海外の人に人気の日本文化とは?伝統ある独自文化と実際に体験できる人気のプラン10選

電通が世界15の国と地域を対象におこなった調査によると、観光目的で再訪したい国・地域として日本は2位のシンガポールと3位のアメリカを大きく引き離し、1位という結果になりました。

日本には他の国と比べて「多彩なグルメ」や「独自の文化」があることが、再訪したいという理由につながっているようです。

今回の記事では海外の人へ魅力的に映る日本文化について解説します。

海外の人に日本文化が人気の理由は「他の国にはない独自の文化」

コロナ禍を経て、日本へ来訪するインバウンド客は毎月増え続け、2024年8月に日本政府観光局が発表したものでは2024年7月単月で300万人を超えました。

リピート来日する訪日リピーターも増えており、2016年以降6割前後で推移しています。

周りを海で囲まれ、島国という環境で発展したことで、他の国とは異なる独自の文化が生まれた日本。

食や生活様式、祭り、建物など日本特有の文化はSNSの発展もあり、日本にまだ来たことない人にも届くようになりました。

遠く離れた国々から日本を訪れる人たちにとって日本の文化はとても新鮮で、感動を与えるものであるようです。

特に文化が異なる欧州や欧米、オーストラリアの人は日本の歴史や伝統文化体験、日本の日常生活体験、日本のポップカルチャーへの支出が多い結果が出ています。

次の項では、日本を訪れた海外の人に人気の日本文化について解説していきます。

海外の人に人気の体験できる日本文化10選

以前より海外の人に人気だった定番の日本文化から、意外なものまで10個紹介します。

1. 和太鼓体験

日本を代表する伝統楽器と言われる和太鼓の歴史は古く、縄文時代から存在していたとも言われています。

和太鼓は大きく分類すると9つありますが、もっとも有名なのが和太鼓界のエースとも言われ、顔でもある「長胴太鼓」。神社でも使われることから「宮太鼓」とも呼ばれます。

銅の中央がふくらんだ形の太鼓で、面に貼られた牛革を木のバチで打ちぬくように叩き、音を出します。

日本各地で海外の人に向けた体験教室も開催されています。

2. 天然温泉と浴衣体験

草津や有馬、別府など日本各地に点在する温泉地。

多くの温泉地には宿泊施設が併設されており、独自の浴衣で湯町を散策するのも楽しみのひとつです。

私たち日本人でも日常的に浴衣を着ることは少なくなりましたが、海外の人にとって浴衣は新鮮そのもの。

初めての人でも浴衣を着られるように説明文が添えてある旅館もあり、浴衣に不慣れな海外の人でも浴衣を楽しめるように工夫されています。

昨今とくに人気なのがタトゥーがあっても入浴に制限のない城崎温泉浴衣に着替えて城崎の街を歩く多くの海外の人を見かけます。

3. 広島の平和資料館と原爆ドーム

平和記念公園を訪れる人で最近目立つのが海外からの観光客です。

園内にある原爆念資料館の入場者数は2023年過去最多を更新し、その中には多くの外国人の姿も多く見られます。G7サミットが広島で開催され、各国の要人が原爆記念館を訪れたことも影響しているのかもしれません。

原爆で受けた被害や影響を自分の目で確かめたい人や、原爆の歴史に興味がある外国人が増えているようです。

また「復興と平和の象徴」として海外から寄付された、平和記念公園を彩る多種多様なバラも人気です。

4. 秘境めぐり

国土の3分の2を森林で占める日本には、街から遠く離れた集落に豊かな自然と独自の文化によって築かれた秘境が存在します。

合掌造りで有名な「白川郷(しらかわごう)」、日本民俗学発祥の地「椎葉村(しいばそん)」、そして平家の落人伝説が残る「祖谷(いや)」は日本三大秘境と言われる有名スポットです。

中でも徳島西部に位置する「祖谷」は今海外の人に最も人気の秘境と言われています。

清流の14m上に架けられた全長45mのかずら橋や、深く切り込んだVの字型の「ひの字渓谷」など自然が作り出した美しい景観。

そして、日本古来の暮らしが体験できる古民家を改装した宿泊施設は、宿泊者の約8割が海外から訪れた人で埋まっているそうです。

5. 陶芸体験

静かな空間で土をこね、ろくろを回して形作る陶芸は癒し効果もあると言われています。

和食器でもろくろで作るものは「いびつ感」が生まれ、芸術性の高さや日本のわび・さびを感じられると海外の人にも人気です。

外国人向けの陶芸教室も増えており、そのニーズの高さが伺えます。成形から乾燥、焼成など完成まで日数を要しますが、長期滞在の人を中心に多くの外国人が体験しています。

6. 聖地巡礼

『すずめの戸締り』や『鬼滅の刃』『新世紀エヴァンゲリオン』など多くの日本アニメは、国内だけでなく世界各国で高い人気を得ています。

そんな人気アニメの聖地を訪れるのが訪日の目的だと言う人も多く、「訪日意向に関するアンケート」では訪日を希望する理由の第3位に「アニメなどの日本カルチャー」がランクインする結果となりました。

実際、『スラムダンク』に登場する江ノ電・鎌倉高校前駅近くの踏切や『鬼滅の刃』の世界を感じられる浅草寺などで日本アニメファンであろう海外の人を多く見かけます。

7. 忍者体験

日本と言えば、忍者!というのは今も変わっていないようで、忍者を体験できるコースは高い人気を継続しています。

忍者の里として知られる三重県伊賀市にある伊賀流忍者博物館は、本物の忍者屋敷のからくりを見学できたり、手裏剣打ちの体験ができたりと多くの忍者ファンに人気です。

伊賀市の公式観光案内は英語でのガイドにも力を入れており、海外の人にも忍者の世界観を楽しんでもらえるようサポートを行っています。

8. 蕎麦打ち体験

体に良い栄養素が豊富に含まれる蕎麦はただ食べるだけでなく、自ら作る蕎麦打ち体験も人気です。

蕎麦粉と塩、水というシンプルな材料で行う蕎麦打ちは、一見簡単なようで熟練の技が求められます。

「材料を混ぜて、こねて、伸ばして、切る」

シンプルだからこそ、ひとつひとつを丁寧に行うことが大切な蕎麦打ちは、日本人の繊細さが詰まった伝統的な食文化を「作る」という工程から楽しめる文化体験です。

9. 歌舞伎鑑賞

約400年もの歴史をもつ歌舞伎は今も多くの外国人を魅了しています。日本を訪れたら体験してみたい日本の伝統文化として常に上位の歌舞伎。

「既存の考えにとらわれずに流行を取り入れ、人々を楽しませる」という精神を受け継いできた歌舞伎は、芝居、踊り、音楽の3要素で人々を楽しませてくれます。

また歌舞伎公演が行われる歌舞伎座は外観も美しく、多くの海外の人を魅了しています。

10. 宗教的な史跡や巡礼地めぐり

古道四国お遍路といった宗教的な史跡や巡礼地をめぐる「巡礼ツーリズム」の人気が高まっています。

巡礼路には専用の宿泊施設も多く、インバウンド需要が加熱する前から一部の訪日客には人気がありました。史跡や巡礼地を歩いて回ることで精神を鍛え、日本の歴史や伝統、宗教を学ぶことができるためです。

今ではアウトドアツーリズムを目的とした訪日客からのニーズも高まり、日本各地の史跡や巡礼地ではより多くの外国人を見かけるようになっています。

【まとめ】海外の人に人気の日本文化は「見る」から「体験」へ

今、訪日する海外の人には「体験」が人気です。

ただ買ったり見たりするだけでなく、触れたり、感じたり、作ったりする「体験」は深く記憶に刻まれます。

日本特有の歴史や習慣、風習は海外の人にはとても新鮮で、大きな感動にもつながっているようです。

日本の「おもてなし」を通して、日本の文化がより多くの海外の人に届くと嬉しいですね。