
フォントって何だろう。説明できる!?気になる種類と使い分けについて
公開日:2024.6.17 最終更新日:2024.10.30 日常生活で「フォント」という言葉をよく耳にします。では、どのような種類のフォントがあるのでしょうか。 フォントについて紹介させていただきます。 フォントとは? 「フォント」とは、同じサイズ、同じ特徴を持つ文字の形状をデザインしたものをいいます。 パソコンやスマートフォンなどが普及し、時代と共に「書体」と同じ意味で使われるようになりました。 厳密にいうと「書体」の中に「フォント」が存在するという関係です。 例えば、【ゴシック体】という種類の書体の中に【MS ゴシック】という種類の「フォント」が存在するという考え方です。 そもそも文字の起源は、5000年ほど前と言われていますが、それもまだはっきりとはわかっていません。 絵のようなものから、記号になり進化し、その後、文字が生まれ、パソコンやスマホなど文明の発展と時代のニーズにあわせて様々な種類のフォントが現れています。 日本語フォントの紹介 現在日本語のフォントは数千種類も存在します。 その中で、私たちがよく使う、日常でよく見かけるフォントについて紹介していきます。 明朝体 和文においてもっとも基本的なフォントである明朝体。 横の線が細く縦が太いという特徴があります。 文字に三角形の山のような「うろこ」があるのも特徴で、もともと明朝体は中国から伝わった文体です。 筆で描かれてた文字をイメージしており、はね、はらいなど筆の動きが見えるフォントです。文字や文章が読みやすい、すなわち可読性が高いと言われており、新聞、書籍、教科書の本文に使われています。文字の与える印象は、高級、繊細、上品、優雅などがあげられます。 ゴシック体 明朝体と異なり、うろこがなく、縦横の線がほぼ均一という特徴があります。活版印刷の普及とともに作られました。 遠くからでも見やすい「視認性が高い」特徴があります。 「ゴシック」は、建築様式、美術様式で用いられる言葉ですが、ヨーロッパで使われていたゴシック体とは真逆となります。 パソコンやスマホなどのディスプレイでは明朝体が読みにくいケースがあるため、ゴシック体が採用されています。他にも名刺など様々な種類の印刷物で目にしたことがあるでしょう。文字の与える印象は、安定感、カジュアル、力強さなどです。 楷書体 毛筆のようななめらかな「とめ、はね、はらい」は残しつつ続け書きや省略がなく、縦横のバランスが取れたフォントです。 ビジネス文書など幅広く使われており、全体的にやや右上がりに書かれるのが特徴です。 明朝体との違いは、右上三角形のうろこがはっきりしていない点、横線が細い明朝体に対して、楷書体は均一であることがあげられます。 楷書は古代中国で南北朝から隋唐の時代に発展した書体です。日本では漢字の文字の標準は楷書で表すことが多く、文字からはあたたかみや、柔らかさが伝わります。 丸ゴシック体 丸ゴシック体とは、先端に丸みを持たせたゴシック体です。 ほぼ均一な太さの点画で構成されている点はゴシック体と同じですが、角の丸みの効果で、ゴシック体よりも親しみやすい印象を与えます。 同じ丸ゴシックでも、先端の丸み、角の丸みの違いによって、印象が変わるため、たくさんの種類があります。 見出しなどに使われるケースも多いですが「立ち入り禁止」などの注意喚起、警告を表す文章には向きません。 メイリオ メイリオは、米マイクロソフトが開発した和文ゴシック体です。 メイリオはやや幅広で大きめなつくりに特徴があり、Windowsオペレーティングシステムに標準搭載されています。 メイリオは字面が大きいため、文字と文字の間が狭くなっています。文字量の多い資料の場合、印刷で文字が詰まり読みにくく感じる場合もあります。 反対に、遠くからスクリーンで投影されるようなプレゼン資料に適しています。 瞬間的に判断できる「視認性の高さ」が特徴で、看板などの文字にも使用されています。メイリオの名前は、日本語の「明瞭」が由来です。 欧文フォントの紹介 日本語フォントと欧文フォントには大きな違いがあります。日本語フォントでは、漢字・平仮名・片仮名のすべての文字が正方形に収まるようにデザインされている一方、欧文フォントは正方形に収まっていません。大文字と小文字でデザインの基準が異なっています。日本語フォントと同様に種類も豊富ですが、ここでは代表的な2つを紹介します。 セリフ体 先端にセリフと呼ばれる装飾があります。 日本語フォントの明朝体に似ており、はねや払い、縦横の線に強弱があります。 サンセリフ体 サンセリフ体の「サン」は、フランス語で「ない」という意味を表します。 つまり、サンセリフ体は「セリフがない」「先端の装飾をもたない」フォントです。ゴシック体と似ている特徴を持ちます。 日本語フォントと組み合わせる時に、セリフ体は明朝体、サンセリフ体はゴシック体と組み合わせると違和感が少ない特徴もあります。 フォントの選び方 では実際にどのようにフォントを選んでいけばいいのでしょうか。 手書きの文字を思い出してください。書き殴りの文字と丁寧に書かれた文字、丸い文字と習字のような文字などで、読んだときの印象が変わります。 読み手を想像し、どのような種類のフォントを選ぶかによって「読みやすさ」だけではなく、印象を変えたり、人の心に訴えることができます。 ただ膨大なフォントの種類から「どの種類を採用するか」判断に迷うことも多くあります。 フォントの種類が多いために判断に迷う場合、に3つのことを意識してみましょう。 1. イメージやコンセプトに合うか 真面目な内容の文章に角が丸い丸ゴシックでは読者は違和感があります。 例えば、誠実さを伝える文章や、フォーマルな印刷物には明朝体を選択したり、看板や名刺で読みやすさと信頼感を与えるには、ゴシック体を採用するというように読み手がどう受け取るかを考えてフォントを選んでみましょう。 2. 文字が判別しやすく誤読が少ないか 幅広い年代が読む文は、誤読が少ないことが大切です。 現在では、UDフォントが使われるシーンが多くなりました。 UD=Universal Design(ユニバーサルデザイン)とは、年齢や性別にかかわらず、わかりやすい、使いやすいデザイン設計のことです。この考え方をフォントに当てはめ、様々な会社が「誰にでも容易に文字を読み取れること」を目指し、UDフォントの研究をしています。読み落とさないでほしい文章、値段表記などに多く採用されています。 3. 迷ったらシンプルなフォントにする 何千ものフォントがありますが、迷ったら、この記事で紹介したフォントを思い出してください。 ポスターやプレゼン資料などは、複数の種類のフォントを使用することもあります。 組み合わせを間違うとインパクトよりもごちゃごちゃとした印象を与えてしまう可能性もあります。 既存のデザインを参考にしながら、フォントを探してみましょう。 印鑑・ハンコのフォント(書体)とは 印刷物やデジタル以外にもフォントを選べるシーンがあります。 例えば、印鑑。私たちは意識しなくても自分や会社を象徴するフォントを選んで採用していることになります。 印鑑の場合、フォントは書体と呼ばれており、個人や法人のイメージに合わせるという選択のほか用途に合わせる方法があります。 実印の場合は、偽装されにくいフォント(書体)がおすすめですし、浸透印(シャチハタ式)の場合は、クッキリと読みやすいものが良いでしょう。ここでは、数ある種類の中から印鑑特有の書体を3つ紹介します。 篆書体(てんしょたい) 篆書体は歴史ある文字です。 日本最古の印鑑といわれている漢委奴国王の金印もこの字体で作られています。 実は、日本の紙幣に『総裁之印』『発券局長』の印鑑があるのを知っていますか?この印鑑も篆書体です。 楷書体や行書体と比べると暗号のようになっています。実印はわざと読みにくく偽造しにくい特性があるため、実印に採用されることが多いことが特徴です。 隷書体(れいしょたい) 隷書体は、篆書体を実用的に簡略化したものです。篆書体を線的な形状にしたため、印鑑として使用しても枠内に収まりやすいという特徴があります。全体的に太めの線、横長で読みやすい書体です。 古印体(こいんたい) 日本独自の書体で、字に墨がたまったような表現で丸みもあり、優雅な書体です。読みやすさが求められる、認め印にも多く採用されています。 印鑑の書体についてはこちらを参照してください。 合わせて読みたい 印鑑の書体はどれがおすすめ?選ぶ際のポイントを紹介 まとめ フォントとは同じサイズ、同じ特徴を持つ文字の形状をデザインしたもので、種類は何千もあります。 その中で日本語フォント5つ、欧文フォントを2つ紹介しました。 数ある種類の中、選ぶのは大変かもしれませんが、フォントの選び方によって印象が変わりますので、十分に検討しましょう。 印鑑の場合、フォントは書体と呼ばれており、印鑑特有の書体があり、種類も豊富です。 サンビー製品は、紹介した印鑑・ハンコフォントはもちろんのことシーンに合わせたフォントで、住所印やネーム印などをお選びいただけます。 お気軽にお問い合わせください。