になると、その練朱肉は使えなくなります。一部だけ固い部分があるときや、全体が固くなってきているときは、以下の方法でメンテナンスしてみてください。

練朱肉の一部に固い部分があるとき

練朱肉の一部だけ固い場合は、ヘラで固い部分をほぐして、柔らかい部分と混ぜ合わせるように練ります。

全体が馴染んで固い部分がなくなれば、印面に上手く朱肉がつくようになり、きれいに押印できるようになります。

練朱肉の全体が固いとき

しばらくメンテナンスしていなかった練朱肉は、全体的に固くなっていることがあります。固い範囲が多い場合は、そのままヘラで練るのが難しいため、朱肉の容器ごと温めて柔らかくしましょう。

温める際は、ビニール袋に練朱肉を入れお湯に浸けるか、電子レンジに数秒かけます。どちらの方法も、少しずつ中身を確認しながら火傷に注意して温めてください。

柔らかくなったらヘラで練りながら混ぜ合わせます。容器ごと温められない場合は、金属製のヘラを温めて少しずつほぐしていきましょう。

練朱肉が柔らかくなり練り混ぜたら、最後は形を整えます。山の形に整え、裾に印面を押し当てながら使うと、まんべんなく朱肉が乗り美しい印影を写せます。

衣服にインクがついてしまったときの洗い方

朱肉のインクを補充するときやメンテナンスを行う際に、インクが服についてしまうこともあるでしょう。このとき、慌ててこすってしまうと余計に汚れが広がる恐れがあります。インクは、家庭にある中性洗剤などでも洗えるので、以下を参考に試してみてください。

中性洗剤を使用する

中性洗剤とは、台所用洗剤や洗濯洗剤のことで、一般家庭でもっともよく使われている洗剤です。わざわざ買いに行かなくても家庭にあることが多いので、インクで服が汚れた際には、まず中性洗剤を使用してみてください。

    1. タオルを汚れた服の下に敷いて、中性洗剤を染み込ませる
    2. 別のタオルで汚れた部分を上から叩いて、下に敷いているタオルに汚れを移す
    3. ぬるま湯を使って洗い流す
    4. 洗った部分を乾かす

 

汚れた部分を無理にこすると汚れが広がるので、上からトントンと叩いて汚れを落とすようにしましょう。また、あくまでもこの方法は応急処置と考え、汚れが完全に落ちない場合は、クリーニング店に依頼するのがおすすめです。

アルコールジェルを使用する

シャツや夏物のワンピースなど、薄手の服にインクがついてしまった場合は、手指の消毒に使用するアルコールジェルを使用する方法を試してみてください。

    1. 汚れた服の下にタオルを敷く
    2. アルコールジェルをインクで汚れている場所に染み込ませる
    3. 歯ブラシで上から押すように叩きながら汚れをタオルに移す
    4. 水ですすぐ
    5. 洗濯機で洗う

歯ブラシで叩き洗いする際には、アルコールジェルをたっぷり乗せ、下に敷いているタオルまで染み込んでいくようにしっかりと馴染ませましょう。同じ場所で繰り返し叩き洗いすると、下のタオルに移った汚れが再び付着してしまいます。

下に敷いているタオルは、適度に動かしながら新しい面に汚れを移すようにするのがポイントです。

クレンジングオイルとスクラブ洗顔料を使用する

厚手の服にインクが付着した場合には、クレンジングオイルとスクラブ洗顔料を使用する方法を試してみましょう。

    1. クレンジングオイルを汚れた服の裏側から塗る
    2. 歯ブラシで押すように叩きながら洗う
    3. 水ですすぐ
    4. 服の表側にスクラブ洗顔料を刷り込む
    5. 水ですすいだあと洗濯機で洗う

スクラブ洗顔料をたっぷり使用し、服の繊維の奥まで届かせるようなイメージでしっかりと刷り込むのがポイントです。

除光液を使用する

マニキュアを落とす除光液でも、インクが洗えます。しかし、色落ちさせてしまう恐れがあるため濃い色の服への使用は控えてください。

    1. 歯ブラシに除光液をつけ汚れた服をたたき洗いする
    2. 台所洗剤を汚れに直接垂らしてもみ洗いする
    3. 水ですすぐ
    4. 洗濯機で洗う

除光液で朱肉を洗う際は、一度目立たない部分に除光液をつけて色落ち具合を確認してから使用するのがおすすめです。また、必ず換気を行いながら洗いましょう。

まとめ

朱肉には、インクが補充できる種類とできない種類があります。インクの補充は、必ずメーカーや種類を確認してから行いましょう。
長年使用している朱肉であれば、これを機に買い替えるのもおすすめです。鮮やかな朱色で保存性が高く、使いやすい朱肉をお探しなら、印章用品の取り扱いをしているサンビーまでお問い合わせください。