法事のお布施封筒の選び方とは!?お布施封筒の表書きや渡し方も解説

故人を偲び、ご遺族を慰める大切な儀式である法事。心ばかりの気持ちを表すお布施ですが、正しいマナーを知らないと不安に感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、法事のお布施について、封筒の選び方から、表書きの書き方、そして渡す際の注意点まで、丁寧にご説明します。

この記事が、あなたの法事の準備の一助となれば幸いです。

法事のお布施とお布施封筒

法事にはお布施が必要という認識はあるものの、「どのようなお布施封筒を選べばいいか」と聞かれて、即答できる人はなかなかいないのではないでしょうか。

まず、法事と法要の違いについて説明します。

「亡くなった人の魂を供養する」法要に対し「会食やお盆やお彼岸の供養も含めた仏教行事全般」を法事といいます。

法要は、法事の中に含まれます。

一般的に亡くなって1年後の法要「一周忌」とその後の「三回忌」は比較的大きな規模で法事を行うことが多いようです。

「お布施」は僧侶に対して、感謝の気持ちを込めて渡すお金のことを言います。

法事でもお布施を渡すのが一般的です。僧侶への「報酬」ではなく「お礼」として位置付けられますので、お布施はお寺の本堂に捧げられ、その後お寺の維持費や活動費となります。

お布施封筒は、「お布施」を入れるための奉書紙(ほうしょがみ)に包む正式な方法を簡素化したものです。

奉書紙は和紙の一種で、「香典を包む」「弔辞を書く用紙」などにも使用します。

今回は、奉書紙に包むことを簡素化したお布施封筒について説明していきます。

お布施封筒の種類と選び方のポイント

では法事のお布施封筒にはどのような種類があり、どう選べばいいのでしょうか。

迷ったら「​​​​郵便番号の記載なし、水引なし、無地の封筒」を選びましょう。

中身が透けないよう二重構造の封筒もありますが、「不幸が重なる」ことを連想させるため避けた方がよいでしょう。

また、お布施封筒には「中袋がついた多当折りタイプ」があります。

「多当折り」(たとうおり)は​紙の長辺を縦3つに折って、短辺を裏側に折り返す折り方のことを言います。

無地と柄がついたものがあり、決まりはありませんが、お布施の金額が少額の場合は使わずに、3万円以上の場合に使うのが一般的です。折り返しの向きは、上部が上になるよう、弔い重ねをします。「頭を垂らしている気持ちを伝える」という覚え方をしておくと良いでしょう。

お布施封筒に水引は基本的に必要ありません。
故人を供養するというという意味合いが強まるからです。
しかし、水引きがついていてもマナー違反ということはありません。
水引つきお布施封筒には主に3つタイプがあります。

黒白の水引がついた封筒

通夜や葬儀に使われる封筒です。不祝儀袋(ふしゅうぎふくろ)とも言います。四十九日法要では使用することも多いと言われています。それ以降は地域や寺院に確認しましょう。

黄白の水引がついた封筒

関西、主に京都で使われる封筒で黄白の水引がついた封筒を使う場合もあります。一周忌以降の法要に使うことが多いですが、黒白の水引同様に確認して使うことをおすすめします。

双銀の水引がついた封筒

お布施の金額が高額(50,000円以上)の場合は、双銀の水引がついた封筒が使用されることもあります。

お布施の袋は、ホームセンター、文具店、スーパーマーケットなどで購入可能です。最近では100円ショップで販売されていることも珍しくありません。また、インターネットの通販サイトでも販売されているため、事前に購入しておくこともできます。

お布施封筒への記入方法とお札の入れ方

お布施封筒の表書きは2箇所記入が必要です。濃い墨で記入しましょう。
お布施は薄墨で悲しみを表す必要はありません。

封筒表

上部に お布施と記入し、その下に名前を記入します。水引きがある場合はその下に名前を記入します。フルネームで記入する場合が多いですが、姓のみでも問題ありません。連名にする場合一般的には3名までとし、4名以上の連名になる場合は代表者の名前を書き「家族一同」や「他一同」と書きます。

封筒裏

右側に金額を記載し、左側に住所・氏名を記載します。
お布施の金額は旧漢字で書くのがマナーです。

中袋がある場合は、中袋の表に金額、裏左側に住所・氏名を記載します。

記入例)

左側に住所と金額を書きます。お布施の金額も旧漢字で書くのがマナーです。

四は「死」九は「苦」を連想させるので、香典同様お布施でも避けるべき金額です。

新字体旧字体

お札の入れ方

封筒や中袋にお札を入れる時には、香典とは異なる点に注意しましょう

・お札の肖像画(お札の顔)が表、前になるようにする

・新札を用意する

香典は「不幸を予め予期していない」という意味から使用感のあるお札を用意します。
「感謝の気持ち」を伝えるための「法事のお布施」とは異なりますので注意しましょう。

法事でお布施以外に用意するものは?

法事ではお布施以外に僧侶にお渡しするものはあるのでしょうか。

お礼の気持ちを寺院に納める「お布施」とは別に、僧侶個人に渡す「交通費」「会食用費」はお布施封筒とは別の封筒で用意します。

御車代

法要に、僧侶がタクシーや自家用車などで来てくれた場合に渡します。法要を寺院で行う婆は必要ありません。お布施と同時に渡すのが一般的です。「お車代」「御車料」とも書きます。

御膳料

法事では、法要後に読経してくれた僧侶や参列者をもてなすために会食の席を用意します。僧侶が会食に参加できない場合、提供するはずだったお膳の代わりとして「御膳料」を渡します。法要後に会場を移る際、会食への同席をお願いし、辞退された場合に渡すのが一般的です。

「御車代」「御膳料」共にお布施の封筒の選び方や記入の仕方と同様です。

法事でのお布施封筒の渡し方

法事でお布施封筒を渡す時には、素手で直接渡さないことがマナーです
そのまま渡さず、ふくさでお布施袋を包み取り出し、切手盆に乗せましょう。
切手盆がない場合はふくさのみ使用する場合もあります。

切手盆とふくさの両方がある場合

1. お布施封筒は直前までふくさに入れて、よごれないようにする。

2. ふくさからお布施封筒を出し、切手盆の上に乗せ、僧侶の場所へ進む。

3. 切手盆を僧侶に向け、挨拶と共に、乗せたままのお布施封筒を差し出す。

4. 僧侶がお布施袋を受け取ると、お盆を下げる。

ふくさのみの場合

1. ふくさの中にお布施封筒を入れたまま、僧侶に挨拶をのべる。

2. ふくさからお布施封筒を取り出し、盆代わりとして、たたんだふくさの上にお布施をのせる。

3. お布施封筒の向きを僧侶が文字が読めるように前に差し出す。

4. 僧侶が受け取り、ふくさをしまう。

お布施封筒を渡すタイミングですが、法事が始まる前か、終わったあとがベストです。

一言僧侶にお礼の言葉を添えましょう。

法要の前(例)法要後(例)
「本日はお世話になりますよろしくお願いします」本日は無事に3回忌を執り行うことができました。ありがとうございました。

「感謝を伝えるため」のお布施ですので、渡し方にも気を配り、気持ちよく法事を執り行えるようにしておきましょう。

お布施封筒、法事に必要なアイテム

必要なものが揃っておらず慌てないように、お布施封筒などは、法事の前に購入しておきましょう。

ここでは事前にECサイトで購入できるアイテムを紹介します。

お布施封筒


画像出典:Amazon 長門屋商店

Amazon 長門屋商店 お布施封筒 10枚入り 中袋つき

シンプルで使い勝手の良いお布施封筒です。御車料 御善料の封筒もあります。

法事に必要な封筒を一式揃えておきましょう。

ふくさ


画像出典:楽天 hangteng 金封ふくさ

楽天市場 慶弔両用 男女兼用のふくさ

高価なふくさを用意するよりも初めはオーソドックスなものが便利です。

スーツの内ポケットにも入ります。

切手盆


画像出典:楽天 京仏壇はやし

楽天市場 切手盆

法事のお布施を渡す専用の盆として「安く購入できて満足」と人気の商品です。

まとめ【法事のお布施封筒 迷ったら白封筒】

法事のお布施封筒の選び方、記入の仕方、お布施封筒の渡し方について紹介しました。

法事のお布施封筒は迷ったら水引のない白い封筒タイプを選びましょう。
お布施と印字されている封筒もありますので、事前に購入しておくのも慌てないポイントです。

またお布施封筒を渡すマナーとして、ふくさや切手盆の購入も検討しておきましょう。