公開日:2024.2.13 最終更新日:2024.10.30
とうとう始まったインボイス制度。結局何をどうすればいいのか分からないままの人や、曖昧な人も多いのではないでしょうか?
今回はインボイス制度でまず大切となる「領収書の書き方」について解説していきます。
その他にも、インボイス領収書を書くときによくある疑問などについても触れて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
インボイスとは
インボイスとは適格請求書のことで、売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額を伝えるものです。
現行の「区分記載請求書」に「登録番号」「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータを指します。領収書のほか、請求書や納品書も適格請求書にあたります。
適格請求書が免除される取引
先に触れたように、消費税の取引があったことを証明するには、請求書などにインボイス番号が書かれていなくてはいけません。
ただし、以下の取引においては適格請求書(インボイス)の交付義務が免除されます。
- 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
- 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務を行うものに限ります。)
- 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
- 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により支払われる商品の販売等
- 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
インボイス開始後も領収書やレシートをそのまま使用できる
またインボイス開始後でも領収書やレシートも必要事項が記載されていれば、そのままインボイスとして使用できます。「適格簡易請求書」とも呼ばれており、認められるのは指定された一部の業者に限ります。
領収書がインボイスと認められるのは一部の事業者のみ
適格簡易請求書(簡易インボイス)の発行が認められているのは、一部の特定事業者のみです。
不特定多数と取引する特定の事業者が交付できるもので、飲食店や小売業者、タクシー事業者などが対象事業者にあたります。
詳しくはこちら
適格請求書と適格簡易請求書(簡易インボイス)の違い
適格簡易請求書は、適格請求書を簡易にしたものです。
適格請求書には必須事項である「書類交付を受ける事業者の氏名または名称の記載」が不要で、「税率ごとに区分した消費税額等」「適用税率」のいずれかの記載で良いとされています。
インボイス開始後の領収書の書き方
簡易インボイスとして領収書を発行するために記載すべき項目は、以下の5つです。
- 適格請求書(インボイス)発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
- 課税資産の譲渡を行った(取引)年月日
- 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(取引内容) ※軽減対象課税資産の譲渡の場合はその旨も
- 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
適格請求書に必須の内容すべてを記載しても構いません。
インボイスの様式は法令で定められていないため手書きでも有効
インボイスとして必要な事項(登録番号や取引年月日など)が記載されていれば問題ありません。
ただし手書きの場合、書き間違いや不正の観点から税務調査や会社の経理でチェックされる可能性が高くなります。また宛名が上様の場合も不正を疑われる可能性は高くなると言われています。
インボイス対応の領収書を発行する際の注意点
事前のインボイス登録申請と番号の取得が必要
消費税の取引があったと認められるためには、インボイス番号が請求書に書かれていなくてはいけません。インボイス番号は事前に申請し、取得しておく必要があります。
インボイス番号の申請は国税庁のサイトから可能です。
詳しくはこちら
領収書のフォーマットを変更
すでに使用している領収書がインボイス領収書として適した内容になっているか確認する必要があります。特にインボイス番号は今までになかった項目のため、追記しなくてはなりません。
インボイス領収書写し等の保存義務
インボイス領収書は発行側も、インボイス番号やその他必要事項が書かれた写しやレジのジャーナルなどの控えをとって置かなくてはなりません。
その他、インボイス領収書の書き方についての疑問は、以下の国税庁の資料で確認してください。
インボイス対応の領収書を受領する際の注意点
領収書の内容確認
必要事項がすべて書かれているか、確認しましょう。不備があるとインボイス領収書として認められません。
インボイス対応と非対応の領収書に仕訳
事業者によってはインボイス番号を取得していない場合があります。インボイス番号がない場合インボイスとして税務署には認められず、支払った税額はないものとして消費税が計算されます。確定申告のときなどスムーズに進められるように、インボイス対応と非対応の領収書は事前に分けて管理しておきましょう。
領収書の保存義務
言うまでもありませんが、領収書は捨ててしまうと消費税分どころか経費としても認められません。定められた保存期間は捨てずに保存しておきましょう。
インボイス後の業務効率化におすすめのアイテム
多くの企業や事業者では、すでに企業名や店舗名等が記載された領収書を一定量購入して使っていることと思います。
インボイス番号が抜けているだけであれば、インボイス番号を追加するだけでそのまま使えます。
とは言え、インボイス番号は11桁もあり、手書きだと大変ですし書き間違えのリスクもあるのでおすすめしません。交付されたインボイス番号を領収書に追記する場合、スタンプを活用するのがおすすめです。
インボイス登録番号のスタンプで領収書発行の手間を短縮
サンビー製品にはインボイスにも使用可能なサイズのクイックスタンパーがあります。浸透印タイプでスタンプ台も必要なく、連続でインボイス番号をポンポン捺印できるので仕事効率化に便利なアイテムです。
スプリング機能付きで鮮明な印影が捺印できます。印面部分はガイドラインつきになっているので、狙った場所に綺麗に押印できます。
インボイス番号を入れられるのは横幅30mmのものから可能です。最も人気なのは4.5×60mmのサイズです。インクは赤、黒など計6色から選べます。
購入は以下のサイトから↓
インボイス登録店を知らせるステッカー
インボイス制度が開始されてから、消費税を納める事業者はインボイス番号が記載された領収書が必須となりました。インボイスに対応している事業者であるか否かを確認して取引を行う人も少なくないようです。
そのため不特定多数の人が利用する事業所では、流動客に向けてインボイス登録店であることを知らせる必要があります。
その際に役に立つのがインボイス登録店を知らせるステッカーです。目につきやすい水色に黄色の文字で視覚に入ってきやすくおすすめです。
購入は以下のサイトから↓
【まとめ】インボイス領収書を書く際は5つのポイントに気を付けよう
インボイス領収書(簡易インボイス)は以下の5つを必ず記載しなくてはなりません。
- 適格請求書(インボイス)発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
- 課税資産の譲渡を行った(取引)年月日
- 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(取引内容) ※軽減対象課税資産の譲渡の場合はその旨も
- 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
簡易インボイスの場合、受領者の氏名や事業所名はなくてもインボイスとして認められます。その他、インボイス領収書を発行した後は控えなど、保管方法にも気をつけましょう。