領収印とは?領収書に印鑑は必要なの!?領収印のメリットについて

領収印とは、領収書に押すための印鑑のことをいいます。 

税務・経理上において、収入印紙の消印を除き、領収書に領収印は必須ではありません。ただし領収印は、受領する相手から求められる場合も多いのが現状です。

改めて 領収印についてまとめてみました。

領収書に必要な項目とは

領収印は不要と聞くと「では領収書に必須項目は何か?」という疑問がわいてきます。領収書に必要な項目は全部で6項目あります。

発行者

発行者は必ず必要で、正式名称で記入します。また住所や電話番号は必須ではありませんが、発行元を証明し、連絡先を明記しておくことが望ましいという考えです。「1枚1枚、事業者名だけでなく住所も書くのが面倒」と感じる方も多いのではないでしょうか。事業者名や住所についてはスタンプや印刷でも対応可能です。あらかじめ準備しておくのもよいでしょう。また、領収印を押す場合は発行者の横に捺印するのが一般的です。

取引年月日

受け取った日付は、明確にする記入する必要があります。銀行振込での入金後領収書の発行を求められた場合は、実際に振り込まれた日付を記入します。

和暦は「R」西暦の場合は「24年」などと略せず「令和6年」または「2024年」というように記載が必要です。

宛名

領収書の宛名は​​​​個人であれば氏名、会社であれば正式名称を記入します。個人事業主で「屋号」がある場合は、屋号と合わせて氏名を書きます。

「上様」という記述は、不特定多数に当てはまり、税務審査をクリアできないこともあるので、避けるべき表記となります。

金額

金額の先頭には「¥」や「金」を記入します。末尾に「※」や「−」を付け、金額の0表示3つごとに「,」で区切ります。これは金額の改ざんを防止するためです。例えば¥100,000_のような記載がベストです。

取引内容

具体的に記入します。「お品代」では、用途が不明です。どのような内容で領収書を発行したかわかるようにしましょう。

収入印紙(受取金額が5万円以上となる場合)

49,999円の領収書までは収入印紙は不要です。収入印紙に割印をし収入印紙の再利用を防ぎます。

収入印紙とは、印紙税法という法律で決められた課税文書に貼るもので、税金の一つです。通常は領収書を発行した側が負担します。収入印紙への押印の仕方は後ほど説明いたします。

また、領収証と領収書どちらが正しいの?という疑問を持つ方もいるでしょう。どちらも正解です。「領収証」は金銭等を受け取ったときに「受領したことを証明」するもの。「領収書」は「受領を証明した書類」を意味します。

領収書に領収印を採用している理由と領収印がない場合のリスク

では不要と言われている領収印を採用するケースが多い理由を考えてみます。

領収書に「印鑑が必要」と一般的に思われている理由に多くの会社が習慣的に領収印を押印していることがあげられます。

特に領収書の金額が5万円以上の取引が多い会社の場合は、収入印紙に押印しなくてはいけません。収入印紙に押印し、あえて領収印を割愛する必要もない。という理由もその一つかもしれません。

そのほかに「領収印がない場合のリスク」は3つあります。

1. 偽造が疑われる

領収印があることで正式な書類であるという信頼度が増し、偽造を疑われるリスクが低減します。担当者個人が偽造していないことを証明でき、安心感が増します。

2. マナーの問題

「領収書には印鑑が必要」という認識を持つ人に対して、領収印がなければ、印象が悪くなります。「領収印をお願いします」「どうして領収印がないのですか?」という問いかけに対して時間をかけ「本来不要だと思うのですが…」と説明するよりも、押印する方がスムーズという利点もあります。

3. 会社の規定で計上できない場合がある

社内の規定で「領収書に印鑑がなければ計上しない」というルールがある場合もあります。従業員の不正を抑止したり、不要な経費を削減する目的のために簡単に処理できないようにするためです。経理処理上でも同様に領収印は不要とされていますが、経費としての信頼度を高めるために規定を設けている会社も多くあるのが現状です。一度社内ルールを確認してみましょう。

領収印を押印する位置について

領収書の発行者の会社名や住所などの上からかぶせるように押すことが多いですが、決められているものではありませんから、自由に設定してかまいません。個人事業主の場合も、法人の領収書と同じく発行者名や住所、連絡先の欄に少しかぶるように押印します。

領収書の印鑑は丸印ではなく角印を使用するのが一般的です。

丸印とは、会社の実印で法務局に登録する印鑑です。

一方、角印とは、角形が特徴の法人印のことを指します。角判(かくばん)とも呼ばれることもあり、領収書や請求書によく使用する印鑑です。

角印を使用する理由は、印鑑の情報を盗まれるなどのリスクに備えた対策です。

領収書のように頻繁に押印が必要な場面で実印を使用すると紛失のリスクも高まります。

また、個人名の印鑑や浸透印(シャチハタ印)でも問題はありませんが、領収書の印鑑の目的である「偽造防止」の観点でいえば、すぐに手に入れられる浸透印(シャチハタ印)は避けたほうが無難といえます。

収入印紙に押印する位置について

・収入印紙(受取金額が5万円以上となる場合)にて説明しましたが、領収書の金額が5万円以上の場合は収入印紙が必要です。
収入印紙には割印が必須となりますが、位置は決まっていません。

一般的には、収入印紙の右側と領収書の間を割って捺印します。

割印とは、複数の文書にまたがって印影が残るよう、印鑑を押す押印方法のことです。印紙を剥がし再利用を防止するためにこの方法が取られます。

収入印紙を購入して文書に貼り付け、印鑑を押すことでをすることではじめて納税したことになります。

収入印紙が必要な文書に印紙の貼付けを忘れてしまうと、印紙税を納めなかったことになるので注意しましょう。

また印鑑の指定はなく、角印、個人の浸透印(シャチハタ式)でも問題はありません。

 領収印は誰に押してもらうのがベスト?

領収印を押す人に指定はありません。

飲食店や百貨店の領収書では、担当者が浸透印(シャチハタ印)の印鑑を押すこともあります。

万が一トラブルがあったときに担当者がすぐわかるようにするためです。

また、個人事業主であっても買い手の希望に応じて領収書を発行する義務が発生します。収入印紙のルールも個人、法人かかわらず適用されますので準備しておきましょう。

領収印有無については、発行する側の希望を通すよりも受け取る側のニーズを優先することが大切です。

通常押印なしの領収書を発行している場合でも、領収書を受け取る側が押印を希望した場合、すぐに対応できるよう印鑑の準備はしておきましょう。

領収印には様々なタイプがある 

サンビー クイックスタンパー  角印

小さめの角印に最適です。
持ち手が長くて握りやすい「長柄タイプ」もあります。

https://item.rakuten.co.jp/cgomuken/sanbikakuin00001

サンビー テクノタッチデータ

 書類整理用にも便利と評判です。

https://item.rakuten.co.jp/hanko-market/hm-tr-dt6ga

サンビー クイックスタンパー16mm丸 領収 浸透印

優しく紙面に落としてあげるだけで鮮明に押印できます。

https://item.rakuten.co.jp/cocomo-s/10000057

まとめ

今回の記事では領収印について紹介しました。

領収書に領収印は必須ではありませんが、領収印がないことでリスクもあるのが現状です。
領収印を「面倒なもの」ととらえず、発行する側と受け取る側が安心できるツールとして考えていきましょう。