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シヤチハタとそれ以外の判子の違いは?素材や用途別に解説!

シヤチハタとそれ以外の判子の違いは?素材や用途別に解説!

公開日:2024.1.19 最終更新日:2024.10.30 印鑑を使用するシーンで、押印箇所に「シヤチハタ使用不可」と記載されていた経験がある方もいるのではないでしょうか。シヤチハタも印鑑や判子の一種ではありますが、使用できる範囲が限られています。今回はシヤチハタとそれ以外の判子や印鑑の違いをはじめ、シヤチハタの種類や買い方についてご紹介します。 シヤチハタとシヤチハタ以外の判子の違い シヤチハタは「インク浸透印」という種類の印鑑を指します。インクが本体に内蔵されており、適量のインクが自動的に染み出て押せるので、朱肉やスタンプ台が不要な判子です。 シヤチハタは、そもそもシヤチハタ株式会社というメーカー名であり、商品の名前ではありません。シヤチハタ社が朱肉のいらない印鑑を「Xスタンパー」という名前で販売し、有名になったため、インク浸透印全体がシヤチハタと呼ばれるようになりました。現在では、どのメーカーのものであっても、インク浸透印をシヤチハタと呼ぶ傾向があります。 合わせて読みたい シャチハタ印とは 浸透印以外の印鑑では、朱肉を使用して押印しますが、浸透印は朱肉ではなく、インクを使っているのが大きな違いのひとつです。 ほかには、以下のような素材と用途の違いが挙げられます。 素材の違い 印鑑には、彩樺や薩摩本柘などの木材をはじめ、動物の角や牙、耐久性に優れたチタン、琥珀樹脂など、さまざまな素材が使われています。印鑑を選ぶ際に、素材の質感や見た目で選ぶのも印鑑の選び方のひとつです。 しかし、インクを浸透させて押印する浸透印はゴムやシリコンなど素材は限られています。柔らかなスポンジ体となっていることが多いため、強く押すと印面文字部の形状が変形して印影が変わってしまうこともあります。 用途の違い 浸透印は実印登録できないため、認印としてのみ使用できる印鑑です。とはいえ、認印とは実印登録されていない印鑑全般を指すため、実印登録していない印鑑であれば浸透印でなくても認印に含まれます。 認印が必要なシーンは、役所へ提出する書類をはじめ、会社の書類を確認したときや、宅配の荷物を受け取ったときなど数多くありますが、浸透印を認印として使えない書類もあるので注意しましょう。日常では宅配の荷物を受け取る際に浸透印が使えます。 また、1日に何度も同じ印鑑を押すような事務仕事では、朱肉を使う印鑑よりも浸透印を使用するほうが大幅に時間短縮できるほか、押印の失敗も起きにくいため重宝されるでしょう。 上述のとおり浸透印はゴムなどの軟質スポンジ体ですので、力加減によっては文字部が変形する恐れがあるため、実印登録できません。また、大量生産されているため同じ印面の印鑑が世の中に多く流通しているのも実印登録できない理由のひとつです。 公的な書類では、浸透印ではなく硬い素材で作られている浸透印以外の認印や実印を使用しましょう。 合わせて読みたい 認印とシャチハタの違いは?シャチハタ使用不可となる場面を解説 浸透印以外の判子の種類 実印 実印は、市区町村の役所へ印鑑登録手続きを行い、印鑑証明を受けた判子のことを指します。1人につき1本の所有のみ認められている判子で、同じ印鑑を2人以上で登録することもできません。大切な契約を交わす際や商取引に使用し、本人の意志を証明する重要な存在です。 印鑑登録を行う役所によって細かな規定は異なりますが、女性は15mm、男性は18mmのサイズで作られるケースが多いです。 大前提として、欠けにくい丈夫な材質の判子を選ぶことが必要です。刻印する文字は苗字のみでも、名前のみでも、姓名を彫っても良いことになっています。 銀行印 銀行印は、金融機関に登録している判子を指します。銀行での出納で使用するほか、金融機関の証券や保険を契約する際にも捺印する重要な判子です。 多くの金融機関では、30mm以内の判子であれば登録可能とされています。女性は13.5mm以上、男性は15mm以上のサイズがおすすめです。 銀行印に刻印する文字は、苗字のみか名前のみで作ることが多いですが、横書きで彫るのが良いとされています。横書きにする理由は、お金が縦に流れないようにという意味が込められており、右から左に読めるように横書きするのが主流です。 合わせて読みたい 印鑑のサイズはどれを選んだら良い?選び方や用途別のサイズもご紹介 便利な浸透印の種類 浸透印は、現在さまざまな種類が展開されています。とくに幅広く利用されており、便利な浸透印を2種類ご紹介します。浸透印を購入する際の参考にしてみてください。 ネーム印タイプ ネーム印タイプの浸透印は、印章店だけでなく、文具店やホームセンターでも売られているもっともオーソドックスな浸透印です。 一般的な苗字が彫られている既製品のほかにも、姓名や名前のみも作れるオーダーメイドの浸透印も注文できます。 宅配物の受け取りや、回覧板へのサイン、オフィスで繰り返し使用する際の認印として最適です。 事務作業で頻繁に使用する場合は、片手で簡単に捺印できるキャップレスタイプに使用をおすすめします。蓋を何度も付けたり外したりしなくて済むため、手間が省けるのが特徴です。 キャップレスとはいえ、未使用時には印面部分がカバーされているため、汚れや破損の心配は不要です。ロック機能も付いており、バッグに入れての持ち運びも安心して行なえます。 ペン一体型タイプ ペン一体型の浸透印は、ボールペンと浸透印がひとつになっているので、署名と捺印の両方の役割を果たせます。胸ポケットに挿して持ち運びできるので、持ち歩いても失くす心配が少なく、ビジネスシーンで好まれて使われているのです。 シンプルなデザインのほかにも、オーダーメイドで、自分好みのデザインにすることも可能です。カラーバリエーションも豊富で、キャラクターのイラストが入ったシリーズも展開されていることから、見た目にもこだわれます。 合わせて読みたい ハンコ付きボールペンの選び方!名入れも可能でプレゼントにも最適な商品も紹介 浸透印などの判子はどこで買える? 現在では印章店のほかにも100均ショップや文具店、ホームセンターでも購入できるようになりました。 100均で購入できる浸透印や判子は、値段が安い分、作りが簡素なので耐久性はありません。一時的に使用する場合などに適していると考えましょう。 文具店やホームセンターでは、さまざまな種類の判子が販売されています。比較的リーズナブルなラインナップで取り揃えてあるため、既製品の浸透印を買うのであればおすすめです。 また、一部では印鑑の自販機が設置されている場所もあります。判子の素材や刻印する字体を画面から選択すると、希望の判子が購入できます。 じっくり選びたい人や多くの種類と比較検討してから購入したい場合は、通販サイトを利用するのもおすすめです。 高級な印材をはじめ、カラーバリエーションやデザインのラインナップも多く、自宅でゆっくり自分好みの判子を検討しながら選べます。 手元に届くまで少し時間はかかりますが、機械彫りや既製品であれば即日発送している店舗も多いです。 量産されている安価な判子は実印や銀行印に向いていません。判子を購入する際は、用途を考えてから選ぶようにしてください。 まとめ 浸透印は宅配物を受け取る際や回覧板へのサイン、日々の事務作業など、意外と活躍するシーンが多いことに気付きます。重要な契約書類に使用する実印や金融機関に登録する銀行印には使用できません。とはいえ、ひとつ持っておくと捺印作業を効率化できる面もあるため便利です。デザインも形状もさまざまなものが販売されているので、ぜひ自分に合ったものを見つけてみてください。 合わせて読みたい インクを補充しても薄い!補充する時のコツや解決方法を解説

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シャチハタ印とは

シャチハタ印とは

公開日:2022.5.23 最終更新日:2024.11.2 書類に氏名を記入したら、横に印を押す箇所があり「シャチハタ印不可」との注意書きがありました…。使用している自分の印鑑が『シャチハタ印』なの!?と悩まれた方も多いのではないでしょうか? 印鑑の違いをしっかり説明できる人はどれくらいいるでしょうか?ここでは何を『シャチハタ印』と呼ぶのか、解説していきます。 シャチハタ印とは 「シャチハタ印」とは何でしょうか?そう質問されると、「スタンプ台や朱肉を使わずにポンポン連続して押せるハンコ・スタンプ」と答える人が多いのではないでしょうか?それ、半分正解で半分間違いです。そもそも「シャチハタ印」という商品は存在していません。 「スタンプ台や朱肉を使わずにポンポン連続して押せるハンコ・スタンプ」は何!? 正しくは「インク浸透印」と呼びます。これは1970年に開催された日本万国博覧会(70年大阪万博)のスタンプラリーで「シヤチハタ株式会社」が開発した製品が使用され、その結果、全国に広まったからだと言われています。そのとき「シヤチハタ株式会社が作ったインク浸透印」が「シャチハタ印」となったわけですね。 takato marui - originally posted to Flickr as Korean Pavilion, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10114600による ちなみにシヤチハタ株式会社の「ヤ」は小文字表記ではありません。 このことを踏まえて「シャチハタ印(浸透印)」と印鑑の違いを解説する前に、一般的な「シャチハタ印(浸透印)」の製造方法を確認したいと思います。 どうやって作っているの? 「シャチハタ印(浸透印)」はスタンプ台や朱肉を使わずにポンポン連続して押せるという大きな特徴を持っています。ではこのような特徴はどのようにして得られるのか確認していきたいと思います。 塩が肝心! 「シャチハタ印(浸透印)」の秘密は文字部である「印面」部にあります。この印面部は軟質のゴムが主な素材ですが、超微細な穴がつながった連泡体になっています。この超微細な穴によってインクが、毛細管現象を利用して留まっているため連続でポンポン押せる特徴が得られています。 ではこの「超微細スポンジ体」をどのように作り出しているのか?その最大の立役者は意外にも「塩」なのです。塩を「つぶつぶ感」がまったくない超微細サイズにまで粉砕してゴムに混ぜたベース材を作製します。そのベース材をプレス加工やレーザー加工でハンコ部を成形・熱湯で塩を溶かすことで「超微細スポンジ体」が出来上がります。 古くはアメリカで発見された特許技術を、シヤチハタ株式会社が日本国内で初めて商品化したことも言われています。 シャチハタ印と印鑑の違い このように作られるシャチハタ印と一般的な印鑑、どのような違いがあるのでしょうか? 硬い印鑑、柔らかいシャチハタ印 微細スポンジ体であるシャチハタ印は「インク浸透印」の文字通り、文字部が紙面に押しつぶされることで内部のインクを吐出します。そのため厳密に見ると毎回捺印される字形(印影)が異なります。 一方、「印鑑」は木材や金属材を彫刻加工して文字部を製作していますので、毎回同じ印影を得ることができます。 近年では加工技術や使用インクの改善などでシャチハタ印も鮮明な印影が得られるようになっていますが、この違いが印鑑証明に使用可・使用不可の判断に繋がっています。 合わせて読みたい 認印とシャチハタの違いは?シャチハタ使用不可となる場面を解説 見落としがち!?インク補充方法 インクを含浸してキレイに捺印できるシャチハタ印ですが、インクが不足すると鮮明な印影を得ることができなくなります。 メーカーによると、半日(12時間)ほど放置した後、はじめて捺印した印影が極端に薄いと感じたときにインクを補充するようにアナウンスされています。 これは、一度に連続してポンポン捺印すると文字部表面のインクが瞬間的に薄くなります。しばらく時間が経過すると印面ゴム内部からインクが染み出してきて回復することがあるため、本当にインクが枯渇しているのか確認する目的で「半日(12時間)ほど放置」するようにアナウンスされています。 表から と 裏から インクを補充する方法として2タイプのグループに分かれます。「ゴム印面の文字部が加工されている表面に直接インクを供給する方法」と「ゴム印面の裏側からインクを補充する方法」です。双方にメリット・デメリットがあります。可能なら購入前に補充方法はどのタイプなのかを確認してみてください。 ゴム印面の文字部が加工されている表面に直接インクを供給する方法 文字部を上にしてゴム印面にインクを1〜2滴補充してインクが馴染むまで放置します。 インクが印面内部に浸透していくまで安定な場所に放置しておく必要があり、インクが浸透していく状況を目視確認することができます。当然ながら含侵直後では捺印することができませんが、印影回復までの時間が短いのが特徴です。 ゴム印面の裏側からインクを補充する方法 製品の持ち手(柄)を外して、印面裏部からカートリッジやインクを直接補充する方法になります。インクが文字部表面にまで行き渡るまでの回復時間が必要で5〜6時間ほどかかる場合もあります。一方、補充したインクが逆流しないように製品を横倒しにしなければ補充後でも製品を使用し続けることが可能です。 双方ともインクを直接補充した場合、補充したインクが漏れ出さないように注意する必要があります。 合わせて読みたい インクを補充しても薄い!補充する時のコツや解決方法を解説 意外な落とし穴…メンテナンス方法 便利な「シャチハタ印・インク浸透印」ですが、当然ながらメンテナンスを行わないと最悪の場合、使用不可能な状態に陥ることがあります。 ・文字部にホコリの膜が… キャップをしていても、捺印する紙面の「紙粉」や周りを漂う「ホコリ」がインクで濡れた文字部に付着していきます。意外な物で印刷物の「インク・トナー粉」や、印紙や封印に使用した「未乾燥の糊」が付着して硬化して積層していくことがあります。インクを吐出するシャチハタ印ですので、ホコリなどの被膜で覆われると鮮明な印影を得ることができなくなります。製品の取扱説明書に明記されているように先端が柔らかい綿棒などでふき取るなどしてクリーニングを行う必要があります。 ・浸透印もゴムだから… 脆くなって砕けてしまった古い輪ゴムを見たことがあるかと思います。シャチハタ印の印面部も合成ゴムなどを主原料としています。そのため、真夏の高温になった車中や部屋、真冬の極寒状態に放置などするとゴムの安定性が崩れて固く硬化したり文字部が脆くなるなど不良化することもあります。 ・専用インクを補充して! 「シャチハタ印・インク浸透印」を製造販売しているメーカーは シヤチハタ株式会社 以外にも、サンビー株式会社や谷川商事株式会社、株式会社タイヨートマーなど多くメーカーがあります。 それぞれのメーカーごとにインクの特性や成分が異なるので、ご使用の商品に適した「専用インク」を使用して補充しないといけません。同じメーカーでも商品ごとに特製の異なるインクを展開している場合もあります。ご使用されている商品に適したインクを付属している「取扱説明書」や、各社webサイトなどに掲載されている「インク補充の案内コーナー」をしっかり確認して補充するようにしてください。 このように取り扱いに注意頂くことで鮮明な捺印を継続して使用できる「心強い相棒」になってくれます。

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