はんこ

文具雑貨はんこコラム

フィルター

すべてクリア

社印とは?角印や丸印との違いや使い方を紹介!

社印とは?角印や丸印との違いや使い方を紹介!

公開日:2023.5.12 最終更新日:2024.11.1 法人として扱う書類には、さまざまな印鑑が押されています。このうち、社印とはどのような印鑑を指しているのかをしっかりと理解しておく必要があります。また、社印以外の印鑑の種類や使い方なども覚えておかなくてはなりません。 今回は、法人が扱う社印について、角印や丸印との違いや使い方を紹介します。 社印とは会社名を彫った四角い印鑑のこと 社印とは、会社名を彫った四角い印鑑を指します。サイズが大きく、使用シーンも多いことから、実印と思われている方もいますが、会社の認印です。会社の実印(丸印)は代表者印とも呼ばれており、詳しくは後述します。 社印の主な使用シーンは、社内文書・見積書・請求書・領収書などです。業務で日常的に使われていることが分かります。 社印と似た言葉に「社判」があります。社判とは、会社で使う印鑑の総称です。社印・代表印・銀行印・ゴム印など、会社で使用されるすべての印鑑は社判に該当します。ただし、会社によっては特定の印鑑のことを社判と呼ぶケースもあります。 会社で使う主な印鑑の種類 会社で使う主な印鑑には、角印と丸印があります。ここでは、それぞれの印鑑の特徴を詳しく説明します。 角印 角印とは、文字通り四角い印鑑を指しており、社印と角印は同じ意味で使われます。法人が使用する角印(角判)には、一般的に会社名や屋号などが彫られているため、社印とも呼ばれているのです。 丸印 丸印とは、字のごとく丸い形をした印鑑を指します。印鑑は、以下のように2本セットもしくは3本セットで多く販売されています。 ・2本セット…実印+社印・3本セット…実印+銀行印(割印または住所印)+社印 丸印は、社印よりも法的効力が強い書類で使われます。主に使われる丸印は3種類あり、それぞれ以下のような特徴があります。 会社実印(代表者印) 社印の概要で少し触れたように、会社の実印は代表者印とも呼ばれています。設立登記の段階で、代表者が法務局に印鑑登録した印鑑を指しており、企業名と合わせて役職名が彫られていることが一般的です。 実印の大きさは「1辺の長さが1cm超かつ3cm以内の正方形に収まるもの」と定められています。設立登記以外にも、株券の発行・不動産取引・代表取締役変更など、会社における重要手続きに必要な印鑑です。 銀行印 銀行印は、銀行や信用金庫などの金融機関に届け出をしている印鑑です。法人銀行口座の新規開設や窓口での預金引き出し、手形や小切手の発行など、お金に関わる重要な手続きにおいて使用されます。代表者印は大きさが決まっていますが、銀行印のサイズに規定はありません。 会社実印と銀行印は分けて用意する必要があります。どちらも同じ丸印で、共通して利用できるものではありますが、紛失した際のリスクはとても大きなものです。会社として重要な手続きができなくなり、ビジネス上で大きな問題が生じてしまいます。 会社実印と銀行印は、必ず別々の印鑑を用意し、保管場所も分けることが大切です。 会社認印 3種類の丸印のうち、最も使用頻度が高い印鑑です。印面に会社名だけが彫られており、登録は不要です。 実印の使用場面を限定するため、実印を使わない重要書類への捺印や、社内決裁における役職印などで使われています。 社印の押し方 社印は会社の顔ともいえるため、丁寧かつきれいに押さなくてはなりません。加えて、書類の改ざんを防ぐためにも、正しい押し方を覚えておきましょう。 社印は、会社名・代表者の署名欄・住所などの一部に重ねるようにして押印します。そうすることで、書類の複製が難しくなり、偽造などの悪用を防ぐことができます。 署名欄付近にスペースがなければ、会社名もしくは代表者名の中央付近に押印します。押印場所に迷う場合は、過去に押印した社内書類や取引先の書類などを参考にすることをおすすめします。 押印するときは、捺印マットを使うときれいに捺印できます。朱肉を印鑑につけ過ぎないよう注意し、押すときは「の」の字を書くよう意識して適度な力加減を心がけましょう。 練朱肉・スポンジ朱肉のいずれを使う際も押し方は同様です。 社印を作成する際に意識する点 社印を作成する際は、サイズ・書体・素材の3つを意識する必要があります。それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。 ポイント 1.サイズ 社印のサイズに、特に規定はありません。一般的に使われているサイズは、21mmから24mm程度の正方形です。 角印のサイズは、15・18・21・24㎜の4種類です。大きいサイズはどっしりとした印象を与えますが、社名が短いと余白が多くなってしまいます。反対に、長い社名で小さな角印を作ると、字が読みにくくなってしまうでしょう。 上記の点から、社名の長さとバランスの取れるサイズを選ぶのがおすすめです。験担ぎとして、あえて大きいサイズの角印を選ぶ経営者もいるようです。 ポイント 2.書体 社印の複製を防ぐため、使われる書体は偽造や複製がしにくい書体を選ぶことが大切です。社員に使われる主な書体は、以下の3つです。 篆書体(てんしょたい) 篆書体は可読性が低く、防犯性が高い書体であり、社印に最も多く使われています。日本最古の印鑑とされる漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)の金印や日本の紙幣にも使われており、中国から伝わった書体です。 篆書体で作られた印鑑は、印鑑の枠に文字が多く接触しており、衝撃が加わったり落としたりしたときでも、印鑑の枠が欠けにくい特徴があります。 吉相体(きっそうたい) 吉相体は「印相体」とも呼ばれています。篆書体よりさらに可読性が低く、独特な書体です。社印に使われることは多いものの、文字の特徴から実印登録をしようとすると許可されない場合もあります。 風水や易学でも用いられており、文字が八方に伸びていることから縁起を担いで選ばれるケースも多いです。篆書体同様、印鑑の枠に文字が接しています。 古印体(こいんたい) 古印体は、3つの中で最も可読性が高い書体です。アルファベットの社名でもなじみやすく、優しい印象を与えます。実印や銀行印の書体として使えるほか、認印としても使えることで、汎用性が高い書体です。押印したときに、陰影がきれいに出やすい点が大きなメリットです。 どの書体であっても、名前の最後に「之印」もしくは「印」と入れるのが一般的です。これはおくり字と呼ばれるもので、文字のバランスを取るために入れます。 上記の書体以外にも、近年ではデザイン性が高い書体も増えています。 ポイント 3.素材 社印は長く使うものであるため、素材も重視したいところです。主に以下の3つが使われていることが多いです。 チタン チタンは金属のひとつであり、耐久性が高く、傷がつきにくい特徴があります。ほかの金属類に比べ、朱肉がきれいに付く点が大きなメリットです。 水洗いができ、手入れも簡単なことから、長く使う社印の素材に適しています。ブラストチタン・ゴールドチタン・ブラックチタン・ジュエリーチタンなど、さまざまな種類があります。 黒水牛(くろすいぎゅう) 黒水牛は耐久性が高く、見た目も高級感があるため、社印の素材としてよく使われています。 ただし、直射日光や乾燥に弱い点がデメリットです。黒水牛を選ぶのであれば、保管する場所や方法に十分注意が必要です。 柘植(つげ) 柘植は、アカネ(海外産)と本柘植(国内・薩摩産)との2種類があり、チタンよりも価格を抑えられます。木製のため、縁欠けや摩耗などの経年劣化はあるものの、朱肉がきれいに浸透しやすく、味が出て縁起が良いといわれることも多い素材です。 合わせて読みたい 印材の種類 まとめ 社印は実印とは異なるものの、書類に押印する機会がとても多い印鑑です。これから社印を作ろうと検討している方は、今回紹介した内容を参考に、会社に合った社印を選んでみてください。

もっと読む

会社設立で必要になる印鑑|種類や選び方・購入方法は?

会社設立で必要になる印鑑|種類や選び方・購入方法は?

公開日:2023.5.15 最終更新日:2024.11.1 会社を設立するときには、印鑑が必要です。しかし、会社で使用する印鑑には会社実印や銀行印など複数あり、どの印鑑を用意すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。 今回は会社設立の際に必要になる印鑑の種類や選び方、購入方法について紹介します。 会社設立で必要になる印鑑の種類 会社で使われる印鑑にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは会社設立の際に必要な印鑑の種類を紹介します。 会社実印(代表者印) 会社実印は、会社の印鑑証明用の印鑑です。契約や不動産取引、株式取引など会社にとって重要な場面で使用されることが多く、普段はあまり使用されません。 起業する際には、印鑑届書を法務局に提出し、登録するのが一般的です。以前は必須でしたが、最近では法改正により任意になりました。 すでに印鑑登録をしている企業の場合は、慣習からか、社名変更時に印鑑を登記することも多くあります。印鑑証明は契約や申し込みなどのときに求められることもあるため、持っておくと運営がスムーズにいくこともあります。 印影は、1辺の長さが1cm以上、3cm以内と決められているため、規定に則ったサイズのものを作成する必要があります。 銀行印 銀行印は銀行口座を開設するときに必要な印鑑です。会社実印と銀行印を併用することもできますが、紛失や悪用のリスクを考えれば、専用の印鑑を作った方が良いでしょう。 銀行印はお金の出し入れに必要な印鑑なので、紛失や悪用のリスクがないように選びましょう。 角印 角印は、請求書や発注書などに捺印する四角形の印鑑で「社印」とも呼ばれます。会社を登記する際に作成する方が多くいます。 最近では、請求書がデータ化されていることもあり、角印そのものを作成せずに、印影のデータだけを作成して、印鑑を電子化している方もいます。 請求書には角印を押さなければならないという決まりはありません。実際に、角印の代わりに会社実印を押す方もいます。 しかし、請求書は基本的に毎月各取引先に対して発行するもので、使用頻度が高いため、他人の目によく触れる印鑑に会社実印を使うべきではないという考えもあります。 ゴム印(住所判) ゴム印(住所判)は事務作業の効率化のために使用される印鑑で、会社名、代表者名、住所、電話番号などが記載されているものです。 すべての項目がひとつになっているパターンもありますが、それぞれの項目に分けて作成し、使用場面に応じて組み合わせを変えて使用するパターンもあります。 ゴム印(住所判)は「小切手判」ともいわれ、小切手に押すために必須でした。最近では、飲食店などで、領収書に押すために使われることが多いです。 ゴム印(住所判)は会社設立に必須ではありませんが、必要な項目を自身で書く手間を考えると、何枚も書類を作成する場合には効率的といえます。 【会社設立用】印鑑の選び方 会社設立で使う印鑑はどのように選べば良いのでしょうか。サイズや書体、素材など選ぶ要素はたくさんあります。ここでは、会社設立で使う印鑑の選び方を紹介します。 サイズ 会社実印は、直径18mmや21mmの丸印が多い傾向にあります。銀行印はそれよりも一回り小さく作ることが多いです。 それぞれの印鑑の大きさとしては、角印が一番大きく、次に会社実印、その次に銀行印の順で作成するのが一般的です。 見分けがつきやすいようにバランスが良い大きさで作成しましょう。 書体 印鑑の書体には、篆書体(てんしょたい)、吉相体(きっそうたい)、古印体(こいんたい)などがあります。よく使われるのは、篆書体(てんしょたい)と吉相体(きっそうたい)です。 篆書体は、日本銀行券(日本のお札)にも使われている書体で、判読しにくく、偽装もされにくいといわれています。 吉相体は、枠と文字が接している部分が多い書体なので、印影が欠けにくいです。可読性も低く、会社実印にも銀行印にも向いています。 古印体は読みやすい書体なので、日常的に使用する印鑑に使われることが多々あります。重要な書類に押すことが多い会社実印や銀行印などにはあまり使われません。 他社と重複したり、複製されたりするのを防ぐためにも、会社実印や銀行印には基本的に可読性の低い書体が用いられます。可読性が高い書体を使用すると、悪用されるおそれもあるので、注意しましょう。 会社実印の印影は一般的に二重の円になっていて、外丸に会社名、内丸に役職名が入ります。より複雑な印影にするためには、外丸を篆書体にして内丸を古印体にするなど、外丸と内丸で書体を変えるのもおすすめです。 素材 印鑑の素材もさまざまなものがあります。色や素材は好みで選んでも問題ありませんが、なるべく耐久性の高いものがおすすめです。一般的には、柘(つげ)や黒水牛、チタンなどが選ばれています。 柘(つげ) 柘は耐久性は低めですが、価格がリーズナブルなので人気です。印鑑にこだわりがない人は柘を選ぶ人も多いので、とにかく開業資金をできるだけ抑えたいという人は柘を選ぶと良いでしょう。 黒水牛 黒水牛は柘よりも耐久性が高く、高級素材ではありますが比較的安価です。ショップによっては、純天然黒水牛を扱っており、この世に二つとない特別な印鑑を作ることも可能です。 チタン チタンは、比較的新しい素材です。値段は高いものの、メンテナンスなしで長期間使用できます。使用回数による摩耗もなく、金属で重厚感もあるので、しっかりとした印鑑が作りたい人はチタンを選ぶと良いでしょう。 象牙 象牙も印鑑の素材として人気がありますが、生物保護の背景から使用を避ける動きもあり、希少価値がかなり高まっています。近年では、象牙に代わる素材として、マンモスの化石を扱っている会社も増加しています。 彩樺(さいか) 彩樺(さいか)は「アグニ」とも呼ばれ、柘と同じくリーズナブルな素材です。軽くて扱いやすいのが特徴です。また、素材に個性を出したい人は彩樺を選ぶケースがあります。木目が美しい素材なので、見た目重視の人にもおすすめです。 オランダ水牛 オランダ水牛も昔からの印材として有名で人気があります。茶色い柄が多いものと無地に近い白色の2つのランクが存在しており、茶色が少ないほど高級な素材です。模様がひとつひとつ違うので、好みの模様のものを選ぶと良いでしょう。 合わせて読みたい 印材の種類 会社設立に必要な印鑑を購入するなら 会社設立のときに必要な印鑑はどのように手に入れれば良いのでしょうか。購入する方法としては、インターネット通販と店頭での注文が考えられます。どちらもオーダーメイドになるため、印鑑ができるまでに時間を要するので注意しましょう。 インターネットでの購入は便利ですが、会社に関連する印鑑は長く使うものなので、実際に目で見たり、サンプルを触ったりして確かめた方がより安心です。予算や書体などの相談もできるため、店頭での注文が良いでしょう。 一つひとつ違うものをオーダーすることもできますが、法人用の印鑑をセット売りしているところもあります。使用頻度にかかわらず使用するものなので、一式セットで購入しておくこともおすすめです。 まとめ 会社設立のときに作成する印鑑にはさまざまな種類があります。用途によって印鑑も違うため、会社実印、銀行印、角印、ゴム印などの印鑑を用意しておくと良いでしょう。 印鑑の素材や書体にこだわるのもおすすめです。書体はもちろん、素材にも個性を出すことができるので、好きなものを選びましょう。 会社設立に必要な印鑑は一式セットで購入するのがおすすめです。長く使うものなので自分の目で確かめて選びましょう。

もっと読む

あなただけの印鑑を!印鑑の製造方法

あなただけの印鑑を!印鑑の製造方法

公開日:2023.1.20 最終更新日:2024.11.2 人生の大切な場面で使うことが多い印鑑ですが、どのように作られているかご存知でしょうか?全て職人が一本ずつ手彫りしていると思われている方も多いのではないでしょうか? どのような作り方、優れた点があるのかご説明させていただきます。 基本的な印鑑製作の流れ 文字や字形の選定 これから作製する印鑑のベースを決める大切な作業となります。この段階で捺印した印影のイメージが決まります。 注文する人が直接意見を伝えることができる工程でもあるので、こだわりの書体や配列など納得がいくまで検討されることをおすすめします。 ちなみに文字配列や彫刻する位置などに意味をもたせた「開運印鑑」というものがあります。これは近年一部の印鑑業者が販売方法のひとつとして編み出したものと言われています。ご興味のある方は別途ご検索されては如何でしょうか? 合わせて読みたい 判子の字体(書体)は種類ごとに異なる!字体の特徴と選び方を紹介 印材の準備 文字を彫刻する印材の表面を目の細かいヤスリで平らに揃えます。一部に凹みがあると完成した印鑑の文字にも影響が出るので細心の注意を払いながら研磨します。 その後 彫刻面に文字を書き入れるため着色します。一般的に朱を入れることが多いです。 合わせて読みたい 印材の種類 印鑑文字(印面)の書き入れ 事前に作製した彫刻文字を印材に書き入れていきます。このとき、文字は左右逆転したものでなければなりません。また、単純に文字を配置しただけではつまらない仕上がりとなります。文字の流れを活かして個々の文字が引き立つようなバランスを調整していくことも職人の技と言えます。 粗彫り いよいよ印材を彫刻する作業となります。まずは書き入れた文字の周囲を荒く彫っていきます。彫刻する印材素材の種類によって性質が異なるため慎重な確認をしながらの作業となります。 文字は細い線が垂直に立つように彫刻するのではなく、文字表面から土手のように緩やかな傾斜を付けて彫刻していきます。これは押印時にかかる力になえるため文字の土台部を太く丈夫にするためです。 仕上げ彫り 粗彫りが完了した段階でも印鑑として使えそうなのですが、よりキレイにするため仕上げ彫りを行います。粗彫り時に発生した彫刻跡・バリなどを取り除き、文字線の幅を均一に整えていきます。 捺印確認 彫り上がった印鑑の出来を確認する作業となります。これまでの工程を完璧に熟したことで得られる結果となります。 印鑑の製作方法 上記が印鑑作製に関する全体の流れになります。これからは、現在主流となっている印鑑の製作方法とその違いを見ていきたいと思います。 完全手彫り すべての工程を「職人の手彫り」にて行う印鑑彫刻となります。歯医者さんで使われる手持ちの電動工具(リューター)を使うだけで完全手彫りではなくなってしまいます。写真の左上にあるような色々な刃先形状の「印刀」だけを使用して彫刻を行っていきます。  出来上がった印鑑の品質は技能者の腕と、どの程度丁寧に仕事をするかにかかっています。印鑑材料にもよりますが、一人一日で彫れる実印は3・4本と言われており、印材の中でも硬質な象牙などは更に時間がかかるため仕上げる本数は少なくなります。 自動彫刻機 パソコンで編集・作製した印面内容を自動で彫刻するのが彫刻機です。 専用のプログラムでパソコンにインストールされた印鑑用文字フォントをモニター画面上で配置して、文字の大きさを調整し、必要に応じて細部を加筆修正して印面内容を作製していきます。画面上でデザインが決まると、彫刻機にセットした印材を細い高速回転カッターにて正確に自動で彫刻していきます。 彫り上がった印鑑は、職人の手により印刀(印鑑彫刻用の彫刻刀)で細かな部分を仕上げます。 現在販売されている印鑑の多くはこのタイプで製造されています。また複数のメーカーから多くのロボット彫刻機が作られています。彫刻機で作製すると、非常に似た印影の印鑑ができやすくなります。そのため彫刻機による製作の場合は、文字や字形の選定時に自分なりのオリジナル性を盛り込む必要があります。 光電式彫刻 自動彫刻機と異なる光電式の彫刻機という方法があります。トレーシングペーパーなどに描かれた印鑑原画(版下デザイン)を顕微鏡カメラで白黒を一点ずつ読み取っていきます。(写真の右側部分)その情報を元にして印材を彫刻していきます。(写真の左側部分) 光学式彫刻機の仕組みは簡単に言うと、セットされた印材の上で高速回転するカッターが、「原画の白い部分」では「下がって削る」、「黒い部分」では「上がって文字を残す」を繰り返していきます。原画と印鑑は同期して回りながら印鑑の全ての場所を自動的に彫刻します。機械による彫刻が終了後、職人の手によって仕上げ彫りして完成となります 光学式彫刻機では印鑑原画を手書きする必要があり、機械での彫刻仕上がりに多少のブレが生じることから、自動彫刻機と比較すると多くの手仕上げが必要な為、類似デザインの印鑑ができにくいという特徴もあります。 射出成形 100円ショップやホームセンターなどで売られている、いわゆる「三文判」と言われる大量生産された安価な印鑑になります。 一般的な工業品と同じように、専用の成形金型を用いて溶けた樹脂を流し込む射出成形によって全く同じ印鑑を大量に製造します。 取り急ぎでも簡単・安価で入手できる一方、第三者が同じ印影の印鑑を簡単に手にすることができるので偽造などのトラブルを生じるリスクがあります。また安価な樹脂材料を使用していることが多いため、印面部の破損などのトラブルも生じやすいです。 回覧・確認などに押印する用途としてなら安心して使えますが、トラブルリスクを考慮すると大切な書類に押印する場合は射出成形品を避けるべきでしょう。 まとめ 如何でしたでしょうか? どんなに機械化が進んでも熟練の職人による技には適うことができないものがあるかと思います。しかし一方で彫刻機械で製造された印鑑にも良い面があることもご理解いただけたと思います。 大切な印鑑です。新たに作製するときには製造方法も理解した上で、ご自身に合った方法・お店を選んでくださることをお願い致します。

もっと読む

印鑑証明とは?印鑑証明の取り方について解説します

印鑑証明とは?印鑑証明の取り方について解説します

公開日:2022.10.25 最終更新日:2024.11.2 みなさんは印鑑証明について詳しく知っていますか? 印鑑証明について知っておくと、いざという時に混乱することがありません。印鑑証明は様々な場面で必要になるため、事前に発行方法や使い道などについて知ることが大切です。 それでは、印鑑証明とは何かご説明しましょう。 印鑑証明とは 印鑑証明とは、いわゆる印鑑証明書のことです。 この印鑑証明書を発行してもらうことで、印鑑が市区町村の役場で登録された公的なものだと証明できるため、様々な場面で必要になります。とはいえ、日常生活ではそれほど頻繁に必要とされる書類ではないので、知らない人が多いのも無理はありません。 ただし、印鑑証明書は実質的に実印であることを証明するためのものでもあるため、実印が必要になった時のために用意しておくのも良いでしょう。 印鑑証明書は何に必要? 印鑑証明書が必要になるのは、以下の通りです。 会社設立をする時 賃貸物件の契約をする時 土地や建物などの不動産を購入・売却する時 自動車の購入・売却・譲渡・廃車手続きをする時 自動車保険や生命保険に加入する時 保険金を受け取る時 遺産相続の手続きをする時 ローンの契約をする時 以上のような重要な契約や手続きを行う場合、役所に登録している実印でなければ効力が発揮されません。実印が用意できたとしても、それが契約者本人のものであることを証明しなければならないため、印鑑証明書が必ず必要になります。 実印や印鑑証明書が必要なのは、契約者ではない誰かが代理人を名乗って適当な認印を使い、勝手に契約する事態を防ぐためです。公正で安心できる取引や契約、手続きを行うためには、印鑑証明書が必要になるのです。 印鑑証明に有効期限はあるの? 気になるのは印鑑証明書を取得した時に有効期限があるのかどうかです。 しかし、印鑑証明書自体に有効期限は存在しません。一度取得すれば永久に効果が発揮されるので、余裕がある時に取得するだけでも全く無駄になりません。 ただし、登録している実印に変更がある場合や、一部の契約を行う際に有効期限が問われるケースがあります。 実印に変更がある場合、住所が変わるなどの理由で以前の実印が使えなくなるケースがあるでしょう。その場合は、新しい住所でもう一度実印の登録を行うことで効力が発揮されるようになります。 また、一部の契約というのは、不動産登記の申請や遺産分割協議書などに添付する印鑑証明書です。 これらの契約や手続きを行う時は、基本的に3ヶ月以内に発行されたものでないと認められません。 これは、添付する印鑑証明書の取得時期が法令で定められていたり、独自の提出先になっていたりするからです。古い印鑑証明書でもいいのではないかと思うかもしれませんが、提出先にとっては本当に契約者本人のものであるか不安に思います。 だからこそ、確実に契約者本人の実印であることを証明するために取得時期が決められているのです。 印鑑証明書を発行する時の手順 印鑑証明書を発行する方法は、役所や証明サービスコーナーなどの窓口で発行する方法と、コンビニのマルチコピー機で発行する方法の2種類があります。 役所や証明サービスコーナーなどの窓口で発行する方法は、以下の通りです。 窓口周辺にある印鑑登録証明書交付請求書に必要事項を記入する 窓口に提出する 以上の手順で印鑑証明書を発行することができます。 また、発行に必要なものは、以下の通りです。 印鑑登録証、またはマイナンバーカード 本人確認書類 手数料 コンビニのマルチコピー機で発行する方法は、以下の通りです。 マルチコピー機にマイナンバーカードをかざす 画面の案内に従って操作する また、発行に必要なものは、以下の通りです。 マイナンバーカード 手数料 マルチコピー機を使用する場合、申請書を記入する必要性がなくなりますし、本人確認書類も必要ありません。何よりコンビニ交付に対応していれば、毎日午前6時30分~午後11時の間に発行できるのがポイントです。 ただし、マイナンバーカードでなければ発行できないため、まだ発行していない人は事前に発行しておきましょう。 代理人でも印鑑証明書を発行することはできる? 結論から言えば、代理人でも印鑑証明書を発行することができます。 印鑑登録証を用意し、印鑑登録証明書交付請求書に本人の住所や氏名等を正しく記入している状態で役所の窓口で申請することで、印鑑証明書を発行してもらうことが可能です。 代理人が代わりに申請する場合は基本的に委任状が必要ですが、印鑑証明書の場合は委任状が必要ないのもポイントです。 なお、発行に必要なものは、以下の通りです。 契約者本人の印鑑登録証 代理人の本人確認書類 手数料 なお、代理人が契約者本人の代わりに印鑑証明書を発行する場合、コンビニで発行することはできません。コンビニで発行する際に必要になるマイナンバーカードは契約者本人しか使えないため、代理人が発行することは不可能です。 引っ越ししたらどんな手続きが必要になるの? 印鑑証明書や登録された実印は住所が変わらない限り永久に効果を発揮し続けますが、引っ越しで新しい住所に変わる場合、印鑑登録証の抹消手続きと同時に新しい住所で登録をする必要性があります。 役所や役場によっては印鑑登録証の回収を行っているケースがあるため、窓口に行く際に以下の書類が必要です。 住所異動届 本人確認書類 健康保険証 届出をする人の印鑑 印鑑登録証 なお、代理人が手続きする場合は委任状が必要です。 ただし、近年では印鑑証明がパソコン上でできるようになっているため、転居届が提出されれば自動的に印鑑登録の抹消や廃止を自動的に行ってくれる自治体が増えました。 さらに、同じ市区町村で引っ越しをする場合、市内転居届を提出すれば印鑑登録の住所が自動で変更されるようになっています。 自動変更に対応している自治体・市区町村であれば、旧住所で抹消手続きを行う必要性はないかもしれません。 抹消手続きを行った場合、新しい住所の役所や役場で印鑑登録の手続きを行います。 手続きに必要なものは、以下の通りです。 身分証明書 実印用の印鑑 マイナンバーカード 印鑑証明書はどうやって保管すればいい? 印鑑証明書を発行してもらった後に非常に重要なのは、印鑑証明書の保管場所です。 印鑑証明書は賃貸物件の契約をする時や保険金を受け取る時、遺産相続の手続きをする時、ローンの契約をする時など、様々な契約や手続きに必要になる重要な書類なので、厳重に悪寒しなければなりません。 万が一誰かの手に渡るようなことがあれば、ほぼ確実に悪用されてしまうでしょう。 そのようなことがないようにするためにも、厳重に管理して第三者の目に触れないように保管することが大切です。また、実印と印鑑証明書を一緒に保管するのは、万が一のことを考えるとおすすめできません。 必ず別々の場所に保管しましょう。 まとめ 印鑑証明書は様々な契約や手続きを行う際に必要になる重要な書類です。 契約者本人が契約することを証明する際に必要なので、3ヶ月以内に発行したものであれば様々な場面で役立つでしょう。普段使用することがない書類なので、3ヶ月の期限を過ぎてしまうこともあります。 そんな時は、第三者に悪用されないように、シュレッダーやハサミなどで裁断して処分しましょう。 合わせて読みたい 法人の印鑑証明書はどこで取得できるの?取得方法について解説!

もっと読む

印材の種類

印材の種類

公開日:2022.5.23 最終更新日:2024.11.2 いざハンコを作ろうとしたら、店員さんに「印材は何にしますか?」と聞かれて戸惑うことがあります。そもそも印材って何?そのあたりから解説してみたいと思います。 印材とは 字面を見るとイメージが付くかと思いますが、「印章」を彫るための「素材」を「印材」と呼びます。古くは動物の骨や石などが使われていました。現在では耐久性が良いとされる「チタン」などの金属や、安くて強度があることで普及したプラスチックなど、いろいろあります。今回は、特に人気のある印材をセレクトして、特徴や印材の作り方などをご説明させていただきます。 本柘 伊豆諸島、鹿児島、東南アジア等に生育する柘植の木を加工して印鑑材料としたものです。年輪が非常に細かく彫刻に適しています。印鑑素材の中で最も安く、広く普及している素材です。 実印や銀行印、認印など広い用途で用いられており、印鑑を買う際に必ず候補に上がるほど有名な印鑑素材です。特に生産地が鹿児島県のものを「薩摩本柘」というブランド物の印鑑です。薩摩本柘は、実印や銀行印さらには法人用印鑑としても人気で、高級品と言われる割には、低めの価格で流通しており、安価で良質な印材として有名です。 黒水牛 東南アジア等で家畜として飼育されている水牛の角から作った真っ黒い印鑑です、一般的な印鑑として広く用いられています。黒さを引き立てる為の染め加工と、ひび割れ防止の為の加工がされている印鑑素材です。自然素材なので1つとして同じ模様の印鑑はありません。 また、黒水牛は耐久性にも優れていてとても丈夫です。特に、角の芯に近い部分は高級品として有名です。ただし、管理には少し注意が必要です。黒水牛の主成分はタンパク質です。そのため、乾燥や虫食いに注意しなければなりません。しっかりとケースにしまって保管するなど、ちゃんとお手入れをしていれば長い間つかうことができる素材です。 さらに、捺印性に優れているのも特徴。黒水牛の印鑑は朱肉のツキが良く、印影がきれいで押しやすい印鑑です。 象牙 アフリカ象の牙を加工して作られた印鑑です。象牙は古くより、装飾品、三味線のバチ、琴のツメ、パイプ、玉突きの玉などに使用されていますが、印鑑の材料としても細かな彫刻に適し、印肉の捺印性が良く、対摩耗性にも優れた印鑑の高級品です。 象牙は、真っ白よりも少し黄色みがかった落ち着きのある色合いで、 控えめな牙の模様がとても味わい深く、使えば使うほど艶が出てきて深みが増します。 牙の部位の中でも、印鑑に使われる部分は耐久性が高く、耐摩耗性にも優れているため、象牙印鑑は印面の欠けや磨り減りが起こりにくいという利点があります。そのため、象牙印鑑は、丁寧に扱えば一生ものとして使える丈夫な印鑑です。象牙が実印などに向いているのは、この優れた耐久性も理由の1つです。 高級素材として有名な象牙印鑑ですが、実は象牙の部位によってランクが分かれています。一般的な象牙印鑑のランクは、中心部分から順に「中心層」、「中皮層」、「外皮層」の3つに分かれます。この中でも最高級品が「中心層」の象牙印鑑。次に、「中皮層」、「外皮層」と続きます。 なぜ、象牙印鑑がこのようにランクが分かれているかというと、部位によって耐久性と希少性が違うためです。基本的に象牙は、中心部に近いものほど、高い繊維密度で目が細かく、密度が高いため丈夫です。さらに、「中心層」の印材は、1本の象牙から1〜2本しか取れず、希少価値があるので、高いランクになっています。 牛角(オランダ水牛) オランダ水牛は、飴色・クリーム色で透明感のあるボディが特徴。なめらかで落ち着いた色合いがとてもおしゃれで、独特の高級感を放っています。実用面でも他の角・牙素材の印鑑と同じような性質を持ちます。 まず、オランダ水牛は耐久性が高いのがポイント。しっかりとケースに入れて保管すれば、長いあいだ使用できる丈夫な印鑑です。また、朱肉のツキがよく、捺印性が高いのも特徴。手になじみやすく、持ちやすいので、きれいな印影がしっかりと押せます。ただし、主成分がタンパク質なので、管理には少し注意が必要です。 乾燥に弱いので、剥き出しのまま、直射日光に当たるところに放置するのはやめましょう。また、虫に狙われるので、タンスなどにしまう際は、防虫剤と一緒に保管するように心がけてください。 琥珀 琥珀は、印鑑素材としてはとても有名な印材。特に女性の方に人気で、実印や銀行印といった大切な印鑑用に購入される方が多くいらっしゃいます。その美しさは太陽の石や人魚の涙などとも呼ばれる程。その美しさの一番の要因は特徴的な黄褐色です。 高級素材として知られており、印鑑の中では本象牙と肩を並べる存在でもあります。一見、鉱物に見える「琥珀」ですが、実は植物から生成される宝石なのです。 樹木の樹脂が長い年月をかけて固化することで美しい琥珀へと変化します。そのため、大量生産できないので、希少価値が非常に高い素材なのです。樹脂が固まる段階で不純物が少なければ少ないほど、透き通った透明感が美しい琥珀ができ上がります。反対に葉や花、古代の昆虫などが固化の段階で混じり、不純物が多い状態になると特徴的な模様が浮かび上がり、色に深みが増します。 このような生成過程の特徴から、世界に同じものが1つとして存在しないことも魅力だと言えるでしょう。主な産地は北ヨーロッパのバルト海沿岸。そのため、ヨーロッパでは古くから宝飾品として人気が高い素材でした。 琥珀の印鑑はまるで宝飾品のような美しさを持っています。この美しさこそが最大の特徴であり魅力なのです。琥珀はパワーストーンとしても人気が高い素材です。ストーンと呼ばれていますが、正確には木の樹脂が長い年月を経て石化したものですから、鉱物ではありません。ですが、美しさ、強度共に宝石と比較しても遜色がないため印鑑の素材としても使用されています。 近年では、化学樹脂と天然琥珀を合成して出来た琥珀印材もあります。 チタン 数少ない金属素材の印鑑であるチタン。人気の秘密は、そのクールでスタイリッシュな見た目と、チタンならではの耐久性や機能性にあります。 実印や銀行印は一生使い続ける大事な印鑑です。破損したりすり減ったりして使えなくなってしまった場合、再度購入し面倒な再登録手続きも済ませなければいけなくなるので、素材選びから慎重にならなければいけません。 その点を踏まえて、チタンは傷がつきにくく、トップクラスの耐久性を誇る印鑑素材で実印や銀行印などの用途にも最適な印鑑です。法人や経営者の中でも実印として用いる方が多くいらっしゃいます。 印鑑の中では珍しい金属素材の「チタン」。他の印材に比べて、傷や破損のリスクが圧倒的に少ないのが特徴です。 最も多く販売されているポピュラーな「ブラストチタン」であれば、特殊な表面加工をしてありますので汚れがつきにくく綺麗なまま使い続けることができます。まさに、一生ものの実印や銀行印にふさわしい素材であるといえます。 朱肉の付きが良い印材に「象牙」がありますが、チタンは象牙に匹敵するほどの捺印性を持っています。これは、チタンは元々超微粒子で密度が高く、適度な量の朱肉を吸着するという性質があるためです。また、加工が難しい素材で精密機械を使って彫刻するため、細かく美しい線に仕上がり、綺麗な印影が残せます。 合わせて読みたい チタンの印鑑はなぜおすすめ?デメリットについても解説! 印材の価格 好みの印材が見つかりましたでしょうか?最後に、印材の価格についてご説明させていただきます。 同じ印材でも価格が大きく違うものがあります。印鑑材料メーカー、印材問屋さんの方で分けられているもので 「クラス」毎に異なった価格で供給されています。例外はありますが、これらは元になった個体品種の違いではありません。印鑑の形に加工した後、目視にて均質性や、色、希少性などにより分けられています。このため1本の材料から切り出し作られた印鑑にも「高価格なもの」から「安く供給されるもの」が混ざります。また、目視(官能検査)で分けられるため全ての人の嗜好に合うものでもありません。印材によっては模様の出かた、色合いが大きく異なりますので、気になる方は店頭で現物を確認してお選びになったほうが良いかと思います。 大切なシーンで使うハンコです。しっかり吟味して選んでくださいね!

もっと読む