法人の印鑑証明書はどこで取得できるの?取得方法について解説!

法人の印鑑証明書を取得したいけど、方法がわからず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。今回は法人の印鑑証明書の取得方法について解説いたします。

法人の印鑑証明書を取得する主な方法は3つ

法人の印鑑証明書を取得する方法は、主に3つあります。それぞれの手順について紹介します。


法務局の窓口での申請

印鑑登録や印鑑カードの発行は、会社の本店を管轄する登記所でしか行えません。しかし、印鑑証明書の発行は全国どこの法務局でも行うことができます。

窓口の取扱時間は平日の午前8時30分から午後5時15分までとなっています。土日祝日、年末年始は業務を行っていないので注意してください。

法務局の窓口で申請する場合は、以下のものが必要です。

・印鑑カード

・印鑑証明書交付申請書

・手数料(1通につき450円の収入印紙)

印鑑カードは印鑑カード交付申請書を法務局(登記所)の窓口に申請するか、郵送で申請すれば発行できます。具体的な作成方法については後述しているので、ご確認ください。

印鑑証明書の発行申請は以下の手順で行いましょう。

1.法務局ホームページより印鑑証明書交付申請書をダウンロードする

印鑑証明書交付申請書フォーマット

2.印鑑証明書に商号・名称(会社の名前)、本店・主たる事務所(会社の住所)、印鑑提出者の資格・氏名・生年月日・印鑑カードの番号を記載する

3.印鑑証明書交付申請書に収入印紙を貼り付ける

4.印鑑証明書交付申請書を印鑑カードと一緒に法務局窓口に提出する

印鑑証明書交付申請書を提出したのち、承認されれば印鑑証明書は即日取得できます。収入印紙は法務局窓口にて購入できるほか、郵便局やコンビニエンスストアでも購入可能です。事前に購入し貼り付けておくと、法務局での手続きにかかる時間を短縮できます。

郵送申請

法人の印鑑証明書は郵送でも入手できます。郵送で入手する場合は、以下の手順で申請を行ってください。

1.法務局ホームページより印鑑証明書交付申請書をダウンロードし印刷する

2.印鑑証明書に必要事項を記載(法務局の窓口で申請する場合と同じ)して、収入印紙を貼り付ける

3.申請書・印鑑カード・返信用封筒を封筒に入れて、法務局に送付する

郵送する際には万が一の場合を考え、簡易書留を利用しましょう。書類が受理されたら、3~5営業日ほどで、法務局より印鑑カードと印鑑証明書が届きます。法務局の窓口で申請する場合とほとんど変わりません。返信用封筒は忘れやすいポイントなので注意しましょう。もちろん、返送するために必要な切手を貼り付けておく必要もあります。

なお、郵送手続きはもっとも時間がかかる方法なので、時間に余裕がある場合や法務局が遠い場合などに利用すると良いです。

オンライン申請

法人の印鑑証明書はオンラインでも申請可能です。オンライン申請は手数料を収入印紙ではなくインターネットバンキング等の電子納付にて行います。収入印紙を買いに行く手間を省けるほか、封筒や切手を用意する必要もなく、郵送でも受け取れるため、猛暑日や悪天候時に法務局へ足を運ぶ必要がなく、事務所内ですべての手続きを完了できる方法です。

オンライン申請には電子証明書や申請用のソフトのインストールが必要です。一度用意すれば、いつでもスムーズに手続きができます。法人をはじめ、何度も手続きが必要になるような方はオンライン申請を活用するのがおすすめです。手数料の支払に銀行等の手数料がかからなければ経費節約にもなります。電子証明書の発行については、以下の法務局のページを確認してください。

オンラインによる商業電子証明書等の請求等について

オンライン申請は供託オンライン申請システム「申請用総合ソフト」から行います。Windowsのみの対応となっており、MacOSの場合はオンライン申請ができないので注意してください。

以下の手順でオンライン申請を行います。

1.申請用総合ソフトをパソコンにダウンロード、インストール

2.申請者の情報を登録

3.「処理状況表示」の画面から「申請書の作成を行う」ボタンをクリック

4.一覧から「交付請求書(印鑑/登記事項証明書)【署名要】」を選択し、右下「選択」ボタンをクリック

5.「申請書作成・編集」画面が表示されるので件名や印鑑カード番号、交付方法など必須項目を入力

6.入力が完了したら作成完了ボタンを選択

7.「処理状況表示」画面に戻るので、次に「署名付与」ボタンをクリック

8.「ICカードで署名」もしくは「ファイルで署名」(電子証明書)を選択し、パスワードを入力すると署名付与が完了

9.画面を閉じると「処理状況表示」画面にもどるので「申請データ送信」ボタンを選択

10. 処理状況表示画面の「納付」ボタンをクリック。インターネットバンキング選択画面に進み、手数料の支払いを行って完了

手数料は郵送の場合だと410円、法務局の窓口で受け取る場合は390円です。インターネットバンキングのほか、電子納付対応のATMから支払うことができます。

オンライン申請ではありますが、平日の午前8時30分から午後21時00分と申請できる時間は限られているので注意してください。

オンライン申請した場合でも法務局窓口で受け取れますが、急いでいないなら郵送受け取りを利用しても良いでしょう。

法人の印鑑証明書を取得する際に把握しておきたいこと

法人の印鑑証明書を取得する際には、必要な事前準備があります。どのような準備が必要なのかを解説いたします。

印鑑カードの作成が必須

印鑑証明書を申請する場合は、申請方法を問わず印鑑カード(印鑑登録証)を必ず発行しなくてはいけません。印鑑カードを作成するためには、印鑑カード交付申請書を法務局(登記所)の窓口または郵送で申請する必要があります。

印鑑カード交付申請書は法務局のホームページから入手できるため、まだ印鑑カードを持っていない法人の方は、印鑑カード交付申請書の記入から始めてください。

印鑑カード交付申請書フォーマット

印鑑カードを発行する流れは以下のとおりです。

1.会社実印を作成し、印鑑届出書を法務局に提出する

2.印鑑カード交付申請書フォーマットから書類をダウンロードし、内容を記入する

3.法務局の窓口または郵送で申請する

窓口の場合は5分から10分程度で作成できるでしょう。郵送で送り返してもらう場合は、数日程度時間がかかります。

社長以外も申請可能

法人の印鑑証明書は社長以外が申請できないと思いがちですが、そうではありません。社長以外でも代理人によって申請可能です。

窓口での直接申請の場合は印鑑証明書交付申請書に代理人であることを明記しなくてはいけません。代理人の住所・氏名も記載する必要があるので覚えておきましょう。

オンライン申請の場合は、請求書情報はもちろん、委任状情報についても電子証明書を発行したうえで送付しなければいけません。申請そのものはオンラインで対応できるものの、申請するまでに手間のかかる方法であるため、代理人を利用する場合は窓口での申請を利用するのがおすすめです。

法人が印鑑証明書を取得する際の注意点

法人が印鑑証明書を取得する際には、注意しなければいけないポイントがあります。ここでは注意すべき3つのポイントを紹介します。

申請方法によって受付時間が異なる

印鑑証明書が取得できる時間は、申請方法によって異なります。窓口で申請をする場合は、平日の午前8時30分から午後5時15分までしか受け付けておらず、オンライン申請も午前8時30分から午後21時00分までしか申請できません。

郵送であればいつでも申請可能であるため、休日しか対応できないという方は郵送申請を利用してみてください。

印鑑カードが悪用されるおそれがある

印鑑カードは正しく管理しましょう。紛失してしまうと別の誰かが代理人を名乗って印鑑証明書を発行する可能性があります。印鑑証明書が発行されてしまうと、実印を偽造されたり、勝手に連帯保証人になったりなど、本人と偽ってさまざまなやり取りが行われる可能性があるのです。

印鑑カードは免許証やパスポートと同じく、重要なものです。厳重に保管してください

コンビニで取得はできない

個人のものであれば、住民票の写しや戸籍謄本、印鑑証明書などコンビニで取得できる書類は増えつつあります。しかし、法人の印鑑証明書についてはコンビニでの取得はできません。ほかの書類と同様にコンビニで取得できると思いがちですが、まだ対応していないため注意しましょう。

まとめ

法人の印鑑証明の取得方法について解説しました。印鑑証明書の取得は手続きが複雑に思えますが、実際は書類に必要事項を記入して提出するだけなので、それほど難しくはありません。

窓口での申請であれば即日取得も可能であるため、急ぎの方でも安心です。本記事を参考に法人の印鑑証明書を取得してみてください。