日記は大人にこそおすすめ!メリットと書き方5つ

新生活に何か新しい習慣を始めたい方は「日記」を始めてみませんか?
実は、日記は大人にこそおすすめできる習慣なんです。忙しい人ほど試して欲しい、手書きの日記ならではのメリットがあります。また、今まで日記を書いたことのない方のために、習慣化の方法や書き方も確認してみましょう。

大人が日記を書くメリットって?

仕事に家事や育児……日中は忙しく過ごしている大人にこそ、日記がおすすめです。ポイントは「手書きで日記をつける」ことにあります。

リラックスできる

人は自律神経によって、身体機能をコントロールしています。自律神経は、交感神経と副交感神経から成り立っているのです。仕事などのパフォーマンスを高めるには交感神経を優位にし、リラックスした状態になるには、副交感神経を優位にします。

その日のことを振り返り、ゆっくりと文字を書く日記は、副交感神経の働きを高めてくれます。そのため、日記を書くとリラックスできるのです。

ポジティブになれる

脳は前向きな言葉を受けると、脳内ホルモンであるセロトニンやドーパミンの量を増やします。気持ちが安定するのでネガティブな思考が出にくくなり、ポジティブになります。

日記にほめ言葉や日々のできことへの感謝、よかったことなどの前向きな言葉を日記に書く習慣ができれば、心が元気になりポジティブに過ごせるでしょう。

アイデアが浮かびやすくなる

手書きの文字は、脳を活性化する効果があります。手書きの文字による効果はさまざまな機関で研究されており、その一例を挙げてみましょう。

ノルウェー科学技術大学(NTNU)の研究によると、学童12名と若者12名を対象に、スクリーンに表示された文字を手書きしたときと、キーボードで打ったときの脳波を測定したところ、手書きの方が脳活動が活発であったそうです。

参考:『若者も子どもも、タイピングより手書きのほうが、脳活動が活発に』.ニューズウィーク日本版

また、リラックスした状態のとき、脳波からアルファ波が出て脳のパフォーマンスが高まります。創造性が発揮される状態、アイデアが浮かびやすくなる状態と言えるでしょう。

そのため、手書きで日記をつけることで脳を活性化し、新たなアイデアが浮かびやすくなります

大人が日記を習慣化させるには

日記がいつも3日坊主になってしまう方は、「日記はちゃんと書くべき」だと思っていませんか?日記をつけることを難しく考えず、まずはハードルを下げてみましょう。

すぐに書けるように準備する

日記は自分の部屋だけで書くものではありません。通勤時間や休憩時間など、すきま時間に書いてもいいのです。そこで、思い立ったらいつでも書けるように、メモ帳や手帳に日記を書くのもおすすめです。

じっくり書きたい場合、すきま時間に書いたメモ帳や手帳を見ながら、日記帳に書き写してみましょう。

良い文章・きれいな文字を書こうと思わない

日記は自分のために書くものです。良い文章である必要はありません。また、きれいな文字でなくても問題ありません。人に見せるものではないので、自分が思っていることを、好きなように綴ってみましょう。

少しでもいいので書く

「よし!今年は日記を書くぞ!」と思っていても、仕事や家事で疲れ、やる気が出ないときもあるでしょう。そんなときは、少しだけでも日記を書いてみましょう。1行書いてみて、やる気が出たら続きを書けばいいのです。

初めて日記を書く人は、次の章で紹介する「ひとこと日記」もおすすめです。

大人におすすめの日記の書き方5つ

いざ日記帳を前にしても、何を書けば良いのかわからない方もいるでしょう。そこで、大人におすすめの日記の書き方を5つ紹介します。

ひとこと日記

「日記をつけたことがない」という方は、「ひとこと日記」から始めませんか?ひとこと日記は特にテーマを決めず、好きなことを好きな量だけ書く日記です。日記を始めたばかりの方は、たくさん書くことは難しくても、ひとことだけなら続けやすいのではないでしょうか。

ひとこと日記について詳しく知りたい方は、「ひとこと日記を書く効果と継続できる書き方のコツ」を参考にしてみてください。

3行日記

「3行日記」は、順天堂大学医学部教授である、小林弘幸氏が推奨する日記の書き方です。1行ずつ3つのテーマを順番に書くことで、自律神経の乱れが整う効果があります。

” 1. 今​​日いちばん失敗したこと(もしくは、体調が悪かったこと、嫌だったこと)

 2. 今日いちばん感動したこと(もしくは、うれしかったこと)

 3. 明日の目標(もしくは、いまいちばん関心があること) ”

 出典:小林弘幸(2014) . 『「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか?』 . アスコム .p12

書く順番もポイントです。まず、失敗したことを書いて、自分の心に素直になりましょう。次に、感動したことを書いて、前向きな気持ちになります。最後に、明日の目標を書くことで、今日のことから明日のことに気持ちが切り替わり、モチベーションが上がるのです。

日記を使って1日の振り返りと明日への切り替えをしたい方は、3行日記を書いてみましょう。

ほめ日記

「ほめ日記」は、一般社団法人自己尊重プラクティス協会・代表理事である、手塚千砂子氏が考案した日記の書き方になります。

普通の日記のように「今日は早起きをしてストレッチした」など、その日のできごとだけを書くのではありません。「今日はいつもより早く起きてストレッチできたよ。えらかったね!」のように、必ず自分をほめる言葉を加えます。

自分に自信のない方は、考え方がネガティブな方向に傾きがちです。ほめ日記を続けることで考え方がポジティブになり、今まで目を向けていなかった自分の良いところに気づけるでしょう。自分のことを好きになりたい方に、おすすめの日記の書き方です。

感謝日記

「最近何だか満たされないな……」と思う方は、「感謝日記」をつけてみてはいかがでしょうか。

心理カウンセラー・心理学研究者の古宮昇氏によると、普段から感謝の気持ちが大きい人ほど、人生の満足度が高いそうです。そこで、古宮昇氏が提唱している、「感謝ノート」を参考に日記をつけてみましょう。

・箇条書きで書く

・感謝の言葉を書いたら最後に、「ありがとうございます」の言葉をつける

・ありふれた当たり前のことも書き出す

例えば、「今日も家族が元気に過ごせています。ありがとうございます」など、日ごろ見逃しやすい当たり前の幸せを探してみましょう。たわいないことでもありがたく感じられ、幸福を感じられる時間が増えますよ。

ジャーナリング

あるテーマについて、紙にひたすら向かって書き続けるワークを「ジャーナリング」といいます。「今、この瞬間に起きていること」をあるがままに観察することから、“書く瞑想”とも言われています。

毎日の習慣としては5分間を目安に、じっくりと考えたいことをテーマに挙げて書き出してみましょう。始めたばかりのころは、すぐに書くことがなくなってしまうかもしれません。しかし、「もう書くことがない」という言葉でもいいので書き続けてみましょう。
書き尽くした先に、自分の本音が現れ始めます。このことから、ジャーナリングをすると自分のことをよく知ることができるのです。また、ありのままの自分を知れば、無理のない自分を保つことができるでしょう。

書き方を工夫して、大人の日記を続けてみよう

毎日忙しく過ごしていると、「今日は何をしていたんだっけ?」と自分を見失ってしまうこともあります。そんなとき、日記は自分のありのままの姿を綴ることができる「心のよりどころ」になってくれるでしょう。

だからこそ、大人にはゆっくり振り返る日記がおすすめです。本記事の書き方を参考に、ぜひ日記をつけてみてくださいね。

<引用・参考文献>

松岡由希子(2020)『若者も子どもも、タイピングより手書きのほうが、脳活動が活発に』.ニューズウィーク日本版.

小林弘幸(2014) . 『「3行日記」を書くと、なぜ健康になれるのか?』 . アスコム .

手塚千砂子/たかはしみき(2014) . 『自分で自分をほめるだけ「ほめ日記」をつけると幸せになる!』 . KADOKAWA .

古宮 昇(2020) . 『プロカウンセラーが教える 絶対幸せになれる「感謝ノート」』 . PHP研究所.

吉田典生(2017) . 『「手で書くこと」が知性を引き出す 心を整え、思考を解き放つ新習慣「ジャーナリング」入門』 .文響社.